雑貨屋ウィークリー1372号

雑貨屋のひとり言「継続は力」

私の住む地域は1990年代後半から始まった都市開発で建設されたマンションが建ち並んでいます。駅前なのでその後もたくさんのマンションが建てられました。大規模修繕を終えたマンション、現在修繕中のマンション、これから実施しようとしているマンションがあります。マンションの数だけ理事会や大規模修繕委員会があり、修繕工事に向けて準備をしている(してきた)と思います。どのようなやり方でやっているのか興味がありますがほとんどわからないのが実情です。5年前に私たちのマンションの大規模修繕工事に初めから(大規模修繕の心得を勉強するところから)かかわり、工事完了まで経験してきたので大規模修繕工事中のマンションがあると興味をもって見ています。大規模修繕工事を通じて、たくさんのことを学ぶことができました。何よりもよかったのは素晴らしい仲間に出会えたことでとても感謝しています。今でも毎月一度の勉強会を有志のみなさんと続けています。建物の問題点や課題を把握しこまめに対策しておくことで近い将来に備えるためです。何事においてもそうですが継続は本当に力になると思います。私たちは知識だけでなく交渉力も上がってきていると思います。大規模修繕工事終了後に長期修繕計画を作成し、修繕積立金が不足することを知って積立金の見直しを一年かけて行い、区分所有者のみなさんに丁寧に説明し理解をいただいたうえで、値上げを実現させることができました。建物は竣工から長い時間が経つと設備や外装が劣化してきますが、うまくメンテナンスをしていくと建物の価値を下げずに住み続けられます。自分たちの建物の価値をキープするために活動は仲間といっしょにこれからも続けていきたいと思います。住民の高齢化という問題もありますが、この活動ができている限り元気であり続けられると思います。《R.O.》

川柳(東京・成近)

(川 柳)

ゼロ一つきれいさっぱり預金残

ショック死の手に一枚のジャンボくじ

一夜明けもう時効だと酒の口

脱皮できぬまま一寸の虫でいる

外来種一気にオセロ裏返す

( ニュースひとりよがり)

「NTTが脱年功序列」

それが難しい ―立憲民主党

「「早急に回復を」

岸田さん〝信頼を〟ですね ―コロナ

「ダルビッシュ投手産休」

サンもいいな —大谷二刀流

河合成近

龍翁余話(744)「セプテンバー・ソング」

2022年も3分の2を過ぎ、もう9月――8月までは、それほど残り日を気にしなくて済むが、9月の声を聞くと、何となく気がせく。年齢を重ねるごとにその感が強まる。この時期、想い出すのは、学生時代、新宿・歌舞伎町の名画座で古い映画3本立て50円で観たアメリカ映画『旅愁』と挿入歌の(フランク・シナトラが歌う)『セプテンバー・ソング』だ。実は『セプテンバー・ソング』を取り上げるのは2年前(2020年)8月末配信の『龍翁余話』(641)に次いで2度目である。前回は『旅愁』の(2人の)主演俳優とストーリーの概要を紹介した。今号は『セプテンバー・ソング』の歌詞に含まれる“人生の哀歓”にスポットを当てたいのだが、その前に、やはり『旅愁』の主役2人の俳優に触れておきたい。

翁、『旅愁』で主演俳優のジョセフ・コットンと主演女優のジョーン・フォンテインの名を初めて知る。ジョセフ・コットン(1905年~1994年)については『第三の男』をはじめ日米合作映画『緯度0大作戦』や『トラ・トラ・トラ』で日本ともかなり縁の深い俳優だった。彼の主演映画は、ほかに『エアポート‘77バミューダからの脱出』などが記憶にあるが、中でも『第三の男』の挿入曲は、その後、翁のギター演奏のレパートリーの1つになった。『旅愁』もう1人の主演女優・ジョーン・フォンテイン(1917年~2013年)については『旅愁』のほかの映画やテレビドラマを観た記憶が無い。ただ(その後、映画雑誌で知ったのだが)彼女の父親(ウオルタ―=英国人)は“日本大好き人間”で、長年日本に住み、旧制第四高等学校(金沢大学)、東京高等師範学校(筑波大学)、早稲田大学で英語を教えていた。そして1917年にジョーン・フォンテインは東京・港区で生まれた。彼女が映画女優として活躍した時期(1936年~1994年)は、アメリカ映画界随一の親日家だったと言う。そのことを知って以来、翁は、にわかファンになった次第。

さて、本題の『セプテンバー・ソング』の歌詞に含まれる“人生の哀歓”についてである。

日本人の美意識の1つに“わび(侘び)・さび(寂び)”がある。この“わび・さび”には幾つかの解釈があるが、翁は「所詮、人間は閑寂(孤独)の中にも心の充足を見出そうとする逞しさがある。人の世の儚(はか)なく、無情であることを常と思い、美しいと感じる美意識こそが、日本文化の中心思想である」と解釈している。その思想が『セプテンバー・ソング』の詩の中に含まれている、と思うのだ。

♪(2番)Oh, it’s a long, long while from May to December

But the days grow short when you reach September

When the autumn weather turns the leaves to flame

One hasn’t got time for the waiting game

ああ、5月から12月まではたっぷり時間がある

でも9月にもなると日々は短くなっていく

秋が来て、木々の葉が燃えるように色づくころには

もう待ってなどはいられない

♪(3番)Oh, the days dwindle down to a precious few

September, November

And these few precious days I’ll spend with you

These precious days I’ll spend with you

ああ、日々は過ぎ去り残された日々はわずか

9月、そして11月

この残された日々を君と過ごそう

君と共にこのかけがえのない日々を

この(2番・3番の)詩に、翁流の解釈を付け加えると――12月まではたっぷり時間はあると思っていたが、9月の声を聞くと、日々はだんだん短くなり、色づいた木々の葉はやがて枯れ散る。人間の侘しさが一段と沁みる季節である。しかし、残された日はわずかだが、この残されたかけがえのない日々を君と共に(家族や友人と共に)過ごそう。生きている限り、精一杯生きよう」――このように解釈していくと(この詩は)、つい先日(8月7日に)配信した『龍翁余話』(741)「日残りて昏(く)るるに未だ遠し」に通じるものがある。「私には、まだ日が残されている(死ぬまでに、まだ時間はある)。私にはまだまだやりたいことがいっぱいある。これまで生きて来た証(あかし)を求め(創り)、もっと社会に役立ちたい」・・・

『セプテンバー・ソング』が翁に“わび・さび”を呼び覚ましてくれた――翁は、もっと社会に役立つことが出来る、とは思わないが「可能な限り健康に留意し、もっとやりたいことをやって余生を楽しみ、他人様に迷惑をかけない終焉を迎えたい」と思うのである。翁の生きて来た証は18年間続けて来た(自分史)『龍翁余話』に記録されている。今号で744号を数えるが、さて、あとどのくらい続けられるだろうか?いずれは区切りをつけなければならなくなるが・・・翁の楽しみの1つ、ゴルフも然りである、あとどのくらいプレー出来るだろうか?今でも、親切な仲間たち(いずれも翁より年下)に支えられて週1のペースでプレーしているが、さすがに猛暑日は途中プレーをリタイヤすることが多い。しかし彼らは快く翁の我儘(ペース)を尊重してくれる。感謝である。まさか、今号に翁の心情を吐露するつもりはなかったが『セプテンバー・ソング』の詩に導かれ、翁も1句、

【残り日を 如何に過ごすや 夜長月】・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

茶子のスパイス研究「茄子」

旬の食材としての茄子が美味しいのは7月8月そして晩夏から9月がより美味しいのだそうだ。それにしても今年の夏は毎週のように茄子をよく料理して食べた。

昨年の今頃、初めてトロ茄子というメロングリーンの色をした米茄子と同じ大きさの茄子を見つけた。フライパンで焼いたら、本当にとろりとしていて柔らかく美味しかった。今年は白い茄子を発見した。米茄子と同じような大きさで試しに買ってみたらこれも通常の茄子より柔らかくて美味しかった。まだまだ日本のお野菜でも食べた事がない野菜もある事に気が付いた。

その次に最近試したのは、赤茄子。通常の茄子の紺色から比べるとやや赤味を帯びている。宮崎県産の伝統野菜だそうで “とろける触感” と書いてあったので思わず買って試してみた。これも緑色の茄子と同じくらい柔らかくて美味しかった。私が知らなかっただけで日本は茄子の種類もいつの間にか増えていて調べてみたら50種類以上の茄子が生産されているのを知った。色で分けると青茄子(緑色のもの)、白茄子、赤茄子、従来の深い紺色、ゼブラ(縞々模様のイタリア系茄子)がある。

形で分けると従来の日本茄子、米茄子のような大きな茄子、長茄子(通常のものより2~3倍長い茄子)、小茄子(小さい丸い茄子)卵型のような茄子、通常の茄子よりずんぐりむっくりした形の水茄子(水分が90パーセント以上)とたくさんある。その茄子の素材によって揚げたり煮たり焼いたり漬物にしたりと茄子の特徴を生かした料理があって毎日食べても飽きないし料理のバラエティーが広がる。

そんな茄子のルーツを探ってみたらとインドから世界に広がっていったようで古代ペルシャ、アラビア半島、ヨーロッパ、地中海沿岸、東南アジアそして日本には奈良時代に伝わっていったそうだ。スパイスのシルクロードと同じように歴史の浪漫を感じる。1000年以上前から茄子は日本で食べられてきたお野菜なのだ。ロスアンジェルスで暮らし始めた頃は多種多様な国から移民してきた人達が住んでいる事に驚いた。其々の国から来た人達が多く住んでいる場所には、その国の人たちが良く食べる食材を打っているマーケットがあってインド系、イタリア系、中近東系のマーケットがあり、そこで茄子を見かけたのは意外だった。それは私の頭の中で茄子は日本特有の野菜で日本の茄子料理しか頭に浮かばなかったからだ。今はイタリアの料理でトマトやチーズと一緒に茄子を料理したりインドのカレーに茄子を焼いたものを入れたり、中近東のディップ(ひよこ豆で作るペースト状のもの)に入っている茄子の美味しさもわかるようになってきた。歴史を辿ると日本より昔から茄子を食べていた国もあり昔から茄子は伝統料理に使われてきたのだという事が後になってわかった。

そして、その茄子の栄養価を調べたら今回意外な事がわかった。カロリーが低くて栄養が無さそうと思っていたら機能性食品として認定されたのだそうだ。まず血圧改善効果、お腹の調子を整える食物繊維、血糖値の上昇を緩やかにしコレステロールを低下させ、心筋梗塞や糖尿病の予防、ナスの皮の紺色にはナスニンと呼ばれるポリフェノール(抗酸化力)があるのだそうだ。また、世界初の研究成果として茄子にはコリンエステル(血圧の改善だけでなく気分をよくする効果)がものすごく高く、なんと他の野菜と比べて1000倍だとか、、、たかが野菜されど野菜、まさに野菜の力は絶大だ。昔から1富士、2タカ、3茄とも言われている縁起のいい茄子。

保存方法としては新聞紙や紙に包んでポリ袋に入れて冷蔵庫に入れておくと比較的長持ちするそうなので9月も大いに茄子を食べようと思う。

最後に最近、茄子を使って簡単に作れる“山形だし汁”を作ってみたら手軽で美味しかった。マーケットで見かけて何が入っているか内容を確認したら旬の和のスパイスをたくさん使っていてちょうど全ての材料が家にあったのでネットで調べて作ってみた。茄子と胡瓜は其々1/2、茄子は薄い輪切りであく抜き5分ぐらいで水気を絞っておく。胡瓜も同じようにして塩で軽くもみ、水気を切って絞っておく。ミョウガは好みで1~2個、シソ5~6枚、オクラ(熱湯でさっと湯がく)2~3本、生姜1/3、これらの材料を全部みじん切りにして良く混ぜて白だしとみりんで味を調え冷蔵庫に1時間ぐらい置いて味を馴染ませておく。数日は持つので冷ややっこ、ごはん、ソーメンなどと一緒に食べると美味しい。納豆や山芋と一緒に混ぜてもいいし、旬の薬味をふんだんに使った1品が出来上がる。

山形県に伝わる伝統的な野菜の食べ方、、、、地方には昔から伝わってきた料理方法や美味しい食材がまだまだあるに違いない。

スパイス研究家  茶子

ジャズライフ Eric Marienthal “Got You Covered”

アルバム探しに困らなくなった今、どのアルバムを紹介しようかと迷うことのほうが多くなりました。これは嬉しい悩みです。迷ったら基本的に心地いい曲を優先して選ぶことにしています。今週もChuck Loebからの流れでソフトなジャズを紹介します。1957年カリフォルニア生まれのEric Marienthalの柔らかい音のサックスが心地よく耳に残るアルバム”Got You Covered”は聴き覚えのある曲もあるので気に入って聴いています。1曲目のI Willの出だしのメロディーはコブクロの曲のどこかの部分になんとなく似ているような気がしています。(気がしているだけです)

スピーカーが何組かあると同じ音楽ソースで聴き比べたくなるものです。スピーカーを繋ぎ替えるのに手間取るので音の比較が難しくなります。電子制御でスピーカーを切り替えることができるツールを使ってスピーカーを瞬時に切り替えることにしました。オーディオショップでスピーカーを切り替えて聴けるあのシステムと同じです。このシステムでスピーカーを比較をすると音圧レベル、音色の違いがよくわかるようになりました。プリアンプセレクターを使用することでサブウーファーも共有できるようになっています。それがどうしたのと言われそうですがこれが自己満足の趣味の世界なんですね。《R.O.》

Eric Marienthal “Got You Covered”

01. I Will
02. New York State Of Mind
03. Love And Liberte
04. Compared To What
05. I’ve Got The World On A String
06. Emotion
07. Two Part Invention No.4 In D Minor
08. My One And Only Love
09. You’ve Got A Friend
10. Stand By Me
11. Moody’s Mood For Love

編集後記「大型テレビ」

我が家の液晶テレビは買って15、6年経つと思います。壊れる気配がないのでまだ具体的な買い替えを考えていません。今のテレビよりはるかに大きい65型で画像もきれいなものでも私が買った時の値段よりも安いですから驚きです。大画面で高解像度であっても別にほしいとは思いません。原因の一つは番組の内容がつまらないものが多いからかもしれません。朝ドラ、サスペンスドラマ、そしてゴルフの実況を観たりする程度でしょうか?FireTVを繋いでYouTubeでヨガのレッスンに使っています。ニンテンドースイッチでスポーツゲームをやるなら大画面の方がいいかなとワイフと話しているくらいです。YouTubeで流している音楽をアンプとスピーカーをつけて鳴らすのもいいかと思います。《R.O.》

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