雑貨屋ウィークリー1388号

雑貨屋のひとり言「常識をぶっ壊してイノベーションを起こせ」

先々週、大阪梅田のグランドフロントに行ったらGAPが閉店セールをしていました。近所のショッピングモールにあったZARAとRightOnは相次いで閉店してしまい、たまに店内を見に行くのが楽しみだったのですが残念です。アパレル業界は売り上げが2014年ころから横ばいで2020年からコロナによる外出頻度の減少で大きな打撃を受けています。加えて原油価格に伴って物流や原材料のコスト高と、円安に伴う部材調達や海外製造の高騰が追い打ちをかけています。そしてアパレル業界は3つの課題を抱えています。一つは人口減少と少子高齢化で労働人口の減少による消費力の減退でアパレル需要の先細りが懸念されていること、二つ目はファッションへの支出額が減少傾向でどうしても低価格志向になっていること、三つ目は衣料品のトレンドは移り変わりが早いために売れ残りが発生しやすくなっていることです。

アパレル業界はこのような過酷な状況にあるのでこれまで通りのことをやっていては生き残りが難しくなると思います。そんな中で、先日紹介した中国発のブランド”Shein”はアパレル業界の持つ課題を解決できるイノベーションを起こし、すごい勢いで成長しています。著作権の問題はいい加減にできないですが、それ以外のことは従来の常識をひっくり返すアイデアで日本でもやっていけそうな気がします。

残念ながら長い間、負け癖が染みついている今の日本では超常識のイノベーションを起こすためのリーダーシップをとれる人が少ないのでしょうか。大企業の下請けだけではいつまでたっても中小企業は変われませんし救われません。今の日本に求められているのは大企業に負けないハングリー精神と悪しき前例とつまらない常識をぶっ壊す発想力と行動力だと思います。考えようによってはまだチャンスがあるように思います。《R.O.》

川柳(東京・成近)

( 川 柳 )

足腰はまだ動きます八十路坂

じいちゃんの薬は酒と正露丸

宅配にしたいサンタも歳をとり

喜寿米寿 紆余曲折をすり抜けて

百歳を褒めてくれてる心電図

(ニュースひとりよがり)

「今年の漢字は「戦」」

私は「悲」 ―憲法九条

「ノーベル平和賞」

必要のない地球になってほしい ―受賞者

「尾見会長が感染」

やった! ―コロナ

河合成近

龍翁余話(760)「納めの地蔵」

翁は若い時分から“お地蔵さん”が好きだった。仕事(撮影)やドライブで地方に行き、“お地蔵さん”(仏教の信仰対象である菩薩)や“道祖神”(地域の守り神―子孫繁栄や交通安全の神)に出会うと、車内から必ずお辞儀をして敬意を払ったものだ。勿論、車を手放した今でも(歩いている時)“お地蔵さん”や“道祖神”の前ではちょっと足を止め、軽く合掌して通るようにしている。なお、“道祖神”も“地蔵”も同一神格との説があるので、翁もそう思い込んでいる。

翁が住むマンションは中原街道(東京・虎ノ門から神奈川・平塚に至る東海道の脇街道)沿いに在る。街道の少し奥まった所、西五反田から荏原1丁目、2丁目にかけて、わずかに“旧中原街道”が残されている。ここは翁の散歩コースの1つ。そして、この短い旧街道を翁、“地蔵通り”と呼んでいる。このことは以前『龍翁余話』でも紹介したが、特に荏原1丁目の「供養塔群(地蔵)」(品川区指定有形民俗文化財)と荏原2丁目の「戸越地蔵尊」が有名だ。月に2,3回は散歩のついでに参拝している。

“お地蔵さん”は全国津々浦々、勿論、東京都内にも沢山おわす。かの有名な巣鴨・高岩寺の「とげぬき地蔵」、増上寺、佃、南砂の「子育地蔵」、江東区の「波除地蔵尊」、永福寺の「子授け地蔵」、芝公園の「十体地蔵尊」、上野の「江戸六地蔵」、世田谷弦巻の「いぼとり地蔵」など枚挙にいとまがない。それほどに“お地蔵さん”は庶民の命と暮らしをしっかり守って下さっている訳だ。

“お地蔵さん”――多くの人が親しみを込めてそう呼んでいるが、正式には「地蔵菩薩」と言う。大地が全ての命を育む力を持っているように、苦悩の人々を、その無限の慈悲の心で包み込み、衆生(しゅじょう=生きとし生けるもの)の命を救うようお釈迦様から命ぜられた菩薩である。したがって「地蔵菩薩」は、状況によっていろいろな姿を見せる。例えば(前述のように)安産や子どもを守護する「子安地蔵」、村人を守る「道祖神」、災難の身代わりになってくれる「身代わり地蔵」――

「身代わり地蔵」と言えば翁、子どもの頃から地元(大分県日田市天ケ瀬)の「高塚愛宕地蔵尊」に守られて来た。地元では“高塚さん”の愛称で親しまれており、ご本尊は勿論「地蔵菩薩」で境内には約2000体の地蔵が安置されている。安産・病気平癒・学業成就・商売繁盛の御利益(ごりやく)のほか、昔から「身代わり不動」としても有名で、戦時中、出征兵士たちはこぞって“高塚さん”にお参りしたそうだ。そして翁も、子どもの頃から現在に至ってなお“高塚さんのお守り”(ペンダント)を身につけている。翁、現役時代、海外取材で幾度か危険な目に遭ったが、どうにか命拾いをしたのは“高塚さんのお守り”のお陰だと思っている。けっして熱心な信者と言う訳ではないが“お守り”(ペンダント)は(病院でのMRI,CT.X線検査など以外は)肌身離さず、だ。

仏教では「人間の死後には“六道”がある」そうだ。“六道”とは天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道のことで「人間、どんな生き方をしたかによって死後の行き先が決まる」、つまり「善行を施した者は極楽へ、悪行を施した者は地獄へ」。しかし畜生道・餓鬼道・地獄道(三悪道)へ行かざるを得ない人間でも救ってくれるのが「地蔵菩薩」だ。この程度の解釈では仏教的にはお粗末だろうが凡人の翁はそう解釈している。そう言えば村のはずれや、墓地の入り口などで“六体のお地蔵さん”を見かけることがある。「地蔵菩薩」は(仏に手を合わせることが出来る人間の)身代わりとなって地獄の苦しみから救うだけでなく、死者が生まれ変わる六つの世界(“六道”)全てを巡って救済を行なう、と考えられているそうだ。したがって“六地蔵”とは「地蔵菩薩」が六つの世界へ赴くために姿を変えたものだろうと(翁は)解釈している。日本では平安時代以降、地獄を恐れる風潮が強まり「地蔵菩薩」への信仰が庶民の間に広がったと伝えられている。

ところで“お地蔵さん”と言えば、(思い起こせば)昭和30年代(1955年~)以降『地蔵』と名のつく題名の歌謡曲がかなりあったように思う。例えば三橋美智也の『おさげと花と地蔵さんと』、曽根史郎の『夕焼け地蔵さん』は未だに翁の耳に残っているが、調べてみたら(ほかにも)鈴木三重子の『つんつん地蔵さん』、島倉千代子の『さよなら地蔵さん』、二葉百合子の『嘘つき地蔵さん』、白根一男の『おとぼけ地蔵』など20曲ほどあることが分かった。昭和30年代だけでも13曲ある、と言う(が、正直、翁は三橋美智也と曽根史郎の歌以外は全く記憶にない)。

さて、12月24日は『納めの地蔵』の日。今年最後の“地蔵尊縁日”にあたる。この日は、“お地蔵さん”への1年の感謝と来年への無病息災・諸願(家族安泰・恋愛・結婚・就職・出世・商売繁盛などの)成就をお祈りする特別な日であるそうだ。どんな納め方(行事)をするのか、知り合いのお寺さんに訊いてみた――「地蔵菩薩は生命を育む“大地”を象徴する仏様なので、大地に根を張り大きく育つ大根を炊いてお供えしたり、参拝者には、けんちん汁(地元の野菜などを使用し、肉や魚は使わない精進料理)や、甘酒を振る舞うお寺もあり、また特別な“お札”も用意する寺院もある」とのこと。

実は翁、22日に故郷へ(15年ぶりに)帰省する。したがって24日の『納めの地蔵』の日、

(前述の)「高塚愛宕地蔵尊」へ15年ぶりのお礼詣でをし、令和5年(2023年)の我が身・家族・社員・友人・読者の健康と安寧を祈願する予定。それと甘党の翁、15年ぶりの高塚さんの“ゆで饅頭”も楽しみだ。ともあれ『納めの地蔵』だけでなく“年の納め”に際し、お世話になった人々への感謝の気持ちを今一度・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

茶子のスパイス研究「IKEA(イケア)」

先日、渋谷に行った時、待ち時間の合間、IKEA(北欧スウェーデンの家具、雑貨の店)が日本にも出店しているのを知って行ってみた。

IKEAはLAでも、いくつか店舗があって季節毎に手軽でおしゃれな家具が並び人気のある店だった。私も時々行っては、いろいろなスタイルの家具や雑貨を眺めるのが好きだった。

さて、米国のIKEAと日本のIKEAは何が違うのだろうと入ったら正面のカウンターの所でコーヒーとシナモンデニッシュが11時までは何と100円!コーヒーが100円でも超安いのにその上シナモンロールまで付いてくるなんて珍しい。早速、試してみる事にした。

LAのIKEAの店で食べた時のシナモンロールはベタベタに甘く白い砂糖がたっぷりかかっていて美味しくなかった。それに比べると日本のシナモンロールは、ほどよい甘さで美味しかった。

珈琲も深入りや濃いものは苦手で、いつもは残してしまうのだけれどIKEAの珈琲はブラックでも軽く飲みやすかった。おそらく日本人が食べるサイズと日本人の味覚に合わせて作っているのかと思う。キャンディーも、どうぞと言われたので一つ頂いた。

そして珍しい梨のソフトアイスもあって、これも何と50円!店の開店から閉店までオーダー出来る。梨のソフトアイスの写真にはプラントベースと書いてあった。卵やミルクアレルギーのある人やベジタリアンの人には喜ばれそうなデザートだ。

ついでに、こちらの梨アイスも注文してみた。味はシャーベットをもう少しクリーミーにした感じだけれど甘さは控えめで爽やかな梨の味がした。食後に、ケーキやアイスクリームを食べるよりさっぱりしたデザートでダイエットを気にする人にも罪悪感無く食べられそうな味とサイズだ。

1階のカウンターでスナックを食べてから各フロアを見て回った。家具などは日本の住居に合わせて小ぶりのサイズのものが多かったように思う。

一番上のフロアにたどり着くとそこは、スウェーデンスタイルのレストランビストロがあった。天井が高いのと広い空間があるので解放感がある。都会の狭いコーヒーショップに入るよりずっと落ち着く。

メニューを見るとお馴染みのスウェーデンミートボールやサーモン料理は同じだったけれど植物由来の原料で作られた肉風味のから揚げやミート風ボール、大豆ミートのキーマカレー、ベジドックなどプラントフードの種類が多かった事に驚いた。

LAのIKEAではプラントフードなどは無かった。今はどうなのかわからないけれど、、、、

ところで最近、食料危機の問題をあちこちで聞くようになった。特にこの数年前から気候変動とか環境問題の為に肉を食べる事を止めようと言う動きが世界的に始まっているような気がする。

先日、NHK BS1スペシャル番組で “食の革命10年後私達は何を食べている?”という番組に私の目は釘付けになってしまった。

一体、今世界の食料事情は、どうなっているのだろう、世界では日本では何が起きているのだろうと、、、

来週は、もう少しこのあたりの事をテーマに私の頭の中の?マークと会話してみよう。

スパイス研究家 茶子

ジャズ ライフ Karen Souza ”Velvet Vault”

以前から試したいと思っていたプリアンプでバランス出力にした音楽をスピーカーで聴ける環境がついに整いました。このためにバランス入力対応(RCAのようにグラウンドが共有されておらずLRの+-が分離されている)のアンプを購入したのですがそのアンプにつなぐための(DACメーカーの純正)ケーブルが高価(別のDACが買えるくらい)なので導入を躊躇していました。廉価な代替品が見つからなければ自作しようと思っていたのですが、YouTubeで代替品を使用している人の高評価動画を観て購入を決意しました。純正品の4分の1の価格で購入できました。これで今年やりたかったことはすべてできました。音もスッキリ気分もスッキリしました。私の性格ではこれで終わりになるとは思えません。新たに音の追及を続けるオーディオ沼にハマる予感がしています。

オーディオシステムの音のチェックにジャズヴォーカルの作品を使う人が多いようです。人の声がどのように聴こえるか判断しやすいからだそうです。録音のごまかしがきかないからではないかと思ったりもします。私も女性ヴォーカルのジャズを良く聴いています。最近聴いているのが偶然にもW杯サッカーで決勝まで勝ち進んだアルゼンチン出身のKaren Souzaのアルバムです。今週は”Velvet Vault”を紹介します。彼女のささやきのような歌声がとても魅力的なアルバムです。6曲目のYou Got That Somethingは男性ヴォーカルとの共演で、聴き覚えのあるしぶい歌声は日本人フリューゲルホーン奏者のTOKUでした。Klipsch社のスピーカーR-15M、AKG社のヘッドフォーンAKG K-Studio 240、バランス接続のイヤフォーンの高音質な再生環境で楽しんでいます。《R.O.》

Karen Souza ”Velvet Vault”

01-Fall in Love Too Easily
02-Don’t Let the Sun Go Down on Me
03-I’m Beginning to See the Light
04-Valerie
05-I’m Not in Love
06-You Got That Something
07-In Between Days
08-In the Blink of An Eye
09-Walk on the Wild Side
10-Angel Eyes11-Kids
12-Ain’t No Sunshine
13-My One And Only Love

編集後記「液晶テレビの進化」

14年前に購入した43インチ液晶テレビの画面が2年くらい前からちょっと暗くなってきているように感じていました。最近明らかに液晶画面が暗くなってきていてそろそろ寿命だと考え、買い替えることにしました。YouTubeで最新の液晶テレビの研究をしてメーカーと画面サイズを決めてから家電店を何店か回りました。検討の結果、前回と同じ日本製の55インチの液晶テレビにしました。額縁みたいだった太いベゼルがほぼなくなり画面がとても大きくなってものすごい迫力があります。薄型、高画質、高音質に感動させられますが、値段は14年前より安く買えました。初めての4K放送やAmazon MusicやYouTubeでジャズを良い音で楽しむこともできます。これからは夫婦でテレビゲームもやってみようと思います。《R.O.》

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