龍翁余話(353)「ホオマルヒア植物園」(拡大版)
翁が、ハワイ・オアフ島に旅行(滞在)している間にタイミングよくホノルルへ(団体旅行でなく個人旅行で)訪れる友人がいれば(決まって)翁が“にわかガイド”を務める。日本からホノルル国際空港への便は朝の到着が多く、ホテルのチェックインは、たいていが午後だから、その間(ご本人たちの希望に関係なく)翁自慢の“観光案内”を強制する。その観光(ドライブ)コースというのは、まず空港へ迎えに行き、ハイウエイ(H1)を経由して裏オアフへ抜けるパリ・ハイウエイに入る。裏オアフへ抜ける道路は、もう1つ西側にリケリケ・ハイウエイがあるが『ヌアヌ・パリ』へ行くのはパリ・ハイウエイが早い。しかも、翁は旧道(ジャングル道)を通るから、たいていの人は「わあ、ハワイだ!」とはしゃいでくれる。それで翁のハンドルさばきが、いっそう軽やかになる。
『ヌアヌ・パリ』からダウンタウンに下って『州議会議事堂』、『イオラニ宮殿』、『カメハメハ大王像』(旧裁判所ビルの前)、更に下ってホノルル港に建つ『アロハタワー』、そしてハワイ最大の総合ショッピングセンター『アラモアナショッピングセンター』へ案内して、夕方、ホテルへ送る、というのがワンパターンの翁流観光ルート。それぞれの観光スポットの説明は、いずれまたの機会に、ということにして今号のテーマ『ホオマルヒア植物園』は、裏オアフのカネオヘ市内にあるので、話をもう一度『ヌアヌ・パリ』に戻さなければならない。
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オアフ島は、険しく聳えるコオラウ山脈(写真左)が島の東西を走り、島を2分している観がある。その山脈の南西(ホノルル市、ワイキキ方面)を表オアフ、落ち着いた街並みのカネオヘ市やコバルトブルーの美しいカネオヘ湾方面(写真右)を裏オアフと(翁は)区分している。延々と連なるその山脈の天辺があまりにもギザギザしているので、翁は30年も前からこの山脈を“ノコギリ山”と呼んでいる。『ヌアヌ・パリ』は、カネオヘ市を見下ろす“ノコギリ山”の頂上にある(標高900m)。1810年にハワイ王国を建国したカメハメハ1世が、ハワイ統一最後の難敵・オアフ軍との激戦の地がここ『ヌアヌ・パリ』。ヌアヌ・パリとは風の強い断崖という意味らしいが、確かに(いつ行っても)強風で髪は乱れ、帽子が飛ばされることもしばしば。気温も(平地よりかなり)低く、霧雨も珍しくない。
ところで、前述のように翁は、日本からの知人友人たちを案内して何回『ヌアヌ・パリ』にやって来たことだろうか。その度に、眼下のカネオヘ市の山側(コオラウ山脈の裾野)に見える池やこんもりした森林が気になっていた。あそこはいったい何だろうと思いつつ30数年が経過した。今年こそは、と思って調べたら何ということはない、その“気になる森林”は翁が居住するコンドミニアム・ビレッジ(カネオヘ市ルルクロード)を真っ直ぐコオラウ山脈の方へ車で5,6分行った所にある。その名を『ホオマルヒア植物園』と言う。
ホノルル市には5つの州立植物園があるが『ホオマルヒア植物園』は16平方kmの広大な敷地を有し、オアフ島の植物園の中でも一番広いそうだ。園内は、ハワイ独自の植物をはじめポリネシア、アフリカ、マレーシア、フィリピンなどのコーナーに分かれていて、かなり見応えがある。もともと植物の名前や生態系などの知識がないくせに植物園や自然公園などへよく行く翁は“植物観賞”と言うより“植物撮影”が好きなのだ。
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雨が続くとコオラウ山脈は“滝”になる |
ホオマルヒア植物園内の池 |
ビジターズセンターで貰った資料によると、ホオマルヒア植物園の歴史は浅い。コオラウ山脈の北側(カネオヘ側)には太平洋の北東部から吹き寄せる貿易風のせいで雨が多い。以前は水はけが悪いうえに大雨になるとコオラウの地中に溜った雨水が鉄砲水となって暴れ出しカネオヘ市は水害に見舞われていた。そこで市は1982年に軍の協力でコオラウの北麓にダムを造った。この植物園は、その時のダム建設と合わせて造成されたとのこと。
ところで、翁は数年前にハワイの親友から貰った“ククイの木の実で作ったレイ”を持っている。レイ(lei)とはご承知のように頭・首・肩などにかける装飾品で、主にハワイで用いられる。観光用
に使われるレイの材料はシダ、海草、貝殻、果実、サメの歯などが多く、ククイの木の実のレイはとても珍しいそうだ。かつては椰子の木が“ハワイの木”だったが1959年、ハワイがアメリカ合衆国の第50番目の州となった年にククイの木が“ハワイの木”に認定された。
ククイの利用範囲は広く、レイのほかにハワイでは炒った種子に塩を加えて“イマモナ”という調味料を作ったり、油はニス、シャンプー、接着剤などの製品の原料となる。現在は儀礼用、特別パーティ用に限られているが、古くは灯火としても使われ、英語名“キャンドルナッツ”の元となったと言われている。
翁が何故『ククイ』にこだわるかと言うと、実は翁、ククイで作られたレイを持って自慢しているだけでなく、ククイの実から低温圧搾で搾油されたオイルにお世話になっているのだ。翁は若い頃からヒドイ乾燥肌で、特に秋・冬・春の3シーズンには風呂上り、必ず全身に(かゆみ止めの)乳液を塗るのが常。その乳液類の1つに“ククイナッツオイル”がある。別に宣伝する意図はさらさらないが、翁の乾燥肌には、このオイルが優しく効いてくれる。更に、ゴルフをしたあと日焼けのダメージケアにも利用している。
今号のテーマは、格別にタイミング性も話題性も無く、ただ、翁の独りよがりのオアフ島の“植物園紀行”になってしまったが、この話を(『余話』にたびたびご登場いただく)スケッチの会の主宰者で旧友のA・Mさん(元・某美術大学教授)にしたら「いつか、オアフ島へスケッチ旅行(ホノルル植物園巡り)をしよう」ということになった。勿論、翁は大歓迎。その節は(冒頭に述べた)“翁自慢の観光案内”をさせていただく約束をした。しかし「それは“遠い先の、いつか”では困ります。私の運転が衰えないうちに」と言ったら「龍翁さんの問題より、私たちメンバーの衰えが心配、この2,3年のうちに実現しましょう」と言ってくれた。ハワイ(オアフ島)旅行にまた1つ、楽しみが増えた・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。 |