雑貨屋ウィークリー1528号

雑貨屋のひとり言

1970年の夏、初めて北海道を旅行したとき、何よりも期待していたのは「夏でも涼しい気候」でした。さぞ快適だろうと思っていたのですが、その年に限って異常な暑さに見舞われ、エアコンのない宿では暑さのせいで眠れなかったことを今もよく覚えています。

同じような経験をしたのは1987年、ロサンゼルスからトロントに移った夏でした。2週間ほど異常な暑さが続き、私たちの家にはエアコンも扇風機もなく、夜になっても寝苦しい日々が続きました。ただし、このどちらの場所でも、その暑さは一時的な出来事で、やがて平年並みの気候に戻っていきました。

それから約40年が経ったいま、トロントの夏は依然として日本のような酷暑にはなっていません。ところが、トロントとほぼ同じ緯度に位置する北海道は、最近では本州と変わらないほどの暑さに見舞われ、今年は40℃に迫る気温を記録し、エアコンなしでは生活できなくなっています。あわててエアコンを設置する家庭のニュースを見て、本当に驚かされました。

この違いの背景に、日本が四方を海に囲まれており、その海水温が地球温暖化によって上昇してしまったことがあるのだとすれば、残念ながらもう元の気候には戻らないのかもしれません。《R.O.》

川柳(東京・成近)

( 川 柳 )

反省のポーズが猿に負けている

百本のバラを誠意と見た不覚

悪役の演技をトランプに学ぶ

大根に味が芸歴五十年

この僕に最高の賞助演賞

(ニュースひとりよがり)

「好きな長嶋語録」  

メークドラマ      ― トランプ

勝つ!勝つ!勝つ! ― プーチン

永久に不滅です     ― ゼレンスキー

「新ジョーカー」

弱きを挫き 強きに妥協  ー トランプ

「自転車運転の心得」 

のんだらのるな

のるならかぶれ ― ヘルメット

河合成近

龍翁余話(898)「プレミアムフライデー」

今号をお読みいただく前に、まずはお詫びから――翁、最近、高齢と酷暑のせいか、物忘れがひどくなった。若い時から人の名前や顔を覚えることが不得手だった翁、そのことについては“常習”だからあまり気には留めないが、自分が行なったこと(過去のこと)、これから行なおうとしていること(約束事など近未来のこと)を忘れてしまうことしばしば。

それも数年前、数カ月前のことなら仕方ないが、数週間前、数日前の出来事、あるいは数日後、数週間後(約束事など)のスケジュールをすっかり忘れてしまうことが多くなると、これはもう「ボケの始まりか」と言うことになる。実は、今号の『プレミアムフライデー』は昨年(2024年)7月21日(843)に同じタイトルで配信していた。今号の『余話』をかなり書き進めていた矢先、ふと、以前に配信していたことを思い出した次第。それを思い出したのだから「まだボケてはいない」と自己弁護したいのだが・・・という訳で今号の『プレミアムフライデー』が(昨年7月と)多少ダブることをお許し願いたい。

さて、1980年代初期から1990年初期のバブル期(土地や株式などの資産価格が異常高騰して実体経済から乖離していた期間)に「花金(はなきん)」(花の金曜日)が流行したことは記憶に新しい。「花金」は「華金」とも言うが、いずれも週休2日(土・日の休み)が定着し、月曜日から金曜日までの5日間、懸命に働いたご褒美に「金曜日の夜は思いっきり楽しく、華やかに過ごそう」と言う、特に会社勤めの若者の間に流行った言葉と風習である。とは言え「花金」(または「華金」)は、翁の会社のような映像関係やマスコミ関係、小売店や飲食業、医療関係などには縁遠い言葉(風習)であった。

“「花金」は、映像関係やマスコミ関係には縁遠い”と言ったものの、翁は(個人的には)この「花金」を大いに楽しんだものだ。翁は下戸だし、どちらかと言うと“お宅族”たったから(今はなおさらお宅族だから)金曜日に限らず“飲み会”などで時間を潰すことはなかった。そして翁がゴルフを始めたのがこの頃。しかも翁のゴルフデーは(たいてい)土曜日であったから「金曜日の夜は遠足前夜の少年に戻る」だった。老年になるにつれ、ゴルフの技術が衰えた今でも、ゴルフの前夜はワクワク感を覚える。「花金」の夜、親戚の者からは毎週「少年よ、明日のゴルフ、お年を考えて無理のないプレーを」の“金曜メール”が届く。また、金曜日はゴルフ仲間とのメール交信もある。ゴルフ仲間はみんな翁より年下だから、翁の老体を心配して寒暖の注意を促してくれる内容が多い。嬉しい“花金メール”である。

「花金」をテーマにしたテレビドラマも作られた。例えば1983年(昭和58年)から1985年(昭和60年)まで毎年新シリーズが作られた『金曜日の妻たちへ』や、1986年(昭和61年)から翌年1月にかけて放送された『金曜日には花を買って』の連続テレビドラマがあった(2つともTBS系列)。翁はこれらのドラマを見ていないから“批評”は出来ないが、漏れ聞くところ「これらのドラマが起因かどうか不明だが、この頃から離婚とか不倫の風潮が表面化し出した」そうだ。いや、離婚とか不倫は昔からあった。その傾向がマスコミで表沙汰にされるようになったのはこの頃から、と言うことか・・・

1991年(平成3年)にバブルは崩壊、日本経済は長期の経済停滞に陥り、雇用情勢が悪化を続けるようになると「花金」(「華金」)も影を潜め(その言葉も風習も)次第に消滅して行くのだが、替わって『プレミアムフラーデー』なる言葉が誕生した。略称は『プレ金』と言うそうだ。「プレミアム」とは(ご承知のように)「高級・良質」と言う意味だが、翁は更に「価値ある内容」を付け加えたい。この『プレミアムフライデー』は2017年2月から日本政府(経済産業省)と経済団体連合会を中心とする経済界が提唱した「個人消費喚起キャンペーン」で、実施時期は毎月末の金曜日を中心に「買い物・観光・ボランティア・家族との団欒時間など生活の豊かさや幸せ感を味わって貰おう」が目的だとのこと。しかし翁が思うに、この『プレ金』は何も月末の金曜日に限ることはあるまい、かつての「花金」のように毎週金曜日の夜を楽しめばいいではないか、と思うのだが、役所や経済界は、どうやら給料日直後の、サラリーマンたちの懐具合を狙っているようだ。

ある調査によると『プレ金』の認知率は9割を超えているが、実際に実施された例は1割程度というアンケートも存在しているとか。一方『プレ金』のメリットもある。金曜日の夜出発の旅行者の増加で観光地の経済が活性化する。ほかに、月末金曜日の業務を15時に終了することで効率的に業務をこなす必要性が生じ、不要な会議や残業が少なくなったと言う実例もあるそうだ。しかし、2020年に発生した“コロナ禍”の影響で『プレ金』そのものが有名無実化してしまった。加えて円安・諸物価の高騰などで個人経済(消費活動)は冷え込む一方・・・こうなると、政府や経済界がいかに笛や太鼓を鳴らそうとも消費者(国民)は、そう易々とは踊れない。それでも政府や経済界は(居酒屋チェーンやコンビニ・スーパー・デパートなどを中心に)『プレミアムフライデー』のキャンペーンを復活させようと躍起になっているそうだ。しかし翁は思う。国民に「金を使え、もっと遊べ」と消費を促す前に、国民がほどほどに個人経済の豊かさを実感出来るような“日本経済復活”こそが最優先課題であろう。 いずれにしても『プレミアムフライデー』が月末の金曜日だけに限らず、毎週金曜日の夜が「自由で華やかに楽しめる夜」であって貰いたい。勿論、自由時間の使い方は、個人の自由――「自由時間とは、いかなる人間的堕落も、いかなる人間的成長をも認められる時間である」から――若い人たちは先が長いから多少のロスタイム(空費時間)は取り返せるが、翁たち超高齢者にはその余裕はない。故に翁、毎日を『プライムデー』(上質な日々)にしたいと思うのである・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

茶子のスパイス研究「花のある生活」

東京から比べるとここ港町近くのサンペドロ市は緑が多いし公園もあちこちにある。山手の丘や海岸の散歩道にもいいトレイルがたくさんある。
夕涼みに歩いている途中で珍しい草や花がたくさん発見出来る。いつも犬の散歩やジョギングをしている人達は立ち止まってその花を見る事もなく当たり前の見慣れた風景なのかそんな花々に目もくれずに通り過ぎていく。
それだったら少しだけその自然の恵みを頂いて家の台所や食卓テーブルに飾って 花を愛でてみようと草や花を集め出したら散歩以上に楽しくなってきた。 その少しだけのつもりでも、沢山の種類があるので毎回、家に戻って数種類の花瓶入にデコレートすると、まるで花屋さんの店頭のように華やかになる。

たった1輪の花でも存在感があってテーブルの上に飾るとパッとその場が明るくなる。
母は花が大好きで花と美味しいおやつがあれば幸せなのだそうだ。花を積みに散歩に行って翌朝、母が2階から降りてきて食卓テーブルに着くと感嘆の声を上げる。 “ま〜綺麗” と、、、。
やはり花は独特の癒しのオーラを発しているのかもしれない。香りもそうだ。

以前、長時間の手術に耐え退院して間もない頃の母を連れてローズガーデンに 行った時の事だ。ローズガーデンに入った途端、薔薇の甘い香りが流れてきた。 しばらく歩いていたら母が言った。“今まで頭が霞みがかってぼんやりしていた のがクリアーになった”と。
体内に残っていた麻酔が薔薇の花の香りの影響で霞みが取れたのか因果関係は わからない。でも頭がスッキリクリアになったのだから良かった。

 その話をあるバラ園で働いていた女性に話したら、いきなりその人はいくつか 薔薇の花を切って私に差し出した。“お母さんに持っていって、誰か来る前に見られないように隠して持っていって、バレたら私、クビになっちゃうから”と。

そして私はその薔薇の花を手提げ袋に入れて足早にその場を離れた。

本当にその人の 気持ちが嬉しかった。 いつかチャンスがあれば、その人に会いに母を連れてバラ園を訪れたい。

スパイス研究家 茶子

小春の気ままな生活 第三十四話「健康でいるための条件・ビタミンDの効果」

今週はなぜかパン作り・ピザなど小麦粉を使う料理が多くなってしまいました。アメリカの田舎には欠かせないウォルマートも最近、様々な食品の値段が上がって来ています。そこで、私はヨーグルト作りも始めました。日本でも売っている様ですが、インスタポットのヨーグルト機能がとても便利で、納豆を作るために購入しました。ヨーグルトは牛乳を華氏180度まで熱して、110度まで下がったところに買ってきた無糖のヨーグルトと110度に下がった牛乳少量を混ぜてから温めた牛乳に入れよく混ぜて100度(摂氏40度程?)に保って一晩(8〜20時間)ほど置くとヨーグルトができています。市販のヨーグルトの半額以下(購入する牛乳にもよる)でヨーグルトができる様になりました。市販のヨーグルトは殺菌加工がされているので、菌も自家製のヨーグルトより少ないと聞いています。菌を増やすためには夜寝る前に冷蔵庫から出して朝食べると良いとどこかの大学の先生がおっしゃっていたのを覚えています。

さて、本題のシリーズでお伝えしている健康の話ですが、ビタミンDと太陽の光の関係についてお話しさせていただきます。Dr. Seheultがパンデミックの当初、病院にきた患者の中でビタミンDのレベルが高い患者は回復率が高く、ビタミンD のレベルの低い患者は死亡率が高い事がわかった為、ビタミンDのレベルをチェックしていました。ビタミンDのレベルが低い患者の死亡率が高かったのを目の当たりにしていたので、誰が死亡するか予測がついたそうです。関連はわかったが、原因ではないので、ビタミンDを患者に与えたそうです。ただ、問題はビタミンDを与えても効果は無かったそうです。Dr. Seheultもサプリを取っているし、インタビュー当日も飲んできたと言っていました。しかし、Dr. SeheultはビタミンDを与えた患者に効果が無かった事から、ビタミンDレベルの高かった患者は太陽の光に当たっていたと推測しているそうです。ビタミンDレベルの低い患者は外に出て日に当たっていないと言います。Dr. Seheult, Scott Zimmerman, Russell Writerや他の研究者達もレポートしているが、太陽による遠赤外線のがミトコンドリアの酸化ストレスに影響を与えているのではないかと考えているそうです。
また、ある研究では15分赤外線に当たる事で、ミトコンドリアに与える影響は格段と上がるそうです。Glenn Jeffreyはショウジョウバエ、蚊、蜂や人での研究で、15〜20分赤外線に当たるとスイッチが入る様にミトコンドリアに影響を与えるということが分かったそうです。ただ、それ以上の時間日にあたっても影響に差は無かったそうです。長い時間当たれば、もっと効果があると思うが、専門的な事で複雑であるが、エレクトロン・トランスポート・チェーンによるものであるとDr.Seheultは話しています。この研究は現在でも続けているそうです。
ICUの話に戻ると、ビタミンDのサプリが効かないとわかるとコロナはメタボリックが問題なのだと認識できたと言います。

また来週に続きます。

小春

ジャズライフ John Coltrane “This Is John Coltrane”

アルバム探しは音楽のサブスクサービスのお陰で容易になりましたが、「これは」と驚くような楽曲を見つけるのは簡単ではありません。そんなときはAmazon Musicのライブラリーに入れてあるアーティストの楽曲を聴くことにしています。今回はライブラリーからJohn Coltraneを選んで聴いてみました。やはりJohn Coltraneはいいですね。アルバム”This Is John Coltrane”にはこれまで紹介した楽曲がすべて収録されています。この一枚でJohn Coltraneがわかります。《R.O.》

01-In a Sentimental Mood
02-Impressions
03-My One and Only Love
04-Alabama
05-Blue Train
06-Bessie’s Blues
07-A Love Supreme, Pt. 1: Acknowledgement
08-Greensleeves
09-Say It (Over and Over Again)
10-I’m Old Fashioned
11-Lonnie’s Lament
12-Ruby, My Dear
13-Theme for Ernie
14-My Little Brown Book
15-Nancy (With the Laughing Face)
16-Afro-Blue (Live At Birdland, 1963)

編集後記「Macの表計算ソフトNumbers」

表計算ソフトは仕事をやっていた時からMicrosoftのExcelを使っていました。Excelは大量データ処理や統計分析など高度な事ができる反面、機能が多くて使いこなせない印象があります。個人でちょっとした表や家計簿を作るなら無料で使えるGoogleが提供するクラウド型の表計算ソフト、スプレッドシートで十分です。iPadやiPhoneで使うならAppleが提供する無料の表計算ソフトNumbersがあります。これまでNumbersを使った事がなかったので試しに使ってみました。見栄えの良いグラフやレイアウトが作りやすいということがわかりました。シートに複数のグラフを作成できるので便利な使い方ができます。iCloudを使ってiPhoneやiPad間でシームレスに使えるのも良いですね。終活のための個人データ整理に使おうと思います。《R.O.》

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