雑貨屋ウィークリー1305号

雑貨屋のひとり言「ワクチン接種の予約をしました」

4月から高齢者のワクチン接種が始まっていますが、ワクチンの絶対数が少なすぎて予約争奪戦となり各地でトラブルが起こっています。コロナ感染への恐怖で誰よりも早く打ちたい気持ちはわかります。政府はオリンピックをやると明言していたのですから、もっと早くからワクチンを確保するアクションを取るべきだったのに何もできていなかったことがこのような残念な事態を招いています。
5月10日、私たちの住む市でも65歳以上のワクチン接種予約が9時にスタートしました。ワイフと私はスマホで予約を試みましたが、予想通り通信状態がパンクしてなかなか繋がらず、クリックを繰り返しました。ラッキーなことに11時過ぎに繋がり申し込み画面が現れて6月3日に予約が出来ました。スマホを使わない高齢者がいるので電話での申し込みはもっと混雑したのではないかと思います。IT化の遅れがあらゆるところで影響しているような気がします。《R.O.》

川柳(東京・成近)

( 川  柳 )

ばあちゃんの青春にいるプレスリー

デジタルに俺の演歌が乗りきれず

アイドルの賞味期限を売り急ぐ

パリコレのドレス モデルが着ればこそ

ビギナーズラックに罪なラスベガス

(ニュースひとりよがり)

「国民の皆様のご協力を」

医師会の会長さんも ―菅首相

「緊急事態宣言」

こっちも ―東京五輪

「坂本、右手親指骨折」

痛い! ―原監督

河合成近

龍翁余話(678)「高血圧」

『高血圧』は怖い――翁が高血圧を下げる薬(降圧薬)を服用するようになったのは2009年8月にK大学病院で尿管ガンの手術を受けた直後からだった。尿管は腎臓と膀胱を繋いでいる長い管で“上部尿路”と呼ばれ、左右1本ずつある。したがって尿管ガンの手術の際は、同時に腎盂(じんう=腎臓内の尿のたまるところ)も切除される。翁は、右尿管ガンだったので簡単に言うと右尿管と右腎臓を失ったことになる。術後に病床で血圧測定をしたら上が180、下が105(mmHg)。そこで泌尿器科から腎臓内科を紹介された。これと言う自覚症状は無かったのにドクターから高血圧症を宣告された。ドクターいわく「現在、日本の高血圧患者は約4,300万人いると推定されている。つまり、日本人の3人に1人が高血圧患者であり、もはや国民病と言っても過言ではない。年代別では70歳以上の男性は75%、女性は70%。高齢者ばかりでなく40歳代から上の年齢層でも3人に1人、30歳代でも5人に1人が高血圧患者。高血圧を放置しておくと心疾患や脳卒中などを起こす危険性がある。しかし、はっきりした自覚症状がないので積極的な治療を行なわない人が多い。そこで龍翁さんに実行して貰いたいのは、食生活改善をすること、毎日決められた時間帯に決められた薬の量を服用する事、自宅で毎日、朝晩、血圧測定を行ない、その記録をとること」――以来、腎臓内科の3か月検診(毎回尿検査・血液検査・2種類の降圧薬の受け取り)が続き現在に至っている。これは死ぬまで続くだろう。なお、泌尿器科は術後10年目の2019年から6か月検診に、今年から1年検診(1回のCT検査)になった。ついでだが同病院で、もう2つの科にお世話になっている(胃ガン検査などで年1回の消化器内科、左脚の軽い静脈瘤検査で年1回の一般消化器外科)。

さて『高血圧』――高血圧と言えば、一般的には“本態性高血圧”を指すらしい。リスク要因としては塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、ストレス、喫煙、深酒、加齢、遺伝など。もう1つ“二次性高血圧”と言うのがあるそうだ。内容は腎実質性高血圧、腎血管性高血圧、内分泌性高血圧、薬剤誘発性高血圧・・・翁は元来、酒は飲めないし、塩辛いものは好まない。2009年夏の手術までは痩身(術後、急激に太り始めたが)、毎週のようにゴルフをしていたし、撮影取材であちこち飛び廻っていたので運動不足だったとは思えない。煙草もヘビーではなかったし、遺伝も確認出来ない。あるとすれば仕事上のストレスの蓄積かも知れないが、それとて気に病むような自覚症状はなかった。だから翁の高血圧は“本態性高血圧”ではなく“二次性高血圧”だろう、と勝手に判断しているのだが次回、6月の検診時にドクターに訊いてみよう(今更、どうでもいいのだが・・・)。

高血圧治療の目的は(前述のように)高血圧が続くことによって起きる脳卒中や心筋梗塞
などの合併症の発症、進行を防ぐためだとされている。高血圧の治療は降圧薬服用のほかに生活習慣の改善がある。翁も高血圧症を宣告された直後、腎臓内科のドクターの紹介で同病院の栄養管理室で「食生活改善の指針」の指導を受けた。「塩分の過剰摂取に注意(塩分は1日に6g以内)、野菜や果物の摂取はいいが、高コレステロールの人や腎障害の人はカリウム食品の多量接種は控えよう。例えば、グレープフルーツはダメ、トマトやバナナは1日半分、イモ類・肉・魚にもカリウムが多く含まれている。昆布などの海藻類、ひじき、納豆、牛乳、スイートポテト、あんみつ、100%ジュースも要注意、カリウム含有量を確認し、1500mg未満に制限しよう」などの注意を受けた。グレープフルーツや納豆以外の食品は翁の好物ばかりだ。6gだの、1500mgだの言われても翁には分からないので、翁は食品成分表をよく見てカリウム含有量の少ない物を選び、しかも少量しか食べないように心掛けている。なお、2009年の手術以来、高血圧と同時に高コレステロール血症になり、住まい近くのクリニックで高コレステロールを下げる薬を(2か月分ずつ)貰っている。

ところで最近、「高血圧を防ぐための食生活の見直し」と言う論文が目に入った。それには「塩分と炭水化物を控えて(ここまでは納得、そのあと)カリウム・カルシウム・マグネシウムと植物繊維、タンパク質を多く摂ろう」と書いてある。「カリウム・カルシウム・マグネシウムの3つのミネラルは、塩分(ナトリウム)を排泄する効果があるため、血圧低下に貢献してくれる」とある。この論文だけを読むと、翁がこれまで神経質になっていた“カリウム制限”は何だったのだろう。しかし、翁は(前述のように)腎臓が1つしかないので、それを守らなければならない。そこで別の資料「腎臓を守るための食事療法」も読んだ。それには「腎臓機能が低下すると電解質の1つであるカリウムの排泄が減少し“高カリウム血症”が生じるので、カリウム制限が必要となる」と書いてある。よく分からないが、要するに「腎臓を守るためには減塩のほかにカリウム摂取を少なくしよう」と言うことだ(K大学病院・栄養管理室で指導されたのは、このことだった)――制限しなければならない(カリウムの多い)食べ物は前述の通り翁の好物ばかり、これでは食事の楽しみが無くなる、と思っていたが「水やお湯に浸ける、火を通すなどすれば、あるていど、カリウム成分を抑えることが出来る」とのこと。これで多少は救われる。

「130を超えると血圧が高め」と言うテレビCMがある。翁の感覚では130~140は正常だと思うのだが、医学的な成人血圧は<160以上―100以上>は超高血圧、<140台―90台>は要注意、<130台―80台>は、やや高めだがまだ正常値範囲、<120台―80台以下>は正常血圧値、だそうだ(単位はmmHg)。そして50歳代の3人に1人が「血圧高め、または超高血圧」と言われている。翁は朝起きて直ぐの測定では<160台―80台>、2種類の降圧薬(決められた量)を飲む(昼間は多分、140台以下に下がっていると思う)。就寝前の測定で<130台―70台>。今度は(朝よりも少ない量の)降圧薬を飲んで就寝する。このパターンと数値は10年来変化がない。つまり翁にとっては<130~140台―70台~80台>が正常血圧値と言うことになる。とは言え“コロナ禍“で食生活の乱れが生じている昨今、6月の定期検診までに食生活の姿勢を正さなければ・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

茶子のスパイス研究 日本の和菓子(菓匠 赤門や)

先日から書類の入っている段ボールの整理に取り掛かり始めた。散々行った山の情報や雑誌に載っていた料理の切り抜き、心に残った新聞の切り抜き、医療情報等々、、、
思わず見入ってしまい、なかなか捗らない。その中で昔、日本で出張の仕事帰りに立ち寄った和菓子屋さんからのお手紙が出てきた。懐かしい思いで、その手紙を読み返していた。食いしん坊の私は美味しいものに出会い感激するとすぐに、その感動を伝えたくて手紙を書いてしまう。それに丁寧に答えてくださり新しい作品の写真も添えて送ってくださった店主の方からの手紙だったのだ。お返事を頂いた時には、すでに私はLAに来ていたので赤門やさんから届いた手紙を母が送ってくれたのだ。ああ、そうだったな~とその赤門やさんの出会いを回想してみた。

それは初夏のある日の事、普段そんなに和菓子には積極的では無い私だけれどその和菓子屋さんには何か不思議な存在感があって、その店にす~っと引き寄せられるように入ったのだ。そこで“水まんじゅう”に出会った。その涼し気な姿と珍しさに魅かれて食べたら、その触感といい上品な甘さといい一遍で気に入ってしまった。それでクール宅配便で母に送った記憶がある。他の和菓子にも目をやると其々の和菓子に名前が付けられていて、そのコメントも実に味わいがあっていいのだ。その一つ一つの芸術作品に対して作り手の愛情がほのぼのと感じられてどれもこれも素晴らしくて感動したのを覚えている。
赤門赤飯万十も、その場で水まんじゅうと一緒に食べたのだが、とても美味しかった。これは赤門やさんの定番らしい。どのお菓子も食べるのがもったいないくらい綺麗で飾っておきたい和菓子なのだ。食べる前には写真をとっておいて後から見せびらかしたい気持ちになる。特に和菓子を知らないアメリカ人の人には。

だいぶ前の事なので赤門やさんは金沢や岐阜にある銘菓だったかな~と思っていたら南信州飯田市にある店だった。昨日、ネットで調べたら今も健在で嬉しくなってしまった。以前、私が書いたGardenaにある和菓子屋さんは残念ながら無くなってしまった。和菓子の良さを知り継承してくれる人がいなかったのだ。初代のお母さんと次の娘さん2代で終わってしまった事は残念だ。
飯田市のホームページにも紹介されている菓匠 赤門や ここも、また絶対訪れたい場所だ。次回の為に赤丸をしておこう。

スパイス研究家 茶子

さくらの独り言「丸く」

『人は歳をとると丸くなる』と聞いていた、幼い頃のことだけど。「○○さんは、昔に比べたら丸くなって物分かりがよくなった」とか、「昔○○さんは、人の言う事(意見やアドバイス)には耳もかさなかったのに丸くなった」とかと周囲の人がある人の事を、または「自分も歳をとって丸くなった」と自分自身で、“丸くなった”と評価・表現する。頑なで固い心や頭が、人生体験を経て削られ、年齢と共に柔らかくなっていくことを意味する。日本語独特の表現、面白いと思う。そして知らぬ間に私も、「丸くなったなぁ」と自分で自分に言ったりするようになった、面白いものだ。

最近日本では、この丸くなったという表現に“メロウなひとになった”とか“easyになった”という言葉も使うらしい。英語でいうところの、mellowed with age(歳と共に柔らかくなった)、grown mellow(温和へ成長した)や、easy going(拘らない)からきているのだろう。尖っていたものが削られて丸くなる日本語では、大きな形が小さくなるように感じられる、山上の大岩が川下で飛ばす石のようである。一方英語表現では、熟して柔ら(和ら)かくなり、むしろ大きく成長するように感じる。食べごろを過ぎた甘い果実、柔らかい冬柿のようである。固いものが丸くなる、固いものが柔らかくなる、どちらも同じ。

ところで、仙腸骨・仙腸関節の炎症を克服するため、リハビリテーションに通い、毎日の自己トレーニングに励む今、沢山の気づきがあり、面白く過ごしている。例えばリハビリ担当者に「身を前に倒してみてください」と言われる度、自分では身体を前へ傾けているつもりでも「さくらさん、それは頭だけ、首だけを曲げていますね・・・ではなくて、腰(背骨)を軸に背中を前へ倒してください、腰から上も前へ傾けるのです、頭だけを垂らさないで」と言われる。その時々に、首から先、頭だけを下げている自分の動作に気が付かされる。「だって骨盤と尾骶骨が痛いのだから曲げられないのよ」と言いたいのをグッと我慢して、腰や背骨を軸として前へ傾け、その先に頭(こうべ)を垂れるように意識する身体の動作を練習する。まるで“お辞儀”。そう、上品で美しいお辞儀の練習そのものだ。はたと、日本風“お辞儀”の軸を忘れていた自分に気が付く。そういえば、お辞儀の美しい人たち(方々)は、頭だけをさげるのではなく、尾骶を礎に、腰から背筋と首、そして頭、一枚板として前傾している。お辞儀の美しい人は、いや、正しいお辞儀を実践できる人は、健康な筋肉と骨を持ち、年齢を重ねてもその形成を保っている、その保つ努力を怠っていない、まさに人間として成熟している人なのだと、改めて尊敬する。私の憧れだ。

さて、これから骨や肉が丸くなる年齢。痛みや疾患等とも上手く共存できる方法を探求しながら、心は熟して丸くなりたいものだわ、と願う。古代ローマの詩人・ユウェナリスは言った、『健全な精神は、健全な肉体に宿る』・・・っと呟く、さくらの独り言。

ジャズライフ ”Unscripted” Cindy Bradley


今日ご紹介するCindy Bradleyはニューヨーク生まれのスムースジャズのトランぺッターです。軽快ですっきりしたトランペットの音は気持ちがいいです。ボーカルの入ったトラックはありません。
次のトラックはどんな展開でくるのだろうかと楽しみに聴けるアルバムです。

“Unscripted” Cindy Bradley

1.Prelude
2.Massive Transit
3.Interlude
4.Footprints
5.You Don’t Know What Love Is
6.Lifted
7.New Day, A
8.Interlude
9.Deja Blue
10.Pink Slip
11.Inevitable
12.Interlude
13.One Moment More

編集後記「雑貨屋を創刊した日から25年たちました」

1996年の5月12日に雑貨屋を創刊してから25年が経ちました。今年は25周年なので私なりに何か記念になることをしたいと以前から思っていましたが、ある方のホームページの立ち上げ支援をさせていただくことになったとき雑貨屋のホームページをリニューアルすることを決意しました。
WordPressというソフトウェアは当初むつかしいのではないかと思いこんでいてためらっていましたが、使ってみると意外に使いやすく簡単にできました。(良くできたソフトウェアだということだと思います。)むしろ以前使っていたソフトウェアの方が扱いにくいと思ってきました。Wordpressのおかげで編集から投稿までスムースにできるようになりました。下書き機能があり、アイデアを思いついたときにメモしておくことができ雑貨屋ウィークリー以外にお役立ち情報(役立つかどうかわかりませんが)なども投稿できるようになり喜んでいます。
お役立ち情報で読者のみなさんからこんなものがあればほしいと思うものがあればご連絡ください。
アドレスがわからない場合はコメント欄からメッセージを送ってください。
必ずご返事させていただきます。
週末になると執筆者(河合さん、龍翁さん、茶子さん、さくらさん)からの原稿が届きます。いつもありがとうございます。そして私が編集して雑貨屋ウィークリーを発行するという流れはこれまでと何も変わっていません。
「雑貨屋ホームページ」に1999年11月、私たちが帰国するときに、雑貨屋の読者の皆さんに盛大な送別会を開催していただいた時の記念写真を掲載しました。
そして「雑貨屋の変遷」に1300号達成と25周年のことを追記しました。《R.O.》

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