雑貨屋のひとり言「マスコミの偏向報道」
兵庫県の斎藤知事がパワハラの疑いで告発され、県議会の各会派が提出した不信任決議案が全会一致で可決されました。これにより、斎藤知事は9月30日付で失職し、出直し選挙に出馬しました。
当初、私たちはマスコミの報道を鵜呑みにしていましたが、時間が経つにつれ、報道に偏りがあるのではないかと感じるようになりました。SNS上の情報を加味して判断すると、県議会や百条委員会の動きに疑問を抱くようになりました。同じように考えた兵庫県民も多く、斎藤知事に再び投票する人が増え、2位に大差をつけて再選される結果となりました。特筆すべきは、高齢の有権者もSNSを活用して情報をチェックし、自分で判断したことです。また、若い無党派層の有権者も選挙に参加し、投票率は前回より14%も上昇しました。マスコミが事実関係の確認が取れていない情報を報道し、視聴者を惑わせたことは問題です。SNSの情報を避難し、自分たちを擁護するマスコミの姿勢には失望させられます。《R.O.》
川柳(東京・成近)
( 川 柳 )
候補者の笑顔本音は伏せてある
物足りぬ顔から一人選ぶはめ
公約の羅列財源には増れず
一遇のチャンスに代表の不倫
政争に明け国債を積み上げる
(ニュースひとりよがり)
「大谷選手MVP」
ナンバー ワン — デコピン
「心残り」
日本人横綱を見たかった — 北の富士
「コメ価格昨年比1.5倍」
金シャリになりそう — 銀シャリ
河合成近
龍翁余話(861)「散る花や 急き立つ秋を 惜しむなり」
ほとんど毎週、翁がプレーしているゴルフ場のコースのあちこちに季節の草花が植えられており、1年を通してプレーヤーの目と気持ちを和ませてくれている。今年は猛暑日が続いたが、このところ急に涼しくなり、また急に寒くなって、11月初旬まではショートパンツ(短パン)に半袖シャツだったのが中旬になるとロングパンツ(長ズボン)に長袖シャツ、朝10時台くらいまでは薄いセーターも必要とするようになった。ゴルフ場の季節の移ろいを見ても、急(せ)き立つ秋の短さを実感する。各ホールの随所に咲き誇っていた秋の花サザンカ・ツバキ・サルスベリ・シクラメン・ポインセチア・キンモクセイ・ナンテンなどの花や葉が無残にも風雨に打たれ地面に散らされている情景は、何となくうら寂しさを誘う。それはあたかも【散る花や 急き立つ秋を 惜しむなり】のようである。
翁の【散る花や 急き立つ秋を 惜しむなり】の凡作ではなく、もっと“芸術(文芸)の秋”にふさわしい格調高い、比較的有名な詩歌を「小倉百人一首」(鎌倉時代の初期、公家で歌人の藤原定家が京都・小倉山で百人の歌人の和歌、1人1首を選定した和歌集)や同じ鎌倉時代初期に後鳥羽天皇(第82代天皇)の勅令で編纂された「新古今和歌集」、の中から今の時期にふさわしい数篇を選んで“短い秋の一夜”を文芸気分に浸ることにする。
【心当てに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花】(百人一首)(凡河内躬恒=おおしこうち みつね=平安時代の歌人)「無造作に折ろうとすれば果たして折れるだろうか、初霜が一面に降り、咲いている白菊の花とは見分けもつかなくなっている」。
【きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む】(百人一首)(九条良経=くじょう よしつね=鎌倉初期の歌人)「コオロギが しきりに鳴いている。霜の降るこの寒い夜に、むしろの上に衣の片袖を敷いて、私は独り寂しく寝なければならないのだろうか」(昔は“キリギリス”と言えば、“コオロギ”を指していたそうだ・・・)
【竹の葉に あられ降るなり さらさらに 独りは寝ぬべき 心地こそせね】(百人一首)(和泉式部=いずみ しきぶ=平安時代中期の歌人)「竹の葉に、雹(ひょう=ここでは、あられと表記)が、さらさらと降っている。こんな夜は、独りでは寝る気持ちになれない」――作者の和泉式部と同じく平安時代中期の歌人・紫式部は、和泉式部のことを「彼女は漢詩文の教養があり、和歌には特出した才能を持っているが、恋愛遍歴が多く、素行には感心出来ない女性だ」と評している。
余談だが、和泉式部は、現在放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』に“あかね”(泉里香・演)と言う名で登場しているが、翁、このドラマは初回を見ただけで(つまらなくて)以後全く見なくなった。(理由は幾つかあるがそれは省略して)更に余談だが2012年以降、翁がさんざんケナし、途中で見なくなった大河ドラマは『平清盛』(主演・松山ケンイチ)(ワースト第2位、視聴率11%台)、『花燃ゆ』(主演・井上真央)、(ワースト第4位、視聴率12%台)、『いだてん』(主演・中村勘九郎・阿部サダオ)(実はこれがワースト第1位、視聴率8.2%)、『どうする家康』(主演・松本 潤)(ワースト第3位、視聴率11.2%)、そして現在放送中の『光る君へ』(主演・吉高由里子、現在までの平均視聴率10,7%、これがワースト第2位になりそう)(註:視聴率はいずれも“平均視聴率”)――本題に戻る。
【ふればかく うさのみまさる 世を知らで 荒れたる庭に つもる初雪 】(新古今和歌集)(前述の紫式部=平安時代中期の歌人、『源氏物語』の作者、現在放送中の『光る君へ』の“まひろ”が紫式部)「年月が経ち、このような辛さだけが多く残った世の中を知らずに、荒れてしまった庭に積もる初雪よ」――専門家はこの歌を“秀逸”としているが、翁は、一向に“秀作”とは思えない。何故なら「辛さだけが多く残る」“心の寒さ”と「初霜」の“冷たさ”を結び付けようとする意図に無理を感じるから・・・
【おきあかす 秋のわかれの 袖の露 霜こそ結べ 冬や来ぬらむ】(新古今和歌集)(藤原俊成(ふじわら の としなり=鎌倉時代初期の歌人)「眠りにつかないで夜を明かすと、昨日の秋との別れをしめす袖の露(涙)が、朝になって霜を結んでいる。いよいよ冬が来た。
――以上は平安時代中期から鎌倉時代前期の歌人の作品だが、時代は一挙に下がって明治・大正時代に詠まれた“11月の和歌”をピックアップする。
【君と我 二人語らふ 窓の外の もみぢの梢 横日さす也】(正岡子規歌集)(正岡子規)「君と私が2人で語り合っている、窓の外の紅葉の梢から横日がさしてる」。
【小春日の 庭に竹ゆい 稲かけて 見えずなりたる 山茶花の花】(出典不明)(長塚 節=ながつか たかし=明治・大正の詩人、正岡子規の弟子)「小春日(11月の温かい晴れた日)に、庭に竹を結い、稲をかけたら、山茶花の花が見えなくなった」。
【鶏頭の 古りたる紅の 見ゆるまで わが庭のへに 月ぞ照りける】(赤光=しゃっこう=斎藤茂吉の処女歌集)(斎藤茂吉=明治・大正・昭和の、アララギ派の中心歌人、精神科医)「色あせてしまったケイトーの赤い花がよく見えるまで、私の庭に月明りが」――
ところで、翁が学生時代に和歌を志した時の師匠が斎藤茂吉の門下生・牧野芳子(1960年、86歳で死去)と言う歌人。翁が学生運動に行き詰まり悶々としている時、女史は【君に問ふ 何おもはめや 明日の日の 全き運命(まっときさだめ)誰(た)が誓ふ(ちこう)べき】の1句を翁に投げかけ励ましてくれた。後年、1985年(昭和60年)頃、斎藤茂吉のご長男・茂太(しげた)氏(1916年~2006年=精神科医・随筆家)を取材した時、大いに“茂吉・芳子師弟”を語り合った。その時の氏の言葉「大切なのは倒れないことより、すぐ起き上がることだ」が印象的。だが今は翁「倒れたら起き上がれない」超高齢者になり茂太先生の教訓を思い出しては苦笑している。“文芸に浸る秋の夜”が、いつの間にか“思い出に浸る秋の夜”になった。それもよし、か・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。
茶子のスパイス研究「フルムーンハイキング」
月に1度サウスベイのハイキングクラブでは満月に近い金曜日に歩く。数年ぶりだろうか、、、月の光に照らされて久しぶりに先週の金曜日はフルムーンハイキングに参加した。この所、LAも夜はだいぶ寒くなってきて冷え込んでいる。でも、そのぶん空気が澄んできたのか星の瞬きが綺麗に見える。
今回はサンペドロの港にある噴水がある所まで歩いて行った。時間になると音楽に合わせて噴水がライトと共に踊り出す。最初にこの場所に行ったのは初夏の頃、パーシーフェイスの夏の日の恋の音楽が噴水と共に始まって、とても感動してしまった。今回の音楽は覚えていないけれど、やけに月の光が強く見えた。
その数日後、十数年ぶりに友人に会った。友人は京都の家とコンサートやイベントに参加する為に度々LAに来ているので日本とアメリカを行ったり来たりしている。ちょうどコンサートが終わったタイミングで友人がサンペドロまで来てくれた。2時間ほどパロスバーデスの海沿いにあるカフェで、おしゃべりした。その時先週の月が綺麗で感動した事を友人が話した。ちょうど同じ月を見て同じように感動した事を知ってお互いに嬉しくなった。
時が流れて環境が変わっても、感性や価値観が変わらない友人がいる事は幸せだ。
その数日後、火曜日の定例ハイキングの前にハイキング仲間の友人達と火曜日のスペシャルメニューがあるステーキハウスに行った。そこで今夜はライブミュージックがある事を知った。壁に貼ってある案内を見たら名前から日系人の人のようだった。
ライブ前に聞いてみると彼は日系3世で祖父母は広島出身だとか、、、
ライブの2曲目はFly me to the moonだった。私の好きな曲だ。
先週の月を思い出しながら店を出てサンペドロハイキングに向かった。
スパイス研究家 茶子
逃げ場のない国 震災余話 井出半句
最終章をお届けする予定でしたが、井出さんの編集の都合で来週にお届けします。お楽しみに。
ジャズライフ Chris Geith “Capture The Moment”
先週は胃腸炎に苦しめられました。元気が出るようにスカッとした楽曲を探して聴いていました。Chris Geithのアルバム、Capture The Momentを紹介します。とても美しい楽曲ばかりで心が洗われるようです。《R.O.》
01-Flip the Script
02-Land of Sand and Sunshine
03-Samba De Bah
04-Dynamic Forces
05-The Inner Peace
06-Capture the Moment
07-Points of View
08-Emotional Resilience
09-Whims of Fate
10-Exit Strategy
11-Always Remember
編集後記「自分で作るシルバーリング」
先月、ワイフと久しぶりに神戸を訪れました。天気が良かったので、三宮の街をぶらぶらと散策していると、ちょっと変わったお店を見つけました。一見ジュエリーショップのようでしたが、店内に入ると様子が違い、たくさんの作業机が並んでいて、まるで教室のようでした。実はここ、自分で指輪を作れるお店だったのです。
デザインと材料を決めた後、工程ごとに指導を受けながら約1時間で指輪を完成させることができるとのことで、早速トライしてみることにしました。私は幅5mmのシルバーリングを作ることにしました。細長い銀の板を曲げて輪を作り、溶接し、カナヅチで叩いて指のサイズに合わせるという地味な作業ですが、結構力が要ります。きれいな円形になったら、表面を叩いて模様をつけ、艶消しなどの加工をして仕上げていきます。最後に内側に刻印をしてもらい、完成です。はじめ本当にうまく作れるのだろうかと思っていましたが、スタッフのヘルプと指導で満足できるものができました。自分で作ったので愛着が湧きます。
私たちが入店した時は空いていたのですが、夕食後にそのお店の前を通ったら、指輪を作っている人でいっぱいになっていました。どうやら、自分でリングを作るのが人気のようです。《R.O.》
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