アンチョビ缶とオリーブオイル
アンチョビと聞くと、とにかく“しょっぱかった”というイメージしかない。以前ピザの上に少しだけアンチョビがのっているものを食べた時にも、これさえ無ければもっと美味しいのにと思った。その後、友人の家でアンチョビが載ったクラッカーをいただいた事があったが、やはり塩味が強いのと少し生臭い匂いがあった印象しか残らなかった。だから自分からアンチョビを買ってまで食べたいとは全く思わなかった。それ以来アンチョビとは、ご縁が無いままだった。ところがヨーロッパのフードショーに行った友人からイタリア人に進められて食べたアンチョビが美味しかったのでちょっと食べてみてくれないかとサンプルを頂いた。その時、カリフォルニアのオリーブオイルの味も試してほしいとそのサンプルも頂いた。 オリーブオイルは一頃と比べるとだいぶ日常に馴染んで殆どの日本の家庭でも使うようになってきていると思う。でも、まだまだアンチョビの方はレストランでは出てくる事があっても一般の家庭料理には登場するケースは多くない。
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アンチョビ |
アンチョビ缶詰パッケージ |
アンチョビとキャビア |
改めてアンチョビとはなんぞやと調べてみたらカタクチイワシ科の小さい海水魚と出ていた。アンチョビの缶詰めは、その魚の内臓をとって3枚におろし塩漬けにしたものだそうで、それを時間をかけて発酵させてオリーブオイルなどに付けたものが保存食にもなるアンチョビ缶なのだそうだ。パッケージも今までのアンチョビのものと違ってなかなかおしゃれな感じだ。缶を開けてみると上品に8枚アンチョビがオリーブオイルの中に漬かっていた。ウロコが嫌いな私にとっては食べやすそうだと思った。しょっぱいのだろうなと覚悟して端の方切ってそれだけ味わってみる事にした。口に入れると塩味はもちろんあるのだがそれほど強い感じではない。その塩味の奥からアンチョビの発酵した風味と旨みを感じた。今まで食べたアンチョビの中では1番美味しいと思った。それからアンチョビを包丁で細かくたたいて、アンチョビが漬かっていたオリーブオイルに少し生醤油を入れレモンを絞ってドレッシングを作ってみた。その中に手でちぎったキャベツを入れて包丁でたたいたアンチョビを入れて食べてみたら絶妙に美味しくて昼間なのにワインとフランスパンが欲しくなった。
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カリフォルニアオリーブオイル |
オリーブオイル+ブレンドスパイス |
そして次に友人のお勧めのオリーブオイルをそのまま一匙口に含んでみた。ふんわりとした柔らかい空気のような軽さ、そしてほのかにシトラスの香りがした。思わずレモンでも入っているのかと思わせるような実に爽やかなオリーブオイルだった。オリーブオイルと言ってもそれなりの店に行くと様々なブランドのものが出回っておりイタリアやギリシャのもの、そしてこの同じカリフォルニアのオリーブオイルもたくさんの種類がある。其々の土地や時期によっても全く違う味わいがある。
試に小さなガラスの容器にオリーブオイルとブレンドスパイスを入れて少し馴染ませてからチャバタというパンを薄く切ってバターの代わりに付けて食べてみた。これもなかなか美味しかった。
前回、東京でオリーブオイルの量り売りの店があって何種類ものオリーブオイルが置いてあったのを思い出した。オリーブオイルも極めればワインのように、どこ産のものがどのような味だとかわかるようになるのかもしれない。そして、どこのオリーブオイルは何の料理に合うと…やっぱり美味しいものに出会うと脳みそが反応する。そして幸せな気持ちになる。Uさん、美味しいものを紹介してくれてありがとう。
茶子 スパイス研究家 |