雑貨屋ウィークリー1544号

雑貨屋のひとり言「歩道上の黒い斑点汚れの正体」

卓球レッスンからの帰り、駅の階段を上がろうとしたとき、清掃の方が段差一段一段を丁寧に掃除している姿が目に入りました。よく見ると、黒くこびりついた汚れを一所懸命こそぎ落としているところで、その黒いものはガムだと思われます。ガムを噛み終わったあとに、平気で口から床へ吐き出す人がいまだにいることに、なんとも言えない気持ちになりました。

皆さんも、捨てられたガムを踏んで嫌な思いをした経験はないでしょうか。靴の裏にベッタリ付いてしまうと、取るのもひと苦労ですし、気分まで悪くなってしまいます。

日本の街なかを歩いていても、歩道や駅の床など、あちこちに黒くこびりついたガムの跡を見かけます。冷静に考えると、とても不衛生ですし、景観も損なわれます。 この問題は、「街中のゴミ箱が少ないから」ではなく、噛み終わったガムをきちんと紙に包んで持ち帰る、という当たり前の意識が欠けていることが一番の原因ではないでしょうか。

ガムそのものを製造中止にする必要はないと思いますが、もし技術的に可能であれば、万が一ガムが口からポロッと落ちても、時間とともに跡形もなく消えてしまうような素材が開発されると良いなと感じます。とはいえ、どんなに技術が進んでも、最後に問われるのは、やはり一人ひとりのマナーなのだろうと思います。《R.O.》

川柳(東京・成近)

( 川 柳 )

七年目の浮気男って男って

身の丈をやっと悟った七転び

七坂のどこかで夢の落とし物

七坂を超えて夫婦という絆

文明の積み木を狙う震度7

(ニュースひとりよがり)

「地元の同意出揃う」

震度7は来ないよね — 泊原発

「香港議会親中派が独占」

連立で過半数がいい — 民主主義

 「格言」 

現役時代 — 七転び八起

定年後  — 七転び骨折

河合成近

龍翁余話(912)「独り暮らし老人救済対策」

全国的に高齢者人口が増えていることはご承知の通り。東京都の発表によると、2020年の時点で東京の高齢者人口は約320万人で、当時の東京の人口約1397万人の約23%だったのが、2025年8月現在では約420万人で、現在の東京の人口約1427万人の約31%に達しているそうだ。国立社会保障・人口問題研究所の調べによると、団塊の世代(先の太平洋戦争終戦後の第1次ベビーブーム期に当たる1947年から1949年頃に生まれた世代)が80歳以上になる2030年には1人で暮らす65歳以上の高齢者が約41%になるのでは、と言われている。

政府は、在宅医療や介護体制の拡充強化など、高齢者の生活を支える仕組みづくりを急ぐ必要があるとの見解で議論を行なっているが、現在、厚生労働省が検討を進める医療・介護制度改革で、病院や診療所で支払う窓口負担や介護サービス利用時の負担の割合を引き上げる議論、つまり“財源をどうするか”の話が目立ち過ぎる。自民・維新の連立政権は物価高騰による病院・診療所の経営難対策、それに伴う診療報酬体系の抜本的見直し――要するに、高齢者の医療費負担を多くして医療機関の経営安定化を図ろうとする政策が先行していることに翁、大いに不愉快な思いをしている。「老人が支払う医療費を上げるのではなく、もっと政治家が使うムダ金を整理して、それを医療機関の“経営安定化”に使え」と言うのが、翁の考えである。

最近の有力新聞で「増加する単身高齢者を”見守る力“を高めたい」とする社説が目に留まるようになった。日本経済新聞の社説(要旨)は「子どもや兄弟姉妹など家族がいない単身高齢者は、家事や金銭管理、受診の判断、行政への相談を代わりに担う人がいないので孤立してしまい日常生活に支障を生じかねない。住宅確保も課題だ。1人暮らしは孤独死を警戒するあまり、入居を断られるケースも少なくない。政府は、安定した住宅が必要な人に自治体が経済支援をする“住宅確保給付金”の拡充を盛り込んだ法案を成立させた。賃貸住宅を高齢者に貸しやすくするためNPOや社会福祉法人などの“居住支援法人”が高齢者に代わって賃貸住宅を借り上げ、入居中も安否確認などのサービスを提供する仕組みも検討している」。

読売新聞の社説(要旨)は「厚生労働省は、頼れる親族がいない一人暮らしの高齢者を対象に、入院や老人ホームへの入所、葬儀を含む死後の事務手続きを支援する新たな仕組みを創設する方針を固めた。来年の社会福祉法改正を視野に、2027年度にも支援を始める。
頼れる親族がいない高齢者を支援する新たな取り組みの1つに民間サービスがあるが、費用が高額なため利用できる人は限られている。全国の社会福祉協議会が金銭管理を支援する事業も、利用は認知症の人らに絞っている。そこで厚労省は、単身高齢者の人生の終盤を幅広く支援する仕組みが大切だと判断した。入院や介護施設への入所は、手続きの代行や緊急時の連絡先の引き受けを対象とする見通しだ。死後事務については、葬儀の手続きや納骨、自宅に残った家財の片付けなどが想定される。担い手は社会福祉協議会やNPO法人など。利用料は所得に応じて設定し、低所得者は無料や低額にする、その実行が待たれる」。

ところで独居老人の翁、八十路に入ってからずっと“我が身の後始末”を考えている。まずは今まで必要とした身の回りの物品の整理、例えば(もう手を通すこともあるまい)洋服、必要がなくなった書籍・資料類、若い頃、海外で仕入れたお土産類(骨董品や装飾品)など、少しずつ整理(捨てたり人に引き取ってもらったり)しているのだが、見渡すと、まだまだ不用品があちこちに・・・そして思う「もし、いまオレが死んだら、これらの品々はどうなるのだろう?」と。そして更に大きな問題は不動産(古くなったマンション)の始末・・・友人に話したら「龍翁さんは故郷があるし、ハワイにもファミリーがいるので今のうちにマンションを売ってしまい、どちらかに移住したらいかが?」うん、それも考えてはいるが、実は、まだ東京を離れられない事情(医療問題・交遊関係など)があって“二の足”を踏んでいるのが実情だ。願わくば、読売新聞(社説)が言うように「死後事務については、葬儀の手続きや納骨、自宅に残った家財の片付けなどが想定される。担い手は社会福祉協議会やNPO法人など。利用料は所得に応じて設定し、低所得者は無料や低額にする、その実行が待たれる」を、翁もとても待ち望んでいる。

翁、17年前(2008年)から「五反田シニア会」(元教育者だった人たちの親睦会)のメンバーになっている。翁を招き入れてくれた先輩たちが次々と亡くなり、2017年から最長老になったので“会長”に祭り上げられている。わずか11人のメンバーで“コロナ禍”期はメールや電話だけで顔を合わせることは控えたていたが、先日6年ぶりに会食会が開かれた。11人中5人が病弱その他の理由で欠席、集まったのは翁以下6人。やはりそれなりに“歳”を感じたが一応に元気、頭も口も達者だったのが嬉しかった。会話の中身は病気や死生観が多く、簡単に言うと「立つ鳥、後を濁さず、と思って、何とか断捨離をやっているのだが、病を抱えているので思うように体が動かず、やる気も薄らいでいる状態」が話題の中心だった。前述の、翁が東京を離れられない事情の1つ”交遊関係“には、この「五反田シニア会」や「ゴルフ仲間」、「昔からの親友」そして「いまだに翁を頼ってくれる(息子のような)後輩たち」との”離れ難き縁“が“二の足”を踏んでいるのである。

翁、年の瀬には、やはり“終活”(人生の終わりに向けて様々な準備を行ない残りの人生をより良く生きるための活動)への思いが強まるが、もうとっくに“死”は覚悟している。そして“終焉”に際しては上杉謙信の辞世の句【極楽も地獄も先は有明の月の心に懸かる雲なし】でありたいと願っている・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

茶子のスパイス研究「東京観光 八王子博物館とうかい鳥山レストラン」

東京の混雑を避けて最後の日はLAから来た友人達と高尾山口駅からも近い八王子駅に出かけました。以前から八王子は養蚕や織物が盛んで宿場町としても栄えたようです。そんな八王子の歴史と文化を尋ねて八王子駅前にある桑都日本遺産センター八王子博物館に立ち寄ってみました。小さい博物館でも充実していて入り口にある町の地図上に描き出されるプロジェクションマッピングは八王子の歴史がわかりやすく説明されていました。館内のスタッフの方も親切で、いろいろ説明してくださいました。館内の交流コーナーには昔の生活道具が展示されていたり車人形や機織り実際に体験出来る場所があって日本の文化に触れられるいい機会でした。

友人達は同じフロアーにあったセリアという100円ショップにも夢中になって買い物をしていました。LAにはダイソーがあります。日本では100円ですが米国では今1ドル50セント➕税金、最近は3ドル5ドル10ドルのものも多いので、それから比べたら殆どのものが100円で買えるのですから米国に住んでいる人からしたら信じられなく安いのでしょう。

夕方からは高尾山口駅からシャトルバスのお迎えで“うかい鳥山”レストランに向かいました。ここは四季折々いつ行っても趣のある場所です。最初は1人で見学に行きました。次は友人と予約を入れて行きました。其々日本庭園の中にお食事を頂くお部屋があるので人数に合わせたお部屋を確保するために予約が必要です。皆さん、お料理のコースが一つ一つ運ばれて来る度にその料理の説明を聞き珍しそうに料理を観察し写真を撮って料理を堪能していました。

食事を終えて敷地内にライトアップされた紅葉と日本庭園の美しさを見ながら散歩する時間も至福のひと時でした。

その中でも一際存在感があったのは富山県の5箇山から移設された合掌造りの古民家でした。築100年以上の歴史的な古民家を見学出来るので最近は外国からいらっしゃるお客様も増えたのだとか、、、
ここでは時間がゆっくり流れています。静かで落ち着ける場所です。

翌日から京都、大阪、奈良の観光に出かける友人達とは高尾山口の駅から見送りました。

友人達の日本の印象はどうだったでしょうか、、、、

また、近いうちに感想を聞きたいと思います。

スパイス研究家 茶子

小春の気ままな生活 第四十九話「ウォーター・ヒーター故障の話」

先週の日曜日にシャワーを浴びていたら、お湯が出なくなりとりあえず水で足だけ流してキッチンにお湯を沸かしに行きました。家の中は暖かいので凍えることはなかったのですが、お湯が沸くまでバスルームで待機していました。思えば、カリフォルニアの家でも一度同じようにバケツに水をためて、熱湯を足してお風呂に入った事がありました。カリフォルニアの家を買ったばかりの頃、水道管のどこかから水漏れがあったので、大元の栓を止めて生活しなければいけなかった事がありました。その時は、元栓が二つあった家だったので、裏庭で水をくみながら生活ができたので、不幸中の幸いという感じでした。

テネシーの家のウォーター・ヒーターはタンクを見たら2018年のもので、今年で7年目でした。一般的に売られているものは寿命が10年位でしょうか。最近の家電(冷蔵庫、食洗機、洗濯機、乾燥機、オーブンなど)なんでも寿命が10年と言われています。今の家に引っ越してすぐにオーブンが壊れ買い替え、すでにウォーター・ヒーター、冬の寒い時期なので暖房でなくて良かったと思いました。

さて、ウォーター・ヒーター故障の話を主人がお友達に話していたところ、その方も買い替えた時があったそうで、彼はプラマーに頼んで変えてもらったそうですが、$6,000も払ったというのです。私の主人は自分で取り替えられるので、本体のみの価格です。私たちが調べたら安いタンクは$400台、高いタンクは$1,500位でした。人件費を払ったとしても$6,000はボッタクリではないかと主人も私も目が点でした。知人曰く、彼の住んでる州は自分で交換できず家を売るときに問題になり売れなくなるので、ライセンスのある専門業者にやってもらうしかないというのです。それにしてもそれは不当な金額だと思い、少し気が引けたのですがネットで調べさせてもらいました。彼の住んでいる州はでの業者によるタンク交換規制は見当たらず、交換修理費用は$750 – $2,000と出てきました。やはりボッタクられたように思えます。これだったら、主人が飛行機で友人の家へ行き、タンク交換して帰ってきてもお釣りが出たのに…と気の毒になってしまいました。

カリフォルニアにいた時の知り合いが、水道工事業者で働いていたのでどのメーカーのタンクが良いのか知っていたのですが、今住んでいる家の近くには売っていないので、オンラインで購入しました。近くのホームセンターではRheemやA.O Smithなどのメーカーが多いのですが、水漏れしたり寿命は短いようです。私たちが選んだのは、Bradford Whiteというメーカーで、カリフォルニアの家のタンクもこのメーカーでした。入居したときにあったもので、引っ越すまでの10年間一度も故障しませんでした。知り合いの水道工事業者で働いていた方の家にもこのメーカーのタンクがあったと主人は言っていました。もし、在米の方でウォーター・ヒーターを交換する方がいらっしゃいましたら、ご参考まで。

それでは、また来週。

小春

ジャズライフ Miles Davis And His Quintet “Miles and His Quintet”

1950年代半ば、マイルス・デイヴィスは新たなクインテットを結成し、自身のサウンドを決定づける重要な一歩を踏み出しました。トランペットのマイルスに、ジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズが加わったこのバンドは、後に「第一期黄金クインテット」と呼ばれ、モダン・ジャズ史に大きな足跡を残します。今週ご紹介のアルバム『Miles and His Quintet』は、その記念すべきスタジオ録音の一枚として、端正でクールなマイルスと、まだ熟成途中ながら熱を秘めたコルトレーンが交錯する、実に聴き応えのあるアルバムです。70年経っても新鮮に聴けるジャズって本当にすごいと思います。《R.O.》

1-Just Squeeze Me (Miles Davis And His Quintet)
2-There Is No Greater Love (Miles Davis And His Quin.
3-How Am I To Know (Miles Davis And His Quintet)
4-S’Posin (Miles Davis And His Quintet)
5-The Theme (Miles Davis And His Quintet)
6-Stablemates (Miles Davis And His Quintet)

編集後記「垂水の書店で見つけたテキストから始まった」

先月、用事があってJR垂水駅に行きました。アメリカに行くまでは神戸市垂水区に住んでいたので、この垂水駅で降りて、近くの商店街にある書店によく通っていました。その書店で手に取ったNHKラジオ英会話のテキストが、私が仕事で英語に関わるきっかけとなったため、特別な思い出の場所です。私の記憶にある1977年頃の商店街とは様相がすっかり変わっていました。1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受け、街が復興されたからです。

そんな思い出の背景には、次のようなエピソードがあります。

当時、会社の英会話クラスに参加を希望しましたが、残念ながら受け入れられず、仕方なく自力で英会話の勉強を始めようと決意しました。会社の帰りに立ち寄った垂水商店街の書店で、NHKラジオ英会話のテキストに出会い、翌朝から番組を聴くことにしました。放送をカセットテープに録音し、通勤中にカセットデッキで繰り返し聴いていました。この行動が影響したかどうかは分かりませんが、1980年には幸運にもロサンゼルスとラスベガスへの出張の機会を得ました。この出張が私の人生を大きく変えるきっかけとなったのです。
そして、出張先で知り合った駐在前任者の誘いを受け、1982年にロサンゼルスへの赴任が決まりました。それから17年という長い年月を、北米で過ごすことになったのです。《R.O.》

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