雑貨屋ウィークリー1381号

雑貨屋のひとり言「心に呼び掛ける」

オートバイは風を切って走る爽快感が良いのかもしれませんが、乗用車と違い事故が起こると大変悲惨なことになります。あるテレビ番組でちらっと見ただけなのでどこの国のことだったか忘れましたが、オートバイが頻繁に事故を起こすカーブの多いスリリングな道路があって警察はいろんな方法で注意喚起したのですが全く効果がなく困っていたそうです。その道路は辺鄙なところにあり事故が起こると救助が大変だったようです。そこで警察はユニークな標識を考えました。「ここで怪我をすると手当するところに行くまで2時間もかかり、それまで痛い思いをすることになります。」というような意味のことを書いた看板を置いたら事故は激減したそうです。「スピード落とせ」「この先カーブ危険」「・・・禁止」など直接的な表現では効果がなかったのに、ライダーの心の中に訴えかけたというのがミソのようです。これだけに限らず、人の心理にやさしく働きかけるようなやり方は他のことでも応用できそうです。ATMの前で特殊詐欺の被害に遭う前にちょっと思いとどまりたくなるような表現はないものでしょうか。《R.O.》

川柳(東京・成近)

(川柳)

披露宴母の形見が映えている

母子手帳しっかり子の名私の名

恋歌に衰え見せぬ母の喉

痛かったなあ母ちゃんのバリカンは

野次馬の私 その先駆ける祖母

(ニュースひとりよがり)

「側近体制」

習さん大丈夫? ―ブルータス」

「事実上の更送」

2密なのに ―山際大臣

「フルロナ」(インフル+コロナの造語)

いやな言葉が出てきた ―今年の新語大賞

河合成近

龍翁余話(753)「3年ぶり、懐かしの羽田空港第3ターミナル」

“ハワイ大好き人間”の翁、1984年から2019年までの35年間、毎年ハワイ旅行を続けていた。オアフ島・マウイ島・ハワイ島には、すでに“龍ファミリー”も出来ている。州都ホノルルがあるオアフ島の主な観光スポットは、ほとんど知り尽くしている。どの島でも必ず自分で運転する。日本からハワイにやって来た友人たちを乗せ、島の各所をガイドして喜ばれたりもした。

ハワイアン航空が羽田-ホノルル線の就航を開始した2010年11月までは、翁は、成田国際空港(2004年3月末までは「新東京国際空港」の名称だった)からノースウエスト航空(2010年1月にデルタ航空と経営統合、以後、デルタ航空となる)を利用していた。出発当日は朝から成田空港に近いHカントリー倶楽部(メンバーコース)でプレーし、シャワー後、空港近くのパーキングにマイカーを預け、夜の出発便に搭乗するのが恒例だった。

羽田空港第3ターミナル(国際線=正式名称は「東京国際空港」)が開業したのは2010年10月21日。翁が羽田からハワイアン航空を利用するようになったのは、たしか2015年の11月のこと。翁の住まい(西五反田)から羽田までは近いし、時間も経費も縮小されたので、以後のハワイ行きは羽田からのハワイアン航空を利用している。ところが2020年春からのコロナ感染蔓延(“コロナ禍“)で35年も続いたハワイ旅行も2020年から3年も足止めを喰っている。一方、10月11日からの「水際対策緩和」(外国人観光客の大幅勧誘)や今年の初夏から始まった(急激な)「円安」で外国人観光客の訪日が増え始めた。そして、このたびハワイから”ハワイの龍ファミリー“が来日すると言うことで(浜松町から東京モノレールで)「羽田空港第3ターミナル(国際線)」にやって来た。実に3年ぶりだ。3年ぶりなので、ちょっと早めに出かけ、翁の好きな“日本ムード”が漂う階をブラついた。中でも翁のお気に入りは(以前、小欄『龍翁余話』でも紹介したが)江戸情緒たっぷりの「江戸小路」(写真左)や「和風茶屋」(写真中)(いずれも4F)それに「はねだ日本橋」(写真右)(5F)だ。どこもかしこも懐かしい。

「江戸小路」は伝統の日本式工法を追求した江戸時代後期の“燃えにくい瓦屋根”の和食店が立ち並ぶ。近くには某茶園がプロデュースする「和風茶屋」、そして翁が特に推薦する“日本ムード”のベストプレイスは“今も昔も 旅立ちは 日本橋”の看板が建てられている「はねだ日本橋」。江戸幕府開闢(かいびゃく)と同時に創架された「日本橋」は江戸の町の中心で旅人たちが行き交う5街道(東海道・中山道・甲州街道・日光街道・奥州街道)の起点であることはご承知の通り。翁が知る限り「日本橋」を模した橋が架けられているのは(都内では)「江戸東京博物館」と「羽田空港第3ターミナル(東京国際空港)」の2ヵ所。京都の「東映太秦映画村」と「日光江戸村」にも小型の「日本橋」があるそうだが翁はまだ見ていない。「はねだ日本橋」の壁面には江戸時代中期の浮世絵師・歌川広重(「東海道五十三次」や「名所江戸百景」が代表作)の絵“日本橋界隈”や“江戸城”など10点が展示されている。そして「はねだ日本橋」から展望デッキの階へと上がる。この階には「HOT ZONE」(昭和から平成の人気キャラクターグッズを取り揃えた店舗や、スロットカーレーシングコースのあるエリア)と「COOL ZONE」(ハローキティの公式ショップや様々な日本土産が軒を並べる)、それに(日本でここにしかないと言われている)「プラネタリウムカフェ」があるのだが、ほとんど休業中だ。出発ロビー(3F)のインフォーメーション・デスクのスッタフの説明によると「第3ターミナルには、レストランやショップが約45店(料理屋20軒、お土産店20軒、その他が5軒)、但し今の時期は全店舗の約30%が休業中。営業していても、ほとんど“時短営業”です」とのこと。

「羽田空港第3ターミナル」には日本航空・全日空をはじめハワイアン航空・アメリカン航空・ユナイテッド航空・デルタ航空・エールフランス・大韓航空・カンタス航空・チャイナエアライン(台湾)・中国国際航空・インドネシア航空・フィリピン航空・ベトナム航空・ブリティッシュエアウエイズ・ルフトハンザドイツ航空など約40の航空会社が就航しているのだが、当日は各航空会社のチェックイン・カウンター(写真左)も、屋上の展望デッキから見る駐機場(写真中)もガラガラだった。そうこうしているうちにハワイアン航空863便の到着時刻が近づく。

曜日や時間帯にもよるだろうが、この時間帯の到着ロビー(2F)には数十人の出迎え人しかいなかった(写真右)。ほとんどの人がマスクを着用していたので何となく安心感が・・・“コロナ禍”以前なら(国際空港は)出迎え人と来客人は握手したりハグをしたりするのだが、この時期はその光景があまり見られなかった。翁も久しぶりに会う“龍ファミリー”に対し軽く手を挙げ、マスクの下から「ウエルカム」と言って歓迎の意を表しただけ。それだけでも“再会の喜び”は充分。ともあれ“秋たけなわ”の某日『3年ぶり、懐かしの羽田空港第3ターミナル』であった・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

茶子のスパイス研究「お米と持久力」

明治時代、人力車で旅をしていた西洋人が日本人の体力に驚き彼らが食べている米の握り飯より肉を食べさせたらもっと力が出て早く走れるのではないだろうかと肉を勧め食べさせたそうだ。ところが瞬発力はあっても持久力が無くなり2~3日で疲労が増し息切れするのを見て結局は元の米の握り飯に戻したという話を聞いた事がある。

今年の夏、品川にある物流博物館を訪れた時、江戸時代から明治時代以降の物流の移り変わりを見た。馬の他に飛脚といって急ぎの手紙や公文書、金銭などを届ける仕事をしていた人もいたそうだ。江戸から大阪間を3日間、時速7~8Kmで走ったというのだから、やはり米のパワーなのだろうか、、、、

確かに山登りを始めるようになってからパンより、おにぎりの方がずっと腹持ちが良く消化に負担がかからないという事を実感するようになった。Sierra Clubのハイキンググループと山登りを始めた頃、頂上にたどり着いてランチの時に大きな鳥のもも肉をバックパックから取り出して、ぱくついているアメリカ人がいて驚いた事がある。図体が大きいわりには、へたばっていたのを覚えている。

ともかく私が参加していたハイキンググループは強硬派で夜明け前に家を出て日が暮れる頃まで一日歩くわけなので体力が勝負なのだ。食べる物、飲むものからスナックまでいろいろ考えて準備する必要があった。私にとって山の頂上で食べるのは、やっぱりお握りがいい。山を下りてくるまで体力が持続出来たし降りてきた後は完璧にカロリーを燃焼していて気持ちがいいくらいお腹が空っぽになったという感覚があった。

それでは、お米の栄養はどうなのかと調べてみたら、茶碗一杯にたんぱく質が牛乳約1/2びん、ビタミンB1はキャベツの葉1枚分、ビタミンEも少量あり食物繊維はセロリ1/3本、鉄は、ほうれん草2~4枚分、亜鉛も少量あり脂質は6枚切りのパン1枚と比べ1/8以下。これに麦や雑穀や豆を入れて炊いてもいいし味噌汁とお漬物などの発酵食品そして野菜や日本人の体に適したたんぱく質のお魚、豆腐、お肉などをバランス良く摂取すればパーフェクトなのだろうと思う。

母の内科の先生も日本人は縄文の時代から長い間、米を食べてきた歴史があって日本人の腸には、お米が一番合うのですよと言っていた。生態学博士の久間氏によると祖先が食べていたものから遠ざかるほど人間は病気になりやすいのだとか、、、

日本人の歯や腸の長さを見ても私達は穀菜食動物なのだそうだ。消化酵素の働きも日本人は米の糖分を分解するアミラーゼの活性が欧米人より高く、欧米人は牛乳を分解するラクターゼが活発なのだそうだ。

震災の時にも日本人は皆で米の炊き出しをしてお握りを作り分かち合って命を繋いできた。先日、東京大空襲のフィルムを見ていた時に、たくさんの女性たちが米を炊き出しおにぎりを作って皆に配っているシーンを見て感動した。日本人にとって手軽に食べられるファーストフードがお握りなのだ。

病み上がりに重湯やお粥を食べさせて回復していった母やクライアントさんを見てきて一粒の米の中に、未知のエネルギーが潜んでいるのではないかと思わせられるくらいだ。体力を消耗して胃も弱っている時には薬でなく、重湯やお粥が体に優しい。

そう言えば、美味しいお握りを食べて自殺を思いとどまったという人のドキュメンタリー映画をLAで見た事がある。確かハツネさんというお名前だったと思う。LAにもイベントでいらっしゃっていて友人がハツネさんにお会いして、そのおにぎりを食べて美味しかったと言っていた。残念な事に何年か前に他界されたのだそうだ。1度もお会いするチャンスは無かったけれど彼女の作るおにぎりを食べてみたかった。

スパイス研究家 茶子

ジャズライフ Diana Krall “”Wallflower”

iFi製のZEN DACを使ってAmazon Musicのハイレゾ音楽を聴いています。この機器にはなかなか優れた仕様なのですがまだ使い切れていない部分があります。それはバランス出力で聴いてみるということです。一般のオーディオ機器はRch、Lchの出力はマイナス側はアースで共有接続されたアンバランス出力になっています。直径が3.5mmまたは6.3mmのプラグで3極になっています。バランス出力はRとLのマイナス側が完全に分離されています。直径が4.4mmのプラグで5極あります。バランス出力はRchとLchが完全に分離されお互いのチャンネルの干渉(クロストーク)がなくなるので音の解像度や分離度が良くなります。ZEN DACにはバランス出力(4.4mm出力端子が2つ)が装備されていているので別のイヤフォンでバランス接続したものと同時に音質比較もできます。

雑貨屋ウィークリー1369号で紹介したイヤフォンはケーブルを取り替えることが(リケーブル)できるので、バランス接続にできるケーブルを探していました。そしてついにバランス接続(4.4mm5極のプラグ)できるコスパのよいケーブルを見つけ入手しました。正直なところ半信半疑の気持ちで現行のアンバランス接続とバランス接続をDiana Krallのアルバム”Wallflower”の夢のカリフォルニアとデスペラードの二曲を使用して聴き比べてみました。アンバランス接続からバランス接続に変えてまず驚いたのが音圧レベルがかなり上がったことです。これは出力電圧が2倍になったためですが、もともと音圧レベルが高くメリハリのあるイヤフォンの音がさらにはっきりして迫力のある音に変わりました。16芯の銀メッキ線を使用したリケーブルでバランス接続にしたことでイヤフォンの持つ性能を最大限に引き出せているように思います。イヤフォンのリケーブルでバランス接続がリーズナブルに実現できたこと、そして期待以上の結果で大変満足しています。音の比較用としてDiana Krallのアルバム”Wallflower”を使ったので2016年以来(雑貨屋ウィークリー1054号)、2回目の紹介となりますが今週の紹介アルバムにしたいと思います。 素晴らしい曲ばかりで何度聴いても飽きません。名曲を良いオーディオでじっくり聴く、最高の趣味に感謝です。《R.O.》

Diana Krall “”Wallflower”

01-California Dreamin’ / オリジナル: The Mamas & Papas 1965年
02-Desperado Piano: David Foster / オリジナル:Linda Ronstadt 1973年
03-Superstar / オリジナル:Delaney & Bonnie 1969年
04-Alone Again (Naturally) feat. Michael Buble / オリジナル : Gilbert O’Sullivan 1972年
05-Wallflower feat. Blake Mills / オリジナル:Bob Dylan 1971年
06-If I Take You Home Tonight / Paul McCartney本作のためにき下ろし
07-I Can’t Tell You Why / オリジナル:The Eagles 1979年
08-Sorry Seems To Be The Hardest Word / オリジナル:Elton John 1976年
09-Operator (That’s Not The Way It Feels) / オリジナル:Jim Croce 1972年
10-I’m Not In Love / オリジナル:10cc 1975年
11-Feels Like Home feat. Bryan Adams / オリジナル:Bonnie Raitt 1995年
12-Don’t Dream It’s Over / オリジナル:Crowded House 1986年

編集後記「10月も終わりです」

もう10月も終わりです。今朝の温度は7℃でした。あれほど暑かったのがウソみたいです。まだ暖房するほどではないので、部屋の中で暖かい恰好をして過ごしています。
左肩の痛みはいろいろやったおかげでだいぶ改善されてきましたが、まだある角度で痛みがでたりします。ヨガも再開し、以前やっていたポーズもできるようになってきました。友人のSさんから鉄棒にぶら下がるといいですよと助言を受けて公園に行ってやってみたり、先週はついに肩甲骨周辺の筋膜をリリースするためのローラーを入手して使っています。治るまでもう少し時間がかかりそうですが、痛みのストレスでHbA1Cに影響しないようにしようと思います。右肩は問題ないので必ず治ると信じて続けています。《R.O.》

コメント