雑貨屋ウィークリー1407号

雑貨屋のひとり言「Ai詐欺」

美空ひばりの声と歌い方まで学習させてAIで本人そっくりに再現させて新曲を歌うというプロジェクトがあり大きな話題になっていました。故人を偲んだ取り組みには相当な苦労があったと思います。あれから何年か経ちAI技術は目覚ましい進化を遂げているようです。わずか3秒のサンプル音声があれば本人と全く同じクローン音声ができてしまうそうで、この技術を悪用した詐欺がアメリカで横行しているとニュースになっています。SNSで投稿した動画の音声から簡単に入手できるので本人そっくりの音声を再現できるそうです。声を失った人に希望を与えることができる素晴らしいAI技術ですが、一方でAIを悪用した巧妙な詐欺が増えてくることが残念です。《R.O.》

川柳(東京・成近)

( 川  柳)

盛者必衰プーチンを脅かす

色即是空 飯だけは旨く食え                

晩鐘に諸行有情と励まされ

会者定離旅の続きを今しばし

般若心経唱えて祖母の今日が終え

(ニュースひとりよがり)

「バイデン氏出馬宣言」

今が旬です —80歳代

「うな丼大臣」

羨ましい —もり・かけ首相

「伊藤園で顔パス自販機」

おぉ水が出た —二日酔いの顔

河合成近

龍翁余話(779)「ゴールデンウイーク」

我々が普段、何気なく使っている言葉の中で、意味は何となく分かっているが語源や由来を知らない言葉がけっこうある。『ゴールデンウイーク』もその1つだ。「何を今更」と言われるかも知れないが、気になり出すと、ついつい調べたくなるのが翁のクセ。長年続いているあるテレビドラマの刑事もので主人公の警部が時折り口にする「細かいことが気になるのがボクの悪いクセ」。いや、翁の場合は“暇人の時間潰し”――早速インターネットで調べてみた。『ゴールデンウイーク』は勿論英語だから比較的新しいのではと思っていたら、いろいろな“俗説”があって、その始まりは意外に古い。

“俗説”で一般的とされているのは、最初は映画会社の宣伝文句だったらしい。戦後6年目(1951年=昭和26年)に上映された映画『自由学校』(翁は学生時代、50円映画館で観た)――敗戦直後の東京を風刺・戯画化した獅子文六(1893年~1969年)原作の映画化。戦後の混乱期であったせいか、松竹と大映が競作、松竹は佐分利信、高峰三枝子、淡島千景、佐田啓二ら、大映は小暮美千代、京マチ子、山村聡、加東大介ら、いずれも当時の大スターの総出演とあって、同じ週(5月初めの連休)に封切られた競合上映にもかかわらず(2作品とも)驚異的な興行成績を挙げたので、この週を『ゴールデンウイーク』(黄金週間)と名付けた、と言う。更に調べると『ゴールデン』と言うのは、ラジオの聴取率が高い時間帯(19.00~22.00)を『ゴールデンタイム』と呼んでいた、そこから『ゴールデン』を引用したそうだ。翁、この“俗説”を知って驚いた。戦時中、敵国語(英語)は使用禁止だったのに終戦と同時にカタカナ文字が氾濫、これはもしかして終戦(1945年8月)から1952年まで日本を占領していたGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の影響だろうか、公器であるNHKまでが(堂々と)英語表記をし出したのだから日本マスコミ界の変わり身の早さに驚く。なお、民放ラジオ局が誕生したのは『自由学校』封切と同じ年の1951年、中部日本放送(愛知県)と新日本放送(大阪府=現・毎日放送)だから、民放ではまだ『ゴールデンタイム』と言う言葉は生まれていない。ところがNHKは(その後、1部の民放でも)5月初めの連休を『ゴールデンウイーク』とは呼ばなかった。何故なら(前述のように)「映画業界の宣伝文句を公器・NHKが呼称するわけにはいかない」、「長期休暇を取れない人から“何がゴールデンだ”と抗議を受ける、「1週間以上も長い休暇が続くのに“ウイーク”はおかしい」・・・そこでNHKと1部の民放は「大型連休」と呼んでいた。現在は(あまり気には留めていないが)NHKや民放でも「大型連休」のほかに「ゴールデンウイーク」を使っているのではあるまいか、気を付けて聴いてみよう。

さて今年(2023年)の『ゴールデンウイーク』は(5月1日、2日の普通日もあるが)4月29日の「昭和の日」(昭和天皇の誕生日=激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす日)から5月3日の「憲法記念日」、4日の「みどりの日」(自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心を育む)、5日の「こどもの日」(端午の節句)を挟んで7日(日曜日)までの9日間、まさに“大型連休”である。さあ、この“大型連休”をどう過ごすか、すでに計画を立てている人、その計画を(連休に入る前から)実行している人、まだ計画も立たず「どうしようか」と考えあぐねている人、さまざま――

2020年から3年間“コロナ禍”で外出自粛、三密回避、ステイホームを強いられ、国民も観光地も(大きくは日本経済も)沈滞・疲弊ムードであったが今年はどうやら“規制緩和”で比較的自由な休暇の過ごし方が出来そう。まずは「旅行」だろうか。某大手旅行会社の算出によると国内・海外ともに旅行者数は断然増え、国内旅行者数は2,450万人(前年対比151%増)で行先は中・近距離、海外旅行者数は20万人(前年対比400%増)で行先はハワイ・韓国が多いそうだ。実は翁、約40年間も続いた(毎年恒例の)ハワイ旅行も“コロナ禍”のせいでこの3年間、足止めを食らっている。出入国の規制緩和と“コロナ禍”の下火傾向で「今年こそはハワイ旅行を」と意気込んではいたものの長引く“円安”で航空券も高いし現地で“ラーメン1杯2,000円”では、翁のような年金生活者は2の足を踏む。しかし翁、昨年暮れから年明けと今年の4月の2度の(大分県への)帰省があり、更に8月(お盆)の帰省も予定している。気分は違うが立て続けに3回の“国内旅行”をするので、今年の『ゴールデンウイーク』もおとなしくステイホームか、あるいは、せいぜい“近郊散策”で過ごそうと考えている。

『ゴールデンウイーク』だからと言って、何もアウトドアばかりが“よし”ではあるまい。ステイホーム(おうち時間)だって有意義な過ごし方はある。現役を退いて“有閑老人”になった翁、言うならば「毎日がゴールデンデー」。日々労働にいそしむ人たち、家族団欒(だんらん)を目論む良きパパ・ママたちのために“貴重な大型連休”を、彼らに譲ろう――そんな殊勝な心掛けではなく、単に“混雑嫌い”だけの翁、だから例年の『ゴールデンウイーク』は、ほとんどがステイホーム――レンタル・ビデオ(DVD)で“懐かしの映画”を楽しんだり、ギターの練習をし直したり、読書をしたり(恥ずかしながら翁の読書は“導眠剤”)・・・それと、この期間に断捨離の“捨”(家にずっとある不要な物を捨てる)

“離”(物への執着から離れる)、つまり“家の中を片付ける”ことをするだけでも(翁にとっては)どれだけ有意義なことか、と思っている。

但し、ステイホームには1つ、注意が肝要。それは「運動不足にならないこと」――散歩が一番だが、今年の『ゴールデンウイーク』はストレッチを“朝課”にしようと考えている。

ストレッチとは筋肉を引っ張って伸ばす運動。ご承知のようにストレッチは筋肉(骨格筋)の柔軟性を高め、関節可動域を広げるほか、呼吸を整え、精神的な緊張をほぐす働きがあるので、老体の翁にはうってつけの運動であろうと考える。そう考えるその先の目的は、やはりゴルフか・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

茶子のスパイス研究「大地からの恵み」

先月、LAから東京の実家を訪れていた友人に会いに石神井公園へ行った。友人のお母様が地域のコミュニティーに参加していて畑で野菜を作っていると言うので見に行ってみた。東京でもちょっと都心を離れれば緑豊かな公園や農地はあるものだ。練馬区は、個人でも自分の作った野菜を売れる無人のコイン販売所があちこちにあるそうだ。以前、TVでそんな特集をしていたのを見た事がある。ご近所の住宅地の間に畑を持っていらっしゃる農家の方が地域の為にと畑を提供してくださり、種まで分けてくださっているそうだ。農家の人も高齢になってきて一人で畑仕事をするのもつまらないし負担が多いとかで地域の人と一緒に畑をやりたかったそうだ。ちょっとだけ家庭菜園をやってみたいという人もいて畑に行くと誰かがそこで畑仕事をしているらしい。そこで何気なく言葉を交わし自然に人と人が繋がれる場所が出来る。今回は友人のお母様が育てたカキナというお野菜を頂いて初めて食べた。普段あまり野菜を食べない母がどれも新鮮で美味しいと全部残さずに食べた。採れたての新鮮な野菜の美味しさは食べた時にわかる。自然の恵みを頂く幸せ感。太陽の下で日を浴びて土を触っていると人は健康になると千葉出身の友人が言っていた。その友人からも田舎の母が作ったと赤大根を漬けたお漬物やゼンマイ、さやいんげんを頂いた。その日に採れた旬の野菜がその日に食卓に出て食べられる。昔は、当たり前の事だったのだろうけれど今は1番の贅沢な食事かもしれない。

スパイス研究家 茶子

ジャズライフ Emil Brandqvist Trio “Layers of Life”

北欧随一のエモーショナルなピアノトリオと言われているスウェーデンのEmil Brandqvist Trioの”Layers of Life”というアルバムを見つけました。高い音楽性のピアノジャズです。聴いた瞬間、美しい音だと思いました。ちょっと疲れている体にしみ込むような素晴らしい楽曲を聴かせてくれます。しばらくはこのトリオのアルバムを聴き続けようと思います。《R.O.》

1.Still Awake
2.Everflowing
3.Lullaby In Green
4.In Between
5.A Year
6.Solitude
7.Above The Stars
8.In This Moment
9.Layers Of Life
10.Follow The Bumblebee
11.Daydreaming In Blue
12.Passage Through Time
13.Blue Hour

編集後記「海抜の断面図」

今年もまた雨の季節がやって来ます。2年前からやっている浸水対策計画のプレゼン資料を作り直そうとしています。資料の一つとして自分たちの住む地域の海抜が断面図でわかる資料を入手したいと思いました。ダメもとでMicrosoftのAiChat Bingに本件について質問してみました。するとすぐに答えが返ってきて任意の場所の断面図を作図できることがわかりました。国土地理院の「地理院地図」で確認できるというものでした。URLを開くと日本地図が出てきてそれをどんどん拡大して自分の住む地域まで絞ります。画面右上のツールボタンを押すと右側に断面図のボタンで断面図を作成することができます。断面図が欲しい範囲を指定すると断面図が作成されます。これには感動しました。断面図(下図)を見ると私たちの住む地域の大部分が海抜ゼロメートルであることがわかります。こんなすごいツールが提供されているなんて驚きです。国土地理院のURLはhttps://maps.gsi.go.jp/です。私の場合はMicrosoftのAiツールBingのおかげでやりたいことが実現できる好循環が生まれています。《R.O.》

コメント

  1. Kawakami Kazuhiro より:

    AIにより私の好きなビートルズの音楽や映像がブラッシュアップされています。ここまでは良いのですが、現在の80代のポール・マッカートニーの声を20代に若返らせているのを聞くと正直複雑な気持ちがします。