雑貨屋ウィークリー1443号

雑貨屋のひとり言

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。昨年末、ダイハツ工業が新車の安全性を確認する試験で不正を行っていたことがわかり暗く重い空気になっていたところに、元旦の能登半島の大震災で大きなショックを受けています。16時過ぎ、能登半島の地震速報の後、しばらくして私の住む建物も大きく揺れだしました。結構長い時間続いたのでちょっと不安を感じました。M7.6(石川県震度7)は、阪神淡路大震災と同じレベルですから相当大きな地震だったと思います。二日目以降の報道で地震、津波、土砂崩れ、火災による被害の大きさが日を追うごとに分かってきて、その惨状に心を痛めています。地震をはじめ自然災害を自分たちが被災したらいったいどうするだろうと考えますが、残念ながらなかなか想像できません。被災された方々は想像を絶する過酷な環境だと思います。被災された方々に心からお見舞い申し上げると共に、一刻も早い支援で心が少しでも落ち着くことができるよう祈っています。《R.O.》

川柳(東京・成近)

( 川 柳  )

へ―俺が卆寿か小僧っ子のままで

クラス会名簿に斜線また斜線

妻逝って人生これからはおまけ

柿の苗植えて卆寿を祝われる

ギネスまであと何年と指を折る

(ニュースひとりよがり)

「漢字変換」

“しんねん”と入れたら”震年”と出た ー 令和6年

「全員脱出の奇蹟」

みな救命 -379名

「政治刷新本部」

新しい派閥かな ー 国民

河合成近

龍翁余話(815)「仏の里・六郷満山」

誰が作ったか “一笑県名(一生懸命)”と言う呼び名の言葉遊びがある。これはダジャレで県名を覚えさせようとするもので、例えば「山があっても山梨(山無し)県」「綺麗な花が埼玉(咲いた)県」「暗くて何も三重(見えん)県」「いい服着ている福井(服いい)県」・・・そんな中、翁の出身県「滑って転んで大分(おお痛い)県」と言うのがある。地図を見ると、なるほど「滑って転んでいる」形に見える。その首から頭の部分が(このたび訪ねた)「国東半島」(くにさきはんとう)だ。国東半島は大分県北東部に位置し南側を別府湾、東側を伊予湾・瀬戸内海、北側を周防灘に囲まれている。半島内の自治体には豊後高田市・国東市・杵築市・速見郡などがある。

国東半島は古来、山岳信仰の霊地・修行の場であったが、奈良時代(710年~794年)から平安時代(794年~1185年)にかけて、この地に仏教(天台宗)が立ち上がり、神仏習合の宇佐八幡(大分県宇佐市にある、全国44,000社ある“八幡宮”の総本山)の“八幡信仰(神道)”を採り入れた『六郷満山』(ろくごうまんざん)と呼ばれる仏教文化が形成された。「六郷」とは来縄(くなわ=豊後高田市)・田染(たしぶ=豊後高田市)・伊美(いみ=国東市国見町)・国東(くにさき=国東市国東町)・安岐(あき=国東市安岐町)・武蔵(むさし=国東市武蔵町)の6つの郷(村里)を言い、「満山」とは「六郷」の中、つまり国東半島内に開かれた寺院群の総称である。豊後高田市観光課の話によると「六郷」内に開かれた寺院の数は、最盛期(多分、1160年代、平治~永暦の時代ではないかと推測)65の寺院があったそうだが、現存している寺院の総数は31、だそうだ。

さて――翁、車を「富貴寺」(ふきじ)専用の駐車場に停めて石段を登り「仁王門」をくぐる。その辺りから、えも言われぬ“清祓”(きよはらえ=汚れた身を洗い清める)の空気が翁の身辺に漂い始める。拝観料(500円)を払って(目指す)国宝富貴寺大堂(おおどう)へ。ここは他の多くの寺と同様、奈良時代の前期、712年(養老2年)の創建、現存する九州最古の木造建築物。宇治平等院鳳凰堂(京都府)・平泉中尊寺金色堂(岩手県)と並ぶ日本三阿弥陀堂の1つで、1952年(昭和27年に)国宝に指定されている。また、2013年(平成25年)には「富貴寺」境内すべてが史跡に指定された。所在地は「六郷」の1つ田染(たしぶ=豊後高田市)、本尊は阿弥陀如来、開基(かいき=仏寺や一宗派を創立すること、また、それを成したる僧)は“仁聞”(にんもん)と言う高僧で、ここ「富貴寺」をはじめ次に紹介する「両子寺」(ふたごじ)など国東半島の各所に28の寺院を開基した、と伝えられている。しかし仁聞の人物像については謎が多く、豊後高田市観光課でも「伝説の高僧と言うだけで、その実像は不明である」とのこと。なお(前述の通り)「富貴寺」の建物が国の重要文化財であり境内全域が国の史跡に認定されているが、その他(国指定の重要文化財としては)木造阿弥陀如来坐像や大堂の壁画、県指定文化財としては阿弥陀如来像の両脇侍、地蔵菩薩(石造)などがある。

「富貴寺」から車で約20分(13.6km)の「両子寺」へ向かう。所在地は「六郷」の1つ安岐(国東市安岐町)。創建718年(養老2年)も開基(仁聞)も本尊(阿弥陀如来)も「富貴寺」と同じ。拝観料300円。山門に至る石段の両脇には、江戸時代後期の作と言われる国東半島では最大級(像高230cm)の金剛力士(仁王)像が建っており、森林は“森林浴の森100選“にも選ばれた。ここは紅葉の名所・子授けの寺としても有名。残念ながら護摩堂も大講堂も、堂内は撮影禁止、覗いて見ると護摩堂の本尊は「大聖大日不動明王」。「護摩堂」の左側の「五重塔」のすぐうしろ「奥の院本殿」の登り口に「大講堂」がある。ここには「阿弥陀三尊像」が祀られている。鎌倉時代の作だそうだ。県の指定文化財でもある。(翁、老体のため足腰に疲れが出て「奥の院本殿」の参拝は中止した)。

ところで翁、歳を重ねるごとに“信心”の深まりが出てきたことは自覚しているが、特定の宗教・宗派を持たず、子どもの頃から神も仏も、ともに崇敬して来たので“神仏習合”(土着の神道と普遍的仏教が融合した1つの信仰体系=宇佐神宮が“神仏習合”の祖)の『六郷満山』は翁にとって実に魅力的な『仏の里』である。しかしながら翁の寺院巡りは、ただただ歴史や環境(厳かさ)に魅かれての参詣であるから、深みのあるレポートが出来ないことを申し訳なく思う。そこで、せめて「富貴寺」「両子寺」の本尊「阿弥陀如来」とは、くらいは知っておきたいと“にわか学習”をした。「阿弥陀如来」とは(簡単に言うと)「煩悩や汚れを持つ人間を、いずれは“清浄な国土=浄土”(仏の住む世界、特に阿弥陀仏の住む極楽浄土)へ導いてくれる仏様」と解釈した。「いずれは我が身も極楽浄土へ」を願っての合掌で翁の新年は始まった・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

茶子のスパイス研究「違和感」

今年も揺れ動く年になりそうだと思っていたら元旦から能登半島の地震、翌日はそこに救援物資を運ぶ為に待機していた海保の小型飛行機とJAL機の衝突事故。どちらも亡くなられた方々、今も被災地で耐え忍んでおられる方の事を思うと他人事とは思えなく辛くなる。そして懸命に、この被災地で必死の救援活動を行っている方々にも頭が下がる。

今回の能登半島で起きた地震を最初に知ったのはユタの友人とスカイプをしている最中だった。ユタの友人の親族がいる広島からの連絡で私もその事を知ったのだ。それから米国の友人からも能登半島の地震に関して心配してくださるメールを頂いた。

以前、東日本大震災の時、石原都知事が東京からハイパーレスキュー隊を福島に送られたのを思い出した。その隊員たちが東京に戻られた時、隊員達の前で石原都知事は深々頭を下げ胸が一杯になったのか目を潤ませ感謝の気持ちを伝えていた。今回、私が聞いた時点でハイパーレスキュー隊は上からの命令が無いと動けないので待機中だった。国の初動ミスが後から被害を大きくする。特に私が違和感を感じたのは羽田空港で起きた事故後の報道の仕方。事故原因がまだわからない状態のうちに国交省と海保が会見した様子。その後の岸田総理と国土交通省大臣の会見の態度。その表情を何度、観察しても私には、まるで他人事のようにしか見えなかった。それを見た人達のコメントにも目を通して見ると私だけが感じた事では無かったようなコメントが多かった。亡くなられた海保の機長さんの名前まで出して責任を転換するかのような報道の仕方にも違和感を感じた。

その後、間もなく世界中から18分の奇跡と称賛され羽田空港で起きたLAL機炎上の中、全員を救出出来た事が賞賛されていた。私も米国の報道ニュースを見てみた。最後の一人まで確認作業にあたられた機長さんも日本人として私は誇りに思う。

そして、また昔の石原都知事の会見を思い出した。この世界で最も過密状態の羽田空港でこれだけ離発着出来る事は素晴らしい事だけれど、いつまで横田基地を米軍だけに使わせているのだ、こんなに空が混雑しているのに米軍基地の上を飛べないのはおかしいとおっしゃっておられた。長らくこの問題も日本政府は解決する意思が無さそうだ。普段でも混雑している羽田空港なのに更に新年のこの時期、国内からも海外からの人の移動も多いこの時期に何故、誰が救援物資を羽田空港から送らせる決定をしたのだろう、、、、

ちょうどIT、ビジネスアナリストの深田萌絵さんも米国訪問中だったので、羽田の、事故原因に関してどのように米国で報道されているかを米国人の人にも何回も確認してもらった後に動画で話されていた。 まず滑走路の手前に付いている誤認防止のストップライトが壊れていた事、それを認識していたのにも関わらず修理していなかった事。海保機に最新のGPS機能のようなトランスポンダーが搭載されていなかった事。ヒューマンエラーを防ぐためにあらゆる防止機能がされていたはずなのに国際条約に照らし合わせて運行していなかったのだろうか、、、、
それにレーダーを見ているはずの人が誰も40秒間、レーダーを見ていなかった事。どうも日本の報道と世界の報道は違うようだ。どちらにしても海保も羽田空港を管轄する所も国土交通省なのだから隠蔽する事なく正しい情報を出して欲しい。海外から最初に指摘されて認めるという事は恥ずかしい事だ。

スパイス研究家 茶子

ジャズライフ Olepash “Jazz Do It”

地球上には数え切れないほどのジャズアルバム、曲があり、正確な数は分からないようです。毎日1枚聴くとして年360枚、20年だと7200枚聴けます。それでもきっと素晴らしい曲、音に出会えると思います。Olepashの”Jazz Do It”は力強いピアノですが気品があります。今年もジャズをたくさん聴いていきたいと思います。《R.O.》

1-Funky Terry 3:20
2-In My Opinion  4:25
3-Stages 4:14
4-Country Man 4:22
5-Boss’ Bossa 3:59
6-Airy 4:25
7-My Pleasure 3:21
8-New Mystery 3:05
9-Song for Nick 3:39
10-Funny Story 3:54
11-On My Street 3:21

編集後記

今年の10月で結婚50周年になります。35年前にトロントで出会った二組のご夫婦(結婚した年月、そして子供が同級生)と仲良くお付き合いさせていただきました。この縁で私達は5年ごとに会う約束をしています。今年がその年です。みんな元気で会うのがとても楽しみです。《R.O.》


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