雑貨屋ウィークリー1363号

雑貨屋のひとり言「杜撰な個人情報管理」

先週、市民46万人の個人データが入ったUSBメモリーが無許可で請負業者の担当者によって市役所から持ち出されました。重要なデータの取り扱いを市側も厳格に履行しなかっただけでなく、その担当者がそのUSBメモリを持ちだし、それを持ったまま、飲食し泥酔して路上で寝ている間にUSBメモリーを紛失するという耳を疑う不祥事が発生しました。最近、役所の杜撰な個人情報等の扱いによって不祥事が続くなかでこれは衝撃でした。

この不祥事を聞いて誰もが日本の役所はITに弱いだけでなく、危機管理に疎く情報管理も、公金管理もルーズで信用できないと強く思ったと思います。幸い紛失したUSBメモリーは発見され、私たちの個人情報は漏れてなさそう?ですが、失った信用は簡単には元に戻らないので、画期的な対策を講じてほしいと思います。「再発防止に努めます」と教科書に書いてあるような言葉を繰り返し、場当たり的な対応に終わらないようにしないと、役所の質はどんどん落ちて行きます。こんなお粗末なことをしでかしても首にならない、降格にもならないゆる〜い体質ですからすぐに改善を期待できないでしょうが、他の地方自治体も決して他人事だとは思わないでいただきたいですね。《R.O.》

川柳(東京・成近)

( 川 柳 )

八十の先は数えぬ歳の数

あと一桁多ければなと預金残

長者駄目だった長寿に舵を切る

歳時記を守って父はアナログ派

穏やかに生きて人畜無害です

( ニュースひとりよがり)

「震度6弱」

地盤は大丈夫か —石川県参議院候補

「芥川賞候補全員女性」

令和っていい時代ね —紫式部

「ハム1枚15万円」

まだ煮ても焼いても食えませんが —培養肉

河合成近

龍翁余話(735)「参議院不要論」

参院選が始まっている(7月10日投開票)。今回の参院選で参議院議員総定数は(現在の245人から)3人増えて248人になる(選挙区148人、比例代表100人)。そのうち現在では政府与党の自民党(109人)と公明党(28人)が過半数の137人を占めている。ご承知のように参院議員の任期は6年で、3年ごとに半数が改選される。全体の定数は(前述のように)今回から3議席(埼玉1,比例代表2)増えて248人、したがって今回の改選数は124議席だが神奈川選挙区の欠員1を補充する“合併選挙”であるから計125議席を与野党で争う。立候補者数は選挙区367人、比例代表174人の計545人。政権与党(自公)が過半数を獲得出来るかどうかが注目される。

ところで、日本では「参議院の必要性はどこにある?」の“参議院不要論”が長年、くすぶっている。翁も“参議院不要論者”の1人だ。衆議院の決定を(参議院で)否定すると「決められない国会の元凶は参議院にある」と批判され、逆に衆議院の決定を是認すると「参議院は衆議院のカーボンコピーか」とまた批判される。まだある。衆議院は火・金が本会議の定例日。したがって議員は通常「金帰火来」(金曜日の夜、選挙区に帰り火曜日に上京する。いつ解散があるか分からないので“常在戦場”)。一方、参議院は月・水・金が原則本会議日。解散がないので(議員は)6年間は比較的安泰。地元帰りもそう頻繁ではないようだ。そんな程度の理由なら目くじら立てることも無いのだが翁が“参議院不要”を論じる大きな理由は2つある。(いささか感情論に走り過ぎるきらいはあるが)1つは「参議院議員の質の低下」、もう1つは「コスト削減」(役立たずの参議院議員に支払う税金の無駄遣いをなくす」――

「参議院」の目的は、もし「衆議院」で乱暴な(非国家的・非国民的)法案が可決されたら(それこそ国家的・国民的・国際的目線で)この”悪法案“を批判する「良識者が集まる府」(「良識の府」)の期待があった。ところが、いつ頃からだったろうか立候補者にスポーツ選手・アナウンサー・ニュースキャスター・作家・歌手・さまざまなジャンルの芸能人ら(それらを一括りにして)いわゆる”タレントたち“が参入、「良識の府」であるべき「参議院」が、「売れなくなったタレントたち、名誉欲に駆られたタレントたちの”生き場所“」化して来た。いや、翁は全てのタレント議員に対して「君たちには政治家(参議院議員)としての資質は無い」と誹謗中傷(差別)するつもりはない。中には本当に日本国家・日本国民のために生涯を捧げようとする熱血漢もいたし、それまでの社会経験(博識)やコミュニケーション能力(話法・人付き合い)がモノを言って理路整然、弁舌爽やかで国民の共感を得る立派な政治家に成長した元タレント議員もいた。翁の評価では現在でも数人はいるが、はっきり言って「あんな奴が国会議員か、あいつは国家国民のためにどんな政治活動をしているのか?」と吐き捨てたくなるような“ぶら下がり議員”(金と名誉にしがみついている議員)がいかに多いか――

両院の力関係は圧倒的に「衆議院」が強い。例えば「衆議院」には内閣が提出する予算案を先議する「予算先議権」がある。ほかに、いろいろな法律案が「衆議院」で可決され、それがもし「参議院」で否決されても「衆議院」で議会出席議員の3分の2の賛成があれば“国会議決”となる。また(もし)「衆議院」で内閣不信任案が可決されると内閣は総辞職か衆議院を解散させることが出来るが、「参議院」ではそれが出来ない。

翁の「参議院不要論」の、もう1つの理由は“莫大なコスト”(税金の無駄遣い)である。参議院議員だけでなく国会議員の手当等は(いずれも1年間で)歳費(期末手当手を含む)約2,200万円、文書通信交通滞在費1,200万円、立法事務費780万円、ほかにJR全線で新幹線・特急・グリーン車の無料パスや航空券(月に4回往復分)。また国費で賄う公設秘書(第1、第2の公設秘書と政策担当秘書の3人=給与額はそれぞれ異なるが)3人で約2,500万円、さらに、国会議員1人当たりの政党助成金が約4,500万円・・・国会議員1人につき、年間ざっと1億円の税金が使われている訳だ。

また、国会議事堂裏に衆参両院の議員会館があるが、参議院議員会館だけを見ても全議員245人分(今年から248人分)の事務室があり、かかる費用は全て国負担、ほかにも麹町と清水谷(参議院議員会館に近い場所)に参議院宿舎もあり、年間かなりの維持費を要する(経費明細は不明)(註:上記金額の数字は「2019年度参議院予算案の概要」を参照)。

ところで、与野党の論戦の場である国会は、どれくらいの費用で運営されているのか調べてみた。「国会に関する2020年度一般会計歳出予算」を見ると衆院が666億7254万円、参院は413億8903万円で合計1080億6157万円にのぼる。これを365日で割ると1日当たりの費用は2億9606万円になる。まだある――選挙費用だ。3年に1度の(参議院議員)半数改選のたびに平均550億円の税金が使われるそうだ。大雑把な計算だがトータルで見ると、参議院を維持するための最小限度費用は1,000億円を超える。直接経費は議員1人当たり1億円だがこれらの間接費を含めると1人当たり4億円以上はかかっている(と翁は推定する)。参議院が「良識の府」にふさわしい常識と品格のある議員集団なら、それだけの国税を使っても構わないと思うが、そこにたむろするグータラ議員の“生き場所”的存在なら、即刻、廃止して(参議院にかかる)莫大な税金を、国民生活(教育・福祉)に有効活用して貰いたい。更に翁は考える――アメリカ・イギリス・フランス・イタリア・カナダ・ドイツのような独立性の強い州が合わさった連邦国家なら、州と連邦の調和を保つ意味で「二院制」はいいが、日本のような単一民族に果たして「二院制」(二重構造)が必要かどうか、近い将来、衆参両院議員定数是正も含めて「参議院の見直し論」を展開する必要があろう、と思うが、いかが?・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

茶子のスパイス研究「花咲爺さんに会った」

あじさいの花が咲く頃になると思い出す。祖母が旅だった日、病院の回りも町にもあじさいの花が雨に濡れて満開に咲いていた。紫や青色をこよなく愛した祖母にとってまるで、あじさいに見送られて祖父の元に旅立ったような日だった。あれから日本のあじさいをシーズン中に見るのは十数年ぶりになる。

先日、新宿バスタにある観光局に行った時に一枚のハガキサイズの案内に目が留まった。その案内には紫色のあじさいが咲く山の中で南沢あじさい山を作られた花咲爺さんと1人の若者が写っていた。裏には、南沢あじさい山の散歩地図と花咲爺さんが50年間前に20本ほどの苗を植えたのが最初で今ではあじさいが1万株になったと書かれてあった。切欠はご先祖様のお墓参りに行く道中、花を見ながら楽しんでもらえたらと、あじさいを植え始めたのだとか、、、場所はJR武蔵5日市。東京でも、まだ行った事がない、あきる野市という秋川渓谷の方だった。

サンペドロ(LA)のハイキング仲間もいつか日本に来たらどこか案内して欲しいと言われていたので少しずつ観光案内出来そうなハイキングロードを探していたところだった。日本の四季は美しく、どんな季節でも楽しめる場所は、たくさんある。混雑に慣れていない私は週末を避けて平日の朝、南沢あじさい山を訪れる事にした。京王線の笹塚から分倍河原で南武線に乗り継ぎ立川まで行ってそこから5日市線で終点駅の武蔵5日市駅までは思ったほど時間は、かからなかった。ちょっとした小トリップだ。駅から南沢あじさい山までは歩いて約40分。このあじさいの時期、30分毎に、南沢あじさい山までシャトルバスも出ているらしい。

駅に到着して観光案内所で地図をもらっていると後ろから“すみません!私達、歩いて南沢あじさい山に行きたいんですが、どこから歩いたらいいのですか?”と元気のいい大きな声。振り返ると5人ぐらいのグループでリーダーらしき人は私より小柄で母より少しだけ若そうな、それでも背筋がピシャッと伸びた人だった。昔、ずいぶん山登りをなさったのだろうなというのは服装、装備を見てわかった。初めての場所なので行きだけはシャトルバスに乗ろうと思っていたところ、その人から刺激され“たった40分ぐらいなら私も歩こう!”と決めてそのグループの方と途中まで一緒に歩かせていただいた。

山に向かう途中、途中のポイントには赤いとんがり帽子をかぶったZiZiという山の妖精をイメージした木彫りの目印があってわかりやすい。途中からは、もう少し早く歩く2人連れの方たちと同じぐらいのペースであじさい山に向かった。様々な鳥の鳴き声を聞き久しぶりに山らしい山に登って懐かしい山の空気と匂いに心がウキウキした。途中、民家の家の前に園芸が好きな方なのか、ご自由にお持ちくださいと書いてある紙が張り付けてあり、その方の家の前にはリンドウや朝顔、モミジの鉢など様々な植物の鉢がたくさん置いてあった。景色を楽しみながら歩いているうちに、あじさい山の入り口にたどり着いた。

そこで500円の入山料(あじさいの山を維持し守るために)を払い、そこであじさい茶を頂いた。このお茶はあじさい山の山頂あたりで栽培している飲める種類のあじさい花らしい。砂糖も入っていないのに、ほんのり甘さを感じるお茶だった。その隣のブースには、お団子やおにぎりなどの手作りらしき軽食、その隣には地元の方が作られた手作りの小物が販売されていた。

まだ、あじさい山の見頃には少し早くオープンしたばかりだったらしいけれど私にとっては静かに、ゆっくりあじさいを見ながら散策する事が出来いい時間だった。午前中のうちにあじさいを見てその付近に何があるか散策してみようと思っていたのであじさい山入口付近に戻ってきた。そして、その近くのベンチに腰かけている人を見かけた。それは、この南沢あじさい山を作られた元祖、花咲爺さんだった!

私が “花咲爺さんですね?” と言うとニッコリ笑顔でうなずいてくださった。それを聞いて近くにいた2人の女性が振り返って花咲爺さんに一緒に写真を撮ってくださいと、たちまちその場が盛り上がった。私が米国の日系人の方の話をすると自分の家にB29が落ちた時の写真があるからと家に誘ってくださった。2人の女性のうちの1人が5日市は5日市憲法という立派な憲法を戦前から作られていて、そういう気風を持った土地柄なのだと言う事を話してくれた。初めて聞いた。そして5日市憲法なるものにも興味を持った。

花咲爺さんは戦争体験された90歳を過ぎた方。その方から “憲法改正はしなければいけない”とおっしゃった言葉には驚きだった。失礼ながら、その年代の方は今のTVやメディアを信じている人ばかりだと思っていたからだ。ケントギルバードさんの本も読まれていて若い柔軟な考え方を持たれている事に感心した。

私が “これだけのあじさいを手入れ管理するのは大変なご苦労でしたよね。もう、辞めようと思われた事はありませんでしたか?“ と聞くときっぱりと即答で ”ありませんでした“ とおっしゃった。そして自分は修身の教育を受けたと話された。その時代を生き抜いて修身の教育を受けられた方は立派な方が多い。それは日系1世の人達の姿と重なる。花咲爺さんは、穏やかで優しそうな眼差しをしていらっしゃった。でも、その奥は眼光鋭く、いろいろな苦労を乗り越え時代を見続けていらっしゃった深みを感じた。

今だから聞ける、その時代の生き証人に当時の事をもっと聞きたいと思った。それにその話を聞いた私達が後世にも伝えて行かなければいけないと思った。過去から学ばないと未来は失敗する。過去と現在と未来は続いているのだ。それにしても、ここにも日本の宝が、ひっそり輝いていらっしゃった。何だかとても嬉しい気持ちになった。また、来よう、、、そう思い、あじさい山を離れた。

スパイス研究家 茶子

ジャズライフ Alan Pasqua “Solo”

先日、一駅離れたところにあるショッピングセンターに行きました。そこのKALDIで買い物をしていた時のことです。レジの女性が突然、倒れました。近くにいた別の店員が介抱して意識を戻したので良かったのですが、よほど体調が悪かったのだと思います。周りに知っている人がいるときは良いですが誰もいないところで倒れたら大変だと思います。気を付けたいものです。

爽やかなピアノアルバムが聴きたくて雑貨屋のジャズアルバムのリストからアーティストを探してみました。2011年9月に紹介したAlan Pasquaのアルバムで”Solo”というタイトルのピアノアルバムがありました。ピアノのやさしい響きが心を落ち着かせてくれます。《R.O.》

Alan Pasqua “Solo”

Alan Pasqua piano

1 to love again
2 malta3 greta
4 improvisation #2
5 improvisation #1
6 grace
7 as perty as the moon
8 improvisation #3
9 improvisation #4

編集後記「3Dプリンターで造る家」

普通の日本人にとって人生で一番大きな買い物は住宅だと思いますが、たいていの人は住宅ローンを利用することになります。今は金利の低い時代が続いているのでローンは組みやすいと思いますが、25年や30年にわたってローンを返済することになります。この長期住宅ローンにはリスクがあります。それは最後まで払い続けることができるかという問題です。仮に30代半ばで30年ローンを組むと60代半ばまで支払い続けることになります。ましてや35年ローンはもっとリスキーです。十分な稼ぎがある人は良いですが、普通の人は定年に近づくと老後の資金を貯めなければならないので苦しい生活になります。大きな環境の変化を受けて勤務している会社が倒産したり、自分自身が病気になって勤務できなくなるとたちまち破綻してしまいます。このように住宅はリスクの高い一生の買い物になっています。

この住宅ローンから人々を開放しようと300万円で買える家を開発した会社があり、この夏から販売を始めようとしています。この住宅のユニークなところは3Dプリンターを使って人件費をかけずに24時間で家を建てるというものです。コンクリート製なので耐震性、耐熱性に優れています。この金額なら何とかなりますし、住宅ローンに振り回されることもなくなると思います。《R.O.》

2階建ての家も開発されています

コメント

  1. Kazu より:

    またつまらないことで尼崎市が全国ニュースになってしまいました。今回信じられない手順で全市民の情報漏出に至ったことは、前代未聞の醜態です。その原因は市長以下幹部職員の情報管理に対しての無知であり、危機管理意識の欠如が全てです。市長は第三者委員会を設置するとは言っていますが、まずは市長自身の責任で経緯と問題点等の詳細を明らかにすべきで、それを評価するのが第三者委員会です。そもそも順序が逆です。
    今回設置された相談専用ダイヤルも直接確認しましたが、外部人材による対応です。こんなことで本気で対応する気があるのですかとお聞きしたいところです。本当に残念です。

    • zakkaya-tenshu より:

      河上さん
      本当に残念なことです。
      今の地方行政は病んでいますね。次から次と不祥事が発生しますが、すべて発生すべくして起こっていると思います。
      頭の古く、新しいことを取り入れられない奴らが幹部社員としているからかもしれません。
      市議会の連中は耳障りの良いことは言うけど、自分自身の地位と給料を守っているだけですから。
      お金儲けでやっているだけなので良くなるはずがありません。
      私が住んでいたカリフォルニア州トーランス市は市長以下市議は全員無給でした。
      ガソリン代だけです。
      市議会は昼間ではなく市民も参加できる夕方6時からです。
      市議会の模様はテレビで中継されていました。
      私も一度だけ訳あって出席したことがあり、スピーチをしたことがあります。(余談です)

      大西