雑貨屋ウィークリー1352号

雑貨屋のひとり言「新型コロナに感染してしまいました」

3回目のワクチンを接種していてもマスクをしていても手の消毒をしていてもコロナに感染します。3月2日、熱はなかったのですが喉に違和感があったので耳鼻咽喉科で診てもらいました。また喉をやられたのかと思っていました。次の日から38度を超える高熱が出てきました。解熱剤で熱は下がったのですが、高熱が2日も続いたのでもしかしたらと思いPCR検査を受けました。数時間後、陽性の連絡を受けました。ワイフは高熱は一時的でしたが倦怠感がつづくので念のためPCR検査を受けたら陽性でした。すぐに保健所から電話があり経緯の聞き取りがありました。私の場合は2日が発症日と考えられるので12日まで自宅療養を告げられました。感染しても軽症な若い人や子供たちが10日間も自宅で療養させられたら苦しいと思います。ものすごく助かったのは支援物資を希望すれば食糧が自宅に届けられたことです。パルスオキシメータもいっしょに同梱されていました。幸い私たちは3回のワクチン接種のおかげで重症化せずこの程度で済んでよかったと思っています。貴重な経験をした一週間でした。同じような環境にいても感染する人とそうでない人の違いはその時の体調に大きく起因するようです。無理をせず、ちょっとでも変だと思ったら休養したほうがいいと思います。そしてPCR検査を受けることをお勧めします。

3月はコロナに感染した長男家族、長女家族の支援に回っていましたが、今度は支援をしてもらう側になりました。助け合える家族がいることに感謝しています。《R.O.》

川柳(東京・成近)

(川 柳)

日本の平和に満開の桜

万歩計朝の桜を独り占め

物納の庭の桜の惜しまれて

花吹雪 風神腕によりをかけ

来年もまた会おうねと花筏

( ニュースひとりよがり)

「夜景、日本一に」

♪さぞやお月さん眩しかろ ―北九州市

「3年連続中止」

〝タマヤ―〟じゃなくて〝マタヤー〟 ―隅田川花火大会

「京都芸大に入学」

♪いつでも夢を ―橋幸夫

河合成近

龍翁余話(725)「プラスチック新法(プラスチック資源循環促進法)」

プラスチックは今や「これがプラスチック製品だ」と意識することも無く、我々の生活のあらゆる物(ポリ袋・ペットボトル・ラップフィルム・衣類・食器類・手袋・コード類・食品包装類・弁当箱・食器類・玩具・車や電子レンジ部品・コンピュータやテレビの外枠など)に使われているが、翁が子どもの頃(1945年の終戦まで)の生活周辺の道具の中で、鉄、アルミニウム、ブリキ、ステンレスなどは記憶にあるが、プラスチック製品は無かったのではと思ったので調べてみたら、日本国内で汎用化されるようになったのは1960年代(昭和35年頃)で、まだ60年そこそこ、発明から100年程度の歴史。

ご承知のようにプラスチックの原料は石油である。原油(石油のもと)を加熱分解するとガソリン・灯油・ナフサ・軽油・重油などになる。大部分のプラスチック製品はナフサが主原料だそうだ。近年、石油製品による弊害(環境問題)が世界的に議論されるようになり、とりわけプラスチック製品の海洋投棄による生態系への影響(海洋汚染)が深刻化するにつれ、プラスチック製品の使用抑制・回収・リサイクル促進が加速、今年2022年4月1日から『プラスチック新法』(プラスチックに係わる資源循環の促進等に関する法律=プラスチック資源循環促進法)が施行されるようになった。その『プラスチック新法』とは。

冒頭に述べた通り、さまざまな製品に加工されるプラスチックは、もはや我々の生活に欠かせないもの。しかし、プラスチック製品への依存度が高まるにつれ、ゴミ問題や気候変動問題などの環境問題を引き起こしていることも事実。そこで政府(環境省)は「プラスチック資源循環戦略」(4つのR)を考えた。4つのRとは「リデュース(減らす)」「リユース(再利用する)」「リサイクル(再生利用する)」「リニューアブル(再生可能な資源を活用する)」――と書いてみたものの、翁、内容はあまり詳しくない。そこで、もっと身近な話として”レジ袋“を例に挙げて見ることにする。”レジ袋“は2020年の『容器包装リサイクル法』によって有料化された。それで果たして“レジ袋のゴミ”は実際に減ったのだろうか?もともと“レジ袋は”はプラスチック・ゴミ全体の数%しかないのだから有料化したからと言って直ぐにリサイクル促進が加速したり海洋汚染が(急速に)解決するわけではない。以前からマイバックを持たない翁は、コンビニやスーパーなどでの買い物の際、3円、5円払って”レジ袋“を買い、それを我が家の”家庭用ゴミ袋“(特に生ごみ入れ)として再利用しているから使用抑制の意識はなく、(申し訳ないが)ゴミ出しをした後の”レジ袋“の行方を深く考えたりもしないので、リサイクル促進に協力していると言う実感はない。但し、断っておくが翁は”ポリ袋“や”ビニール袋“を所定のゴミ回収場所以外の所(例えば道路とか山・海・河川など)に捨てるようなことは絶対に無い。

あるゴミ袋メーカーが消費者を対象に行なったアンケート調査では、「レジ袋の有料化によって店頭でレジ袋を買う人は少しは減ったかもしれないが、レジ袋の形に似た“取っ手付きのポリ袋”の売り上げが(有料化前の)2倍に伸びているので(レジ袋の有料化で)プラスチック・ゴミが減った、とは簡単には言えない」また「多くの消費者は以前から“レジ袋”を食料品の保存袋にしたり家庭用ゴミ袋にしていた習慣から、有料化後でもその習慣は止められない、と答えた人が90%以上いる」とのこと。したがって『プラスチック新法』の効果が表れるのは、だいぶ先のことだろう。なお、世界中で問題になっている海洋汚染は、このまま続けば2050年には海洋生物より海洋ゴミのほうが多くなると言われている。そこで日本では海洋汚染を未然に防止する取り組みとして「廃棄物処理法」や「ポイ捨て禁止条例」などの違反監視を徹底しているのだが、これは日本だけでなく世界、特に近隣の中国・韓国・北朝鮮・ロシア、その他の東南アジア諸国に働きかけなければならない。あるボランティア団体が日本の海岸に漂着する“プラスチック・ゴミ”ほかの漂着物を調べたら中国語・朝鮮語、ロシア語のほか、フィリピン(タガログ)語、ベトナム語、タイ語が印刷された漂着物が多い(60%以上)とのこと。衛生観念や国際マナーに欠けている国々が直ぐに対応するとは思えないが、働きかけは続けなければなるまい。

プラスチック製品は軽量で、道路にポイ捨てすると風で河川に行き、河川から海に流れ、結果的に”海洋汚染“を起こす。2019年、環境省は「海洋プラスチック・ゴミ対策アクションプラン」を策定した。その概要は①廃棄物処理制度によるプラ・ゴミの回収、適正処理の徹底、②海洋に流出したプラ・ゴミの早期回収、③海洋汚染を起こさない素材の開発・転換などイノベーションの促進、④ゴミ途上国に対しプラスチック類の海洋流出防止のアドバイス――これは翁が言う中国・韓国・北朝鮮・ロシアなど衛生観念や国際マナーに欠ける国々に対するアドバイスだが、このことに関しては、翁は期待薄である。

よく考えると、プラスチック製品が悪いのではない。と言うか、翁の個人的評価としては(アイデアに富んだ)プラスチック製品は安価で軽くて壊れにくく安全で、翁の暮らしの中では絶対的必需品。だから「プラスチックは悪い」と言う概念は全くない。問題は(プラスチック製品そのものではなく)使い方、廃棄の仕方だ。4月1日に施行された『プラスチック新法』の中で謳われている「特定プラスチック製品の排出抑制(合理化)」の具体的な品目としてフォーク・テーブルナイフ・スプーン・マドラー(コーヒーやカクテルなどを混ぜるスティック)・ストローなどがあるが、これらはすでにファミリーレストランやコーヒーチェーン店、コンビニなどで中止されているし、またヘアブラシ・くし・かみそり・歯ブラシ・シャワーキャップ・衣類入れ袋・衣類用ハンガーなどはゴルフ場やビジネスホテルなどから消えた。だが、世の中にプラスチック製品が存在する限り、翁の日常生活の中からプラ製品が消えることは絶対に無い。高齢になって瀬戸物の茶碗・コーヒーカップ・皿、ガラス製品のコップや食器などをどのくらい割っただろうか?プラ製品への愛着は更に深まる。大事なことは「廃棄の仕方」だろう・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

茶子のスパイス研究 「日本のお宝探しの旅① 壺畑の黒酢」

ある日、LAの日系マーケットで珍しいお酢を見つけた。リンゴ酢は試した事があっても黒酢と白ブドウの組み合わせは初めてだった。開封してショットグラスに注いでみると、その色は琥珀色でとろりとしている。一口飲んでみたら!創造していた以上に美味しかった。熟成された黒酢に包まれた白ぶどうの香りが爽やかに口の中で広がった。ずいぶん存在感のあるフルーティーなお酢だな~と感心して、まじまじラベルを見ると何やら黒い壺が一面に敷き詰められている写真があった。ホームページで調べてみると坂元のくろず情報館&レストラン“壺畑”という所があるのがわかった。場所は九州の霧島。まだ行った事も無い場所だ。様々な商品があって、どれも興味深い。LAでこのお酢に出会って友人やクライアントさんに、このフルーティーなお酢をそのまま試してもらったら誰もが美味しくて飲みやすいと評判が良かった。いつかこの情報館に行って見たいと思っていてようやくそのチャンスが訪れた。先月3月28日から東京を出発して3日目、鹿児島中央駅から朝5時51分発の霧島2号で国分駅に向かった。右手の車窓から桜島が見え何となくワクワクした気分になった。国分駅からバスに乗って小廻という所で降りた。バス停を降りて緩やかな坂道を上がっていく途中、鶯の鳴き声と満開の桜に出迎えられて嬉しくなった。振り返ると桜島が見える。今日は天気が崩れて雨になると言っていたけれど空の隙間から日が差してきた。何て、のどかで懐かしさを感じるような場所なのだろうと、たちまち私は幸せな気分に包まれた。こんな環境で作られたお野菜や食べ物はきっと美味しいに違いないと、、、道端にあった金柑の実を摘まんで食べながら歩いていくと左手の方の畑で農作業をされていたご夫婦がいた。話しかけると、このあたりの町の事をいろいろ親切に教えてくださった。とても楽しく私にとっては有意義な、お話が聞けた。それからゆっくり写真を撮りながら情報館に向かった。少し散り始めた桜の絨毯を歩くような気持ちで桜の並木道を歩いた。情報館はオープンと同時に入館したので、まだ誰もいなく静かにビデオを鑑賞し黒酢の商品を見たりする事が出来た。この坂元醸造は何と江戸時代後期から米酢作りを始めたのだとか、、、原料は蒸米と米麹と地下水だけ。後は、さんさんと降り注ぐ太陽と微生物の力でじっくり時間をかけて発酵させる。

以前、“時間を食べる”というタイトルのイベントが三軒茶屋であり、その言葉に魅かれて行った。そこで岩手の山奥で味噌作りに励んでいたご夫婦のドキュメンタリー映画“タイマグラ婆ちゃん”の映画に出会った。そして澄川嘉彦監督に会いに岩手に行った時、そのイベントのタイトルを考えたのは監督さん御自身だったと聞いた。まさに、坂元さんの黒酢も“時間を食べる”と言う事で日本の発酵文化の役目を担っている。情報館では10時から黒酢ソーダや黒酢のソフトアイスクリームが購入出来る。私はソフトアイスクリームを注文した。さっぱりしていて美味しかった。そこで商品の説明を聞いているとテイスティングとして黒酢を牛乳で割ったヨーグルト風ドリンクや飲み物を出してくださった。これも、とても美味しかった。疲労回復に飲んだら体がシャキッして活が入る感じだ。11時には情報館の隣にあるレストランが開く。バスの時刻とバス停まで歩く時間を考えるとランチは無理だと思って予約はしていなかった。でも先に注文をして支払いを済ませ11時きっかりにサーブしてもらえれば間に合うかもしれないとレストランの女性に聞いてみると快く承諾していただいた。その日のお品書きは鯛とホタテの塩炒めがメインで食前酢としてりんご黒酢、前菜盛り合わせ、黒酢ドレッシングのサラダとご飯と卵入りとろみスープだった。どれもお野菜たっぷりでヘルシーでバランスのとれたメニューだった。急いで食べたので肝心のメインの鯛とホタテの塩炒めの写真を撮るのを忘れてしまったけれどバスの時間には充分間に合った。ここのレストランは中華料理を主体に黒酢を使ったお料理が多かった。食べながらタイフードやメキシカン料理、トルコ料理にも黒酢は合いそうだと思った。今度、スタンダードの黒酢であれこれ試してみたくなった。ところで坂元さんの黒酢の会社の歴史も興味深いものがある。

黒酢を育てる水は薩摩藩時代から“廻の水”と言われてきた地下から湧き出る名水を使い黒い壺は薩摩焼で有名な窯元が近くにあった事からこの壺が使われてきたのだそうだ。この壺には見えないけれど細かい穴があいていてそこに昔からの酢酸菌が住み付いていて、その酢酸菌がじっくりと時間をかけて美味しい黒酢を作るのだそうだ。この霧島の福山町の気候風土も黒酢造りには昔から最適な場所だったようだ。それらをうまく生かし江戸時代からの伝統的なやり方で黒酢を今も同じ製法で作り続けているという。壺の中の黒酢は同じ材料で同時に作り始めても一つ一つの壺の中の成長具合が違うので壺のフタを開けて色を確かめ匂いを嗅ぎ味を確かめる作業をするのだそうだ。そして発酵の進み具合を直接耳で聞いて確認し、いい状態のものには壺の上に石を置くのだそうだ。壺の中の発酵が進み膜が張った時には呼吸させるために竹の撹拌棒でかき混ぜるのだそうだ。

まさに生き物と人間が向き合って共同作業をしているのだ。なんとも神秘的な世界だ。戦中戦後は米不足の為にたくさんあったお酢の会社が廃業に追い込まれたそうだ。安い合成酢が出回り始めたのもこの頃、4代目の社長さんはサツマイモを代用してまで黒酢の製造を続けられ大変な苦労をなさったそうだ。その為に4代目の社長さんは苦渋の選択として今の5代目の会長さんに“稼業は継ぐな”と言われたそうだ。そして5代目の会長さんは九州大学医学部薬学科に行って製薬会社に入社されたそうだ。その後、国立鹿児島病院の隣で薬屋を開きそこで黒酢を販売し始めると患者の間で体調が良くなったと評判になったそうだ。そこで5代目の会長さんは本格的に壺酢造りを研究する事になって家業を続ける事になったのだそうだ。きっとご先祖様のお導きもあって必要な道のりだったのだと思う。とてもいい話だ。

クスリはリスクという本を読んだ事がある。クスリよりも私は食べ物の力を信じている。ただし、いくら健康に良いと言っても、口の中に入れて、まずければ続かないし脳が拒否反応する。それに脳から幸せホルモンが出ないし栄養にならないような気がする。従来の栄養学でカロリーは、どのくらいで、ビタミンCが何グラム入っていますというのも目安にはなるけれど、それ以上に目には見えない計る事が出来ない食べ物そのものの持つエネルギーというものがあると思う。そのエネルギーが人間の体にどのように吸収されてどのように働くのかは、未知の分野だ。坂元さんの黒酢には未来がある。最近、壺造り黒酢が文化庁認定の100年フードに選ばれたそうだ。また、食文化ミュージアムにも認定されたとかで是非、世界中の日本食ファンの人にも情報館を訪れて欲しいものだ。食べるという字は人を良くすると書く。美味しいものを食べると人は笑顔になる。そしてその瞬間幸せを感じる。脳も喜ぶ。胃袋も満足。心も豊かになり健康にも繋がる。桜島に見守られ太陽のエネルギーを受け鳥たちのさえずりや水の流れる音を聞きながら今日も壺の中の黒酢は発酵し元気に育っているのだろう。

スパイス研究家  茶子

ジャズライフ Oscar Peterson Trio “We Got Request”

3月からオーディオについていろいろ研究しました。いろいろ興味深いことがわかってきました。試すにあたってはもちろん自分で納得してからやることにしています。YouTubeなどの紹介動画はデータに基づいた論理的な説明がされていないことが多く納得できないことがたくさんあります。例えば最近人気の真空管アンプは音が柔らかくていい音がするというような紹介動画を良く観ますが全く信用できません。アンプの影響度を示すダンピングファクターがものすごく低いのでスピーカーやスピーカーケーブルの影響をもろに受け周波数特性がごろっと変わってしまうことを誤解していい音だと表現しているようです。
引き続きオーディオの勉強はしますが、満足できる音で聴けるオーディオシステムができたのでしばらくは良い音楽(ジャズ)を探すのに注力できそうです。

今月はOscar Petersonが1964年にリリースしたアルバムで歴史に残る名盤”We Got Request”です。派手なアレンジもなく定番の曲を集めたアルバムですが とても落ち着く曲ばかりです。ジャズ入門の方からベテランの方まで安心して聴けるアルバムだと思います。《R.O.》

Oscar Peterson Trio “We Got Request”

1-Corcovado (Quiet Nights of Quiet Stars) 2:51
2-Days of Wine and Roses 2:42
3-My One and Only Love 5:10
4-People 3:32
5-Have You Met Miss Jones? 4:15
6-You Look Good to Me 4:49
7-The Girl From Ipanema 3:54
8-D & E 5:13
9-Time and Again 4:39
10-Goodbye, J.D. 2:54

編集後記

コロナに感染してずっと家の中にいるので運動不足になってきています。毎日やっていた家ヨガと散歩を中断してもう一週間になります。こんなに長く中断したことはありません。そろそろ始めて元に戻していこうと思います。運動もそうですが買い物にだって自由に行けることがどんなに幸せかよくわかります。もうすぐ自宅療養が解けるので健康をかみしめて歩きたいと思います。《R.O.》

コメント