春から夏へ
春から夏へあっという間に季節が移り過ぎていった。今回春に日本に帰国した時は桜が散る前に戻れ
たので自宅から駅に歩く道の桜並木を毎日楽しむ事が出来た。アメリカにも桜の木があって春には華やかなピンク色の花が街を染める。それでも、やっぱり日本の桜の存在感はアメリカの桜と違う。花びらの色合いの繊 細さといい枝振りといい香りといい微妙に違うのだ。特に樹齢100年以上の桜ともなると、何か特別な存在感がある。そして桜が終わると待っていましたとばかりに鮮やかな赤い色のツツジが一斉に咲き始め気が付いたら紫陽花の花が咲くシーズンになっていて日本は雨季に突入していた。雨季の前にLAに戻るつもりが諸々の用事が出来てしまいもう、ひと月延長する事になった。雨季のジメジメしたこの季節に涼しげなブルーの紫陽花は見ているだけで爽やか気分になる。2階の窓からご近所の満開の紫陽花を見ていたらその脇からいつの間にか初夏の朝顔が咲き始めているのを見つけた。元気良くツルが電柱に巻き付いて空に向かってグングン元気よく伸びていた。そんな様子を見て子供の頃に夏休みの宿題として朝顔の観察をした事をふと思い出した。季節ごとに咲く花と一緒にたくさんの思い出があるものだ。それに植物は人間以上に敏感に季節を感じ反応して私たちに季節の変わり目を教えてくれる。春になると新芽が出て花が咲
き、実を付け葉を落として来年の為に枯れていく周期を黙々と宇宙のリズムに合わせて繰り返している。小さな一粒の種の中に祖先から受け継がれたDNAがちゃんと記録されているのも不思議だ。次回は秋から冬にかけて日本に戻る予定だ。その頃にはコスモスが咲いているだろうか…秋の草花を見に今度は里山でも訪れてみたい。
茶子 スパイス研究家 |