わんこ
前々回ぐらいにニャンコの事を書いたので今回はわんこの事を書こうと思う。その前に人間に買われているペットたちの名前を行った先々で覚えるのは案外大変な事だ。人の名前でさえ覚えるのが大変なのにいきなりパーティーなどで家族の人を紹介されペットたちの名前まで覚えるのは至難の業だ。(私にとって)日本の場合、犬はチビとか黒とか白とか猫であればタマとかミーちゃんとか何となくそれっぽい名前が多かったと思うのだが、こちらのペットは人間と変わらない、りっぱな名前を付けていたりするので英語の人の名前が覚えにくい私にとってはペットの名前まで覚える努力はなかなか出来ない。
ある時、お呼ばれした先で大きな犬を飼っている家に行った。立ち上がったら私の背丈ぐらいある犬で家の中を我が物顔で歩き回っていた。もちろん家族の1員という気持ちが両方にあるのだと思う。食事の時間になって犬にもビスケットをあげようとしていた
。
家族の人が “貴方もビスケットをあげてみる?”と言ったので頷いてビスケットを片手に庭先で遊んでいる犬に向かって思いっきり大声で呼んでみた。名前は何だったかもう忘れてしまったのだが大声で叫んだのはそこの旦那様の名前だった。確か犬の方が立派な名前だったように記憶している。だから最近は、よほど何度も行かないであろうお宅のペットの名前などは、もう最初から覚える気が無いのでどこに行っても犬はワンちゃん、猫はニャンコと勝手に呼んでいる。
ところで最近、訪れた家にも大きな犬が2匹いて最近は何度も行くようになったので向こうも私に慣れてきてどこにでも付いてくるようになった。大きい方の雄がバリー君、正確はおっとりとしているけれど食いしん坊。2周り小さい方がミカちゃんで雌。彼女はボッシー(親分気取り)で大きいバリー君が人に甘えていると横から入っ
てくる嫉妬心の強いワンちゃんだ。
ある日、そこの家の人に頼まれてレッドスナッパーの魚を丸々唐揚げしてスパイスソルトをかけた簡単な料理を作ってみた。その後、私は次のお宅のキッチンに向かった。その翌日彼女からメールが来た。メールには、申し訳ないが、もう一度その魚料理を作ってくれないかと…理由はちょっと目を離したすきに大きい方の犬が(バリー君)丸々全部食べてしまったのだと書いてあった。頭に来たけれど骨が喉にささったりしたら大変だと一晩中心配で、その犬を見守っていたそうだ。私がキッチンに行くといつも2匹とも一緒に付いてきて私の様子を興味深くじっと見ている。料理中に何か食べ物が落ちようものなら素早く食べられてしまう。その素早さと言ったらもう拾うのを諦めるしかない早業だ。しばらく私の傍で見ていても何もくれる様子が無いいとわかると雌のミカちゃんは諦めてどこかに行ってしまうのだが、この食いしん坊のバリー君はキッチンを離れない。
疲れてくるとドタッとキッチンに寝転がってグーグー寝てしまう。大きいので注意しないと踏みつけてしまいそうになる。一度寝たら呼んだくらいではなかなか起きてこない。
台所でつまみ食いをしていると、もう真剣な眼差しでじっと直視される。思わずあげたくなるけれどこれをしたら歯止めが効かなくなるので心を鬼にしてあげないようにしている。そういう眼差しに耐えられなくなって私の友人の中にはやっぱり人間の食べ物を与えてしまっている人もいる。今週はその魚を食べてしまった張本人バリー君の顔写真をアップでご紹介します。私の横に馴れ馴れしく寄り添って寝ている子がミカちゃん。その脇でいつもはミカちゃんが寝ているベットにふてくされて寝ているのがバリー君。2周りも小さいミカちゃんのベッドで背を向けて寝ているバリー君の頭は、はみ出している。自分の大きなベットがあるというのに…お友達になった私をミカちゃんに独り占めされて怒っていたのかもしれない。バリーの名前を呼んでも無視された。やっぱり動物も人間も感情は同じなのだな〜と…
茶子 スパイス研究家 |