雑貨屋ウィークリー1385号

雑貨屋のひとり言「中国アパレルブランド”SHEIN”の闇」

最近話題の”SHEIN”というファッションブランドをご存じでしょうか?普通のアパレルショップは店頭で商品を販売します。最近はネットでも注文できて自宅に配達してもらう通販も増えてきています。このSHEINというブランドの商品は店では販売せず、ショールームで商品を展示し、購入したい場合はスマホのアプリから注文するシステムになっています。中国で製造されている商品は中国から発送され、4日から7日くらいで日本に届くようです。しかも2000円以上購入すれば送料が無料です。11月13日に東京原宿にショールーム「SHEIN TOKYO」がオープンして話題になっています。大阪心斎橋でも10月22日から3カ月間ポップアップイベントが開催されているようです。激安なので若い人に大変な人気で、わずかな期間で急成長してユニクロの売り上げを抜いてしまったファッションブランドです。一見画期的なビジネス形態が注目されますが、気になることがたくさんあります。なにしろ中国発祥ですからね。SHEINの製品は中国国内では売られていないので中国人はこのブランドを知らないようです。ネットで商品をチェックしてみましたが品数の多さと激安プライスに驚かされます。

SHEINで大量に購入した商品を実際に着て見せて紹介しているYouTube動画がたくさん投稿されています。100万以上のアクセスがある動画も数多くあり、このSHEINに興味がある人がいかに多いかわかります。一方で、怪しさも満載です。こんな安い価格で本当に儲かるのかと思うほど安いことです。安い労働力と過酷な労働条件で作られているという闇(人権問題)を紹介している動画も発信されています。有名ブランドのパクリをやっている闇(パクリ問題)を紹介した動画もあります。それから一番怖いのは、SHEINのアプリを入力するときにクレジットカード情報を入力するのでその情報が中国に集まり、抜かれてしまう可能性があるということです。クレジットカード番号は闇で取引され偽造カードが作られるのでこの通販の闇になっています。近い将来そういう闇の部分がもっと出てくるような気がしています。何しろ中国ですから。《R.O.》

川柳(東京・成近)

( 川 柳 )

明日というドラマに気まぐれな女神

巻き添えを食らって明日が頓死する

起承転 転転明日が見えぬまま

カウント9あしたのジョーが立ち上がる

白内障手術まぶしい明日が見え

(ニュースひとりよがり)

「反撃能力」

お見事サムライブルー ―浜田防衛相

「重くて軽いもの」

任命責任 ―岸田首相

「今年の言語大賞」

〝更迭〟かな ―岸田首相

河合成近

龍翁余話(757)「もう、師走」

今号のタイトル(題名)をつけるに際し「いよいよ、師走」にしようか、「もう、師走」にしようか、ちょっと迷った。国語的ではなく、翁の心情からこの2つの言葉を比べると、「いよいよ」は不確定な物事が決定的になるさま、つまり、段階的に状態が進んで、ある時期を迎える、と言う一種の”期待感“が潜んでいるように思えるし、一方「もう」も、近い将来の事象に関する推測を表す言葉であることは「いよいよ」と似ているが、翁の気持ちとしては「そんなに早く来なくていい時期が、否応なくやって来る」と言う、あまり歓迎したくない時期(または事象)を感じる表現に思え、つまるところ『もう、師走』に決めた次第。読者各位の心情はいかが、だろうか?

超高齢者の翁にしては本当に『もう、師走』だ。この時期、これまでの『龍翁余話』でも何回か取り上げたが、今号も“時が経つのが早い”を表す言葉を拾ってみた。「烏兎怱怱」(うとそうそう)、「兎走烏飛」(とそううひ)と言う言葉もある。“兎烏”は年月のこと。つまり、月日が経つのが慌ただしく早いこと。「歳月人を待たず」(出典は、陶潜=365年~427年、中国・宋の時代の詩人の『歳月不待人』)時間は人の都合や事情とは関係なく刻々と過ぎて行く、と言う意味。「光陰矢の如し」時の流れは、弓から放たれた矢のように速いことのたとえ。また、矢の軌道のように“過ぎ去った時は、二度と戻らない”、と言う戒め。

「少年老い易く、学成り難し」これは、すでに老いている翁には関係ないが、若い人も直ぐに年を取ってしまい、老いては学ぶことも難しいので、若い今、しっかり学んでおこう、と言う意味。そしてもう1つ「老人、残り日少なく日々何するぞ」(これは翁の“心情句”)

人間、生きている限り社会(家族)に対して、もう少し役に立ちたい、とか、自身の精神的充足感を得るために“何かやりたい”(やらなければならない)気持ちはあるが、所詮、知力・体力の衰えと併せ、残り日が少ないことから何をしていいのやら焦ってばかりで日が過ぎて行き、気が付けば『もう、師走』――

12月は(ご承知のように)“師走”(僧がお経をあげるために東西を馳せる忙しい月)のほかに“暮冬”(ぼとう=冬の終わり)、“春待月”(はるまちづき=寒さに耐えて春を待つ月)、“極月”(ごくげつ=1年の最後の月)などの和名があり、時候の挨拶文でも(今の若い人はあまり使わないが)寒冷の候、霜寒の候、歳晩の候、季冬の候などの古文風書き出し文がある。これらはあまりに薄ら寒く“陰気”な気分になりそうなので翁は好きではないが、世の中は “コロナ禍”と不景気で今は下火になっているものの忘年会や各種コンサート、スポーツのイベント、年末商戦、クリスマス、正月の準備、大晦日の支度などで(12月は)“陰気”どころか、けっこう慌ただしく賑やかになりそうだ。

ところで年末になると、やはりこの1年を振り返ることになる。振り返るには(大別して)2つのポイント(“明暗”)がある。“明”は「嬉しかったこと、楽しかったこと」、“暗”は「苦しかったこと(辛かったこと)、悲しかったこと」――翁は“焦ってばかりの日々”ではあったが、今振り返れば「“明”多く“暗”少なし」の1年であったことを幸せに思う。まず“明”の一番は健康でいられたこと。以前にも小欄で告白したが翁はK大学病院で2009年、2010年(泌尿器科系、腎臓内科系)2016年(消化器内科系)の3回に亙る癌手術以来、今年の春まで3カ月定期検診を受けていたが、去る4月の検診で泌尿器科のドクターから「もう3カ月検診は必要ありません。1年検診にしましょう」と言われた。つまり“病理的危険性はほとんどない”と言うことだ。これは嬉しかった。ちなみに翁の腎臓は片腎なので、腎臓内科の3カ月検診(血液検査による腎臓状態検査・高血圧・高コレステロール検査と薬)は(死ぬまで)続く。しかし、これも10月の診察で担当医から「安定しています。食事への注意、適度の運動はこれまで通り続けましょう」との“嬉しい激励言葉”。更に翁、実は今年4月に(同大学病院で)ヘルニア系の手術をしたが、これも成功。以後、何の支障もなくゴルフプレーを楽しむことが出来ている。“明”の楽しかったこと、嬉しかったことは、まだある。”コロナ禍“で3年も会えなかったシニア会のメンバーと“伊豆への1日旅行“が出来たこと、同じく”コロナ禍“で会えなかったハワイのファミリーが3年ぶりに来日してくれたこと、また、近くにいてもなかなか会えなかった親友と会食し旧交を温めることが出来たこと、などなど・・・年齢を重ねると”親しい人と会い、談笑することがこんなに楽しいものなのか“を実感するようになる。勿論、絶えることのない親友や身内との電話、メール交信も嬉しい限りだ。

一方、“暗”の「苦しかったこと、悲しかったこと」――(前述のように)年齢を重ねると“親しい人との出会いと談笑”が“楽しみ、喜び”の極みであることと正反対に、“親しい人との別れ”、これほど辛く悲しいことはない。一昨年、昨年とたて続けに親友を失ったが、今年はそれが無かったことは幸いだった。勿論、人間だから生きている限り多少の辛苦は付き物だが、年末に際し、あえてここに取り上げるほどの“暗”が無かったことは「幸せな1年であった」と言うべきだろう。このように1年を振り返る“明”と“暗”には、言うまでもなく”感謝“が伴う。”明“をもたらしてくれた人々への感謝、”暗“(親友との別れ)は悲しいことではあるが、当然のことながら長年、翁と親交を続けてくれた故人への感謝も忘れてはならない。

もう1つ翁にとって、この1年の“喜び”と“感謝“は(翁の自分史)『龍翁余話』が毎週日曜日に配信出来たことだ。知力体力の不安を抱えながら(20年目の今年も)執筆出来たことの”喜び“の背景には小文を待っていてくれる読者がいる。『龍翁余話』開始のきっかけをつくってくれた『ZAKKAYA WEEKLY』(主宰:大西良衛氏)をはじめ多くの読者各位に感謝の意を表したい”師走“である。『もう、師走』を何とか乗り越え、新しい年への期待『いよいよ、2023年』を迎えたいものである・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

茶子のスパイス研究「柚子胡椒」

そろそろ鍋やおでんが食べたくなる季節、店頭の柚子も出始めの頃と比べるとだいぶ値段が安くなってきた。LAのオックスナードにあるファームランドでは柚子も今頃育っている頃なのかな~と思っていたら柚子胡椒が大きなジップロックに入れられて我が家に届いた。嬉しい! 昨年の柚子胡椒がだいぶ少なくなってきていたので今年は市販のものを買うしかないかなと思っていたのだ。

封を開けてジップロックを開けた途端、あの爽やかな柚子胡椒の香りがあたりに漂った。青い柚子は黄色い柚子より香りが強く、そこにカリフォルニア産の青唐辛子と塩を入れる。たったそれだけなのに美味しい。何も添加物が入っていない自然の調味料だ。一旦、この柚子胡椒を使い始めたら市販のものが物足りたくなる。ガツーンとした辛みと青柚子のパンチの利いた香り。その強烈な存在感にいつも圧倒されてしまう。混ぜ物が入っていないストレートな素の味はいろいろ応用が効く。

最近は、お刺身を食べる時にワサビより柚子胡椒とお醤油の方が美味しいので、もっぱら柚子胡椒を使っている。私が好きなのは焼き鳥の手羽先にパラパラとあら塩を振って柚子胡椒で食べるのも気に入っている。豚肉の薄いバラ肉に茄子やアスパラを包んで焼いたものに柚子胡椒を付けたりするのも好きだ。油っぽいステーキや焼き魚にも合うしさっぱりとした湯豆腐にも合う。

市販のイタリアンや和風ドレッシングに柚子胡椒をブレンドしてもいいし、ごま油やオリーブオイルを使ったドレッシングにも味が引き締まる。サンドイッチやホットドックに使うマスタードの代わりに柚子胡椒でアクセントをつけても、味が引き締まって美味しい。柚子味噌の場合は少し砂糖を多めに入れてみりんと白味噌と少し甘めのラッキョウ酢やカンタン酢で味を整えて田楽風にしてもいい。

最近、精油としての柚子の香りも気に入っている。今までシトラス系の香りはカリフォルニアのレモンやオレンジ、ライム、時々ベルガモットなどの精油をアロマディフューザーに入れて香りを楽しんでいたけれど最近は柚子の清楚で上品な香りに魅かれている。柚子は他のシトラスとはまた別の効能もあるのかもしれない。

地産地消も兼ねて国産の柚子にこだわって今年の冬は高知産の柚子の精油をアロマディフューザーに入れて使ってみようと思う。冬の乾燥対策にも良さそうだし、気分もリフレッシュ出来そうだ。

スパイス研究家 茶子

ジャズライフ Sonia Pinto “Why Try to Change Me Now”

最近は女性ヴォーカルジャズをたくさん聴いています。いい曲、アルバムがたくさん見つかります。その中でも自分の耳に馴染む歌声のアーティストを紹介したいと思います。今週、紹介するのはポルトガル出身の女性ヴォーカリスト、Sonia Pintoのアルバム”Why Try to Change Me Now”です。個性的でしっかりと歌う歌声がとても聴きやすいです。《R.O.》

Sonia Pinto “Why Try to Change Me Now”

Sonia Pinto(vo)
Pedro Neves (p)
Bruno Macedo (g)
Miguel Angelo (b)
Leandro Leonet (ds)

01-Almost like being in love
02-Cry me a river
03-Why try to change me now
04-The saga of Harrison Crabfeathers
05-Fly me to the moon
06-It’s only a papermoon
07-Sailing
08-Angel eyes
09-Too young to go steady
10-Peel me a grape
11-I say a little prayer

編集後記

先週の日曜日は孫を預かったので神戸のポートアイランドにあるバンドー青少年科学館にお弁当を持って行きました。孫たちが弁当をペロリと食べてしまうので驚きと彼らの成長を感じました。青少年科学館は孫二人は何度か連れてきてもらっているのですが私たちは初めてでした。目的はプラネタリウムのイベントでした。この日は北極で撮影したオーロラを見せてくれました。50年ぶりのプラネタリウムだったのですが、私は不覚にも初めの20分くらいは「プラ寝たリウム」になってしまいました。青少年科学館の向かいにはIKEAがあり、ソフトクリームを食べて、マスタードとディルのサーモンソースを買って帰りました。当日は神戸マラソンが開催されていてポートライナーの車窓からたくさんの市民ランナーが走っているのが観れました。孫たちは動き回るのでちょっと疲れましたが、楽しい一日でした。《R.O.》

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