雑貨屋ウィークリー1350号

雑貨屋のひとり言「ランドセル」

日本は少子化が進んでいますが、この時期になると少子化なんか関係ないと思わせるところがあります。ランドセルを販売しているお店は繁盛しています。先週5歳の孫のランドセルを見に大阪に行きました。見るだけでも予約が必要なのですがお客はひっきりなしにやって来ていました。ちょっと前まではお盆明けぐらいから買っていたらしいのですが、最近はこの時期からに早まっています。今、注文しても出来上がって届くのが8月くらいだそうです。結構な値段に驚きますが両親や祖父母にとっては可愛い子供、孫のためですから喜んで買いますよね。小学2年生の孫のKちゃんのランドセルを持ったら結構重たかったので、こんなに荷物を持たせる必要があるのかと思ってしまいます。孫がランドセルを背負って小学校に行くころにはコロナが収束してマスクのない世界になっていてほしいと願っています。《R.O.》

川柳(東京・成近)

(川 柳)

真実一路無器用を笑われる

密談に実篤の絵が苦笑する

酒瓶と笑顔を提げて友が来る

久々の笑顔しがらみ脱ぎ捨てる

ニラメッコとうとう女神笑わせた

( ニュースひとりよがり)

「ICBM発射」

プーチン氏に褒められた ー金正恩

「日経平均9連騰」

その間何もしてないのに —MSBC日興証券

「開幕投手にドラ8新人」

ビックリボスです ー田口投手

河合成近

龍翁余話(723)「君に問う、何故、死に急ぐ?」

“ロシア軍の大義なき侵攻”で、ウクライナの軍事施設やインフラ設備は勿論のこと、今や集合住宅・病院・スーパー・学校・幼稚園・文化施設・民家などが無差別攻撃を受け、ウクライナ国民(兵士・民間人)の犠牲者が増え続けている。はっきりした数字は分からないが犠牲者の中には乳幼児や子ども、老人などが多く含まれているそうだ。「死にたくない」「死ぬ必要もない」のに何故ウクライナ国民はこんな目に遭わなければならないのか、憎んでも憎み切れない“狂人プーチン”の腐ったどたま(ど頭)に5寸クギを打ち込みたい思いがますます強まる。

武力紛争(戦争)や自然災害などで尊い生命が失われるのは辛く悲しいが、何らかの悩みを持って自らの命を絶つのも憐れ(哀れ)――厚労省の発表によると、3月は例年、自殺者が多い傾向にあるとのこと。その原因・動機としては「健康問題」がダントツだが、3月は多くの企業が決算期に当たり、会社の経営問題、それに関連して「経済問題」「生活問題」「家庭問題」のほか「就職問題」「進学・進級」「引っ越し」「家族や友人(恋人を含む)との別れ」など、生活環境が大きく変化し、ストレスを受けやすい時期であることも要因だと言われている。特に2020年、2021年は新型コロナウイルスの影響で女性や若者の自殺が増加した。警察庁のデータによると2020年の総自殺者数は2万1,077人。男性は前年より26人減って1万4,052人だったが女性は前年より936人も増えて7,025人。若年層に至っては小学生が15人、中学生が145人、高校生は338人の合計498人で過去最多を記録した。公益法人日本財団の分析によると「コロナ禍の時代にあって『生きる意欲要因』より『生きる阻害要因』が多いのと、『教育の在り方やマスメディアの報道の在り方』にも見直すべき問題がある」としている。『教育の在り方』や『マスメディアの報道の在り方』については翁も吼えたいテーマではあるが、それは別の機会にして今号は(日本財団の分析を参考に)『生きる意欲要因』と『生きる阻害要因』にスポットを当てることにする。

『生きる意欲要因』としては「健康」「将来の夢」「家族や友人との信頼関係」「やり甲斐のある仕事や趣味」「経済的安定」「ライフスキル(日常生活で生じる諸問題に対して建設的かつ効果的に対処するための必要な能力)」「信仰」「国や地域社会に対する愛着」「楽しかった思い出(または思い出づくりへの意欲)」など。『生きる阻害要因』としては「病気や介護の疲れ」「将来への不安や絶望」「失業や不安定雇用」「過重労働」「借金や貧困」「家族・学校・職場・地域社会からのイジメ」などは確かに「生きる力(意欲)が失われる」客観的要因であることは分かるが、もう1つ分かりにくいのが「孤独感」である。「孤独感」に襲われる要因は年齢や環境によってさまざまだが、共通しているのは“周辺(人々)から無視されること、あるいは、そのような思い(うつ状態)に追い込まれることではあるまいか。人間は老若男女を問わず、少なからず”自尊心“(プライド)をバックボーン(思想・信条などの背景にあり、それを成り立たせる精神的支柱)を持って生きている。プライドを傷つけられる要因は反対論者との意見の衝突、階級差や年齢差、学歴差による(相手からの)見下げられ、不当な能力差(評価)、人種差別などによることも多いが、それよりも一番堪(こた)える(我慢に耐えられない)のは、家族や同僚、友人たちから“無視される”(うつ状態に追い込まれる)ことだと言う。WHO(世界保健機関)のデータでも「自殺者の実に97%が何らかの精神障害状態である」とされている。

しかし翁が思うに、人が自殺に至るまでにはいくつかのプロセスがあり(うつ病などの)精神障害は(ある日)突然にやって来るものではない、何らかの(ショッキングな)出来事がきっかけとなって、じわりじわり”心の病“が広がり深まって来るのではあるまいか。

これを医学的には“トンネル・ビジョン”(暗いトンネルの中で前方の明るい出口だけを見るような狭い思考)と言うそうだ。が、その時点では、まだ“死に神”は襲っていない。

その間に本人が(あるいは周囲の人の適切なアドバイスで)他の選択肢(生きる意欲要因)を探し出すことが出来れば救われるのだが、いつまで経っても“トンネル・ビジョン”から抜け切れないでいると、次第に閉塞感が固まり「私はもう死ぬしかない」と言うことになってしまう。ある医学書によると「自律神経には、体を活性化させる時に優位になる交感神経と、体を休める時に優位になる副交感神経があり、日の出と日の沈みがスイッチとなってバランスが保たれる。季節で言うと冬と夏とではコンディションが異なる。その変わり目となる春や秋に自律神経のバランスが乱れやすくなる。3月に自殺者が多いのは、そのような理由も考えられる」そうだ。

さて、遠い昔の話だが――翁、学生運動に明け暮れていた時期に「何が正義か、何が真実か、己れの道はいずこに在りや」と一種の厭世観に陥り、藤村操(旧制一高生、1903年に日光・華厳の滝で投身自殺)の遺書「巌頭之感」(~不可解なり、我この恨みを懐(なづ)いて煩悶、終(つい)に死を決するに至る)に我が思いを重ねて悶々の日々を過ごしている時、世田谷松原町の下宿先の大家さんで翁の詩歌の師匠でもあった牧野芳子女史(詩人・斎藤茂吉の門下生、信濃国小諸藩主・牧野家の末裔)から1句頂戴した。【君に問ふ 何思はめや明日の日の まっとき命 誰(た)が誓ふべき】(君に問う。何を思い患っているのか、明日という日の運命(さだめ)を、誰が決めることが出来ようか)――そして女史は、ご自分の出生地・小諸藩主牧野家(元子爵)の菩提寺(禅寺)を紹介してくれた。翁、その禅寺で10日間“禅修行”を体験した。坐禅の目的は調身・調息・調心であるが、わずか10日間では目的の1つも会得し得ない。だが坐禅の間ずっと故郷の母や兄姉、故郷の風景を偲び、肉親の情愛と自然の恩恵によって“今、己れが在る“を再確認、「感謝」と「強く生きなければ」の”覚悟“を呼び覚ませてくれた”禅修行“であった。翁、”死“を考える人に言いたい「何故、死に急ぐ?君は独りではない、“見守り人“は沢山いる。君自身と親兄弟のためにも、命を大切にしようよ」・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

茶子のスパイス研究「世界への旅」

昨日、“兼高かおる世界の旅”という番組があった事を思い出した。確か日曜日の午前中に放映されていたその番組が大好きで毎週見ていた。もう今は無くなってしまったけれど、パンナムの飛行機が空を旅立っていくのを見ながら今週はどこの国の世界に連れていってくれるのだろうとワクワク楽しみにしていた。あの番組の影響を受けて海外に行った日本人もかなり、いたのではないだろうか、、、。

来月会う事になっている学生時代の親しい3人の友人のうち一人はロンドンに行った。一人はサンフランシスコ、一人は空に憧れ軽飛行機の免許を取りにカリフォルニアに講習を受けに行った。そして私はロスアンジェルスに行ったり来たりしながらいつの間にか長期でロスアンジェルスに生活するようになった。そういう事も兼高かおるさんの番組の影響があったように思う。いくら本で読んでも他人の体験を聞いても、それは他人が見た事、感じた事であって実際には自分の目で見て感じる自分の体験が大事だ。だから当時は誰も知らない土地に行く不安より好奇心の方が私に行動を起こさせたのだと思う。

ロスアンジェルスに行ってあらゆる国から来た人達と会った。そして、今まで食べた事のない国のレストランや食べ物に出会い文化に触れる事になった。そこから世界にはいろいろな調味料やスパイスがあるのだなという事を知った。以前、ご近所にベトナム生まれのフランス人の女性がいた。世界中を旅してきたらしく私にいつも言っていた。スパイスに興味があるのなら1度、モロッコのマラケシュという市場に行くといいと。その国その国に伝わる調味料やスパイスを体験しながら世界を回る旅が出来たらいいなと、ぼんやり考えていた。今はセキュリティーの事を考えると簡単にホイホイ海外旅行に行く事が困難な時代に突入してしまった。兼高かおるさんがTVから見せてくれた世界の旅、その頃のキラキラした世界をまた見てみたくなった。兼高かおるさんが亡くなられてから淡路島に彼女の資料館があった事をだいぶ後になって知った。その資料館も、もう閉館になってしまったらしく残念だ。

兼高かおるさんには1度だけロスアンジェルスのイベントでお会いした事がある。“私、写真を撮られるのが苦手なんです”とおっしゃっていてサインも丁寧にお断りしていたのを覚えている。人に媚びる事なく自分の信念を持っておられる姿は凛とした美しさがあった。ある番組で“自分はいつも人に見られているという意識を持っていました。特に世界の要人の方にお会いする機会も多かったので自分は日本人の女性を代表しているという意識とプライドを持っていました。そして日本人女性としての立ち居振る舞いの美しさを忘れないようにしていた”と。

世界旅行がまだ遠い憧れの時代に彼女はあの番組で150か国を回りレポーター、ナレーター、プロデューサー兼ディレクターを務めた才女だった兼高かおるさん。今TVから流れてくる混乱の世界を見たら、どんなに嘆かれる事だろう、、、、。

スパイス研究家 茶子

ジャズライフ Louis Armstrong Duke Ellington “Solitude”

ジャズを聴くだけでハッピーですがその上良い音で聴けるのですからオーディオへの興味は尽きません。結果がすぐに出るという面白いコトを始めると次々と試したいことが出てきます。「オーディオにゴールはない」と言われているのが良くわかります。以前から気になっていたヘッドフォーンでどの程度繊細な音の変化が感じ取れるか試したくなり、癖のないフラットな周波数特性でコスパの良いAKG(オーストリア製)のセミオープンタイプのスタジオモニターヘッドフォンを購入しました。セミオープンタイプであることやインピーダンスがこれまで使っていたカナル型のイヤフォンと大きく違うので音の出方に慣れが必要だと思いました。エージングをしながら耳を慣らしていこうと思います。二週間前に使い始めたばかりのデジタルアンプですが、今度はアンプを二つにしてそれぞれのスピーカーをモノラルアンプで駆動して聴いてみたくなりました。オーディオ沼に少し足を突っ込んでいますが、ワクワクは続きます。

サッチモのジャズで盛り上がった連続テレビ小説「Come Come Everybody」は終盤に入りました。ラジオ英会話は私の人生を変えたと言っても過言ではないのでものすごく親しみを感じながら見ています。Louis Armstrongの独特な歌声から始まるSolitudeは迫力があります。そしてサッチモのトランペット、とても魅力的なアルバムです。Duke Ellingtonが弾くピアノの鍵盤の動きと響きが伝わってきます。半世紀以上経った今、ハイレゾ音源で楽しみながらこのような素晴らしいアルバムに出会えるなんて感動です。《R.O.》

Louis Armstrong Duke Ellington “Solitude”

01-Solitude
02-In a Mellow Tone
03-Cottotail
04-Mood Indigo
05-Do Nothin’ Till You Hear from Me
06-Duke’s Place
07-Drop Me off in Harlem
08-I’m just a Lucky so and So
09-The Beautiful American
10-I’m Beginning to see the Light
11-The Mooche
12-It Don’t Mean a Thing
13-I Got It Bad
14-Don’t Get Around Much Anymore
15-Azalea16-Just Squeeze Me

編集後記「まんぼう解除」

コロナの新規感染者が劇的に減らないですが、蔓延防止策が解除され人の流れが活発化してきました。地方で旅行割引が始まりこれも人の動きを加速させることになると思います。私たちは蔓延防止策の解除前に小旅行を計画して予約したので、県民割引が適用されないと思っていたら、適用対象になると旅行会社から電話があり、嬉しい気分になっています。《R.O.》

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