3月11日
人は身内でも友人でも恋人でも大好きな人がたくさんいればいるだけ、そのぶん別れる時の悲しみも比例して辛い思いを何回もしなければならないのだなーとそんな事を思った。
先週の土曜日は穏やかな春らしいお天気だった。そしてその日、友人の旦那様のお葬式に参加した。先週スパイスエッセイにも登場した朝摘みローズマリーを添えカードに気持ちをしたためてチャペルの受付のカゴにそっと入れた。
この3月の時期は人生の節目でもある。この数年私の自分史の中の大きな出来事があったのもこの3月。まだ記憶に新しい昨年2011年3月は誰にとっても忘れられない未曾有の地震と津波と放射能が日本を襲った。
3月11日その日、日本にいる弟はお客様を仙台空港へ送り、その後車で釜石に立ち寄り仕事のミーティングに参加していた。弟はもう一泊すると仕事の段取りがつくのでどうしようかと考えていたがその日は金曜日で週末にかかるため、やはり次回また出直そうと車を東京に向けて走り出して間もなく20分後に地震は起きた。すぐに携帯電話は通じなくなりラジオをつけると、この地震のために間もなく高速道路は閉鎖されるとアナウンスがあった。そして次に津波が来るので非難するようにと聞き山へ山へと車で逃げた。弟は仕事で日本全国をくまなく回っていたので道を良く知っていたのも幸いした。どんどん山奥に入っていくうちに暗くなって車のガスが無くなってきた。ちょうどその時に小さな村にあるガスステーションを見つけた。停電だった為、店の人にお願いして手動でガスを補充してもらい家にたどり着いたのは夜中の2時半だったという。
その後一週間、弟は全国にある営業所やお客様の安否確認と状況把握に追われヘトヘトになっていたという。
そして私の3月11日その日はオレンジカウンティにあるアナハイムコンベンションセンターで年に1度 催されるナチュラルプロダクト エキスポ ウェストという大きなイベントを見学しに行っていた。その日はホテルでイベント前の朝食が振舞われていた。色とりどりのベーグルやパンやシリアル、ミルク、豆乳、ヨーグルト、ジュースなど今回出展している多くの食品会社から提供されたヘルシーな朝食がずらりと並んでいた。食べながら大きなスクリーンに映し出されたニュースに目をやると津波の様子が映し出されていた。その津波は数年前に起きたインドネシアの恐ろしい津波を思い起こさせた。今度はどこのアジアだろうと思っていたら日本語の看板が流されていくのが見えて思わず目を疑った。あの黒い悪魔のような津波が家も畑も車もどんどん飲み込んでいく様を呆然と見ていたら近くにいるアメリカ人が ″家族は大丈夫か?″″友達は大丈夫か?″と声をかけてくれた。現実とあのスクリーンに映し出されている映像が一緒なのか全く信じられなかった。その後会場でも私が日本人だとわかると ″家族は大丈夫か?″と気使う言葉を度々かけられた。
その後3-4日は今までに体験した事のない緊迫感とハラハラした気持ちで居ても立ってもいられないほど不安な気持ちが続いた。
LAでも24時間特別報道番組で福島や日本の状況を刻々と伝えていた。特に米国や世界の状況報告と日本の報道の違いがなおさら私を心配にさせた。一時は東京に1人で住む母をこちらに非難させようかと考えたりもしていた。
水はすぐに売り切れになり近くのマーケットの米の子袋も売り切れになっていた。買いだめをしない母は小さな子袋の米を探し歩いて近所の米屋に行ったら普段より高い値がつけられていて10キロでないと売らないと言われたそうだ。それに腹を立て母はそのまま新宿のデパートに直行したそうだ。そこでは販売店の人がうちはお米を1キロでもいくらでも計り売りしますと親切に応対していたそうだ。母の前に並んでいた杖をついたお年寄りの人は1キロの米を購入していったそうだ。
その時は毎晩、スカイプで母の安否と状態を確認しながらお互いに日本の状況やこちらアメリカで伝えられるニュースの情報交換をしていた。私が言う事を母は初め信じなかったが ″今すぐ健康被害が出る状況ではありませんので… ″と言う台詞を聞いた途端、流石の母もあれ?と疑問に思ったらしい。その後 ″風評被害 ″という言葉をマスコミが使い始めてなおさら
疑惑が出てきてしまった。最近は本当の情報も暴露されるものもインターネットで探そうと思えばいろいろ出てくる時代になったけれど、本当の事が流れるとまずい人たちもいてかく乱させる為に嘘の情報も同時に流してくる。どれが本当でどれを信じていいのかは、自分の直感や感覚を信じるしかないと思う。
その震災後、間もなくして千葉にある建設会社の専務の方から丁寧なメールが届いた。
今年の木材祭りは残念ながら、この震災の為、中止になりました ″と。実は震災前の年に祖母が住んでいた東京の極小木造ボロ屋をリフォームしてくださったのがその建設会社だった。
リフォーム後にこの会社の木材祭りにお客様として母と一緒にご招待していただいた。そこでお客様代表でスピーチしてくださいと言われ気楽に引き受けたら何と400人近いお客様がいらっしゃって驚いた。日ごろお世話になっているお客様に感謝の気持ちとして毎年一回その木材祭りが開かれているという。そのイベントに関わる木材祭りのスタッフの方々、親方と弟子の関係、職人気質の心意気そして、それを縁の下の力持ちで女将たちのテキパキ働く姿にも、またまた感動してしまったのだ。来年の5月は私も今度はスタッフとして何かお手伝いしたいという気持ちになった。そこで頼むと専務の方も快く承諾してくださった。本当なら昨年の5月にそのイベントで何かスパイス料理を作るつもりではあったが311の震災でそれは延期になった。
そして、もう一つこの311の震災後に行ったロングビーチでのヘルスエキスポ、そこでも福島の話題が飛び交っていた。あるセミナーでは放射能から身を守る為のジュースやお茶を紹介していた。免疫力アップになるというそのデトックススムージーの飲み物の中にいくつかのスパイスも使われていたので参考までにそのレセピをご紹介。
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デトックススムージー
(コップ7杯分が目安)
トマト:2コ 人参は大き目のもの:1本 ビーツ〔赤カブ〕:1/2 コ アスパ ラガス:3本
生姜:〔スライスしたものを適当に〕(分量は出来るだけ多めとしか書いていなかった)
ターメリックパウダー:テーブルスプーン1 クミンパウダー:1/2
テーブルスプーン ワカメ(海草と書いてあったので特定はしていなかった):1カップ りんご:1コ クコの実:テーブルスプーン3
ゴマ:テーブルスプーン1 クロレラ:15粒 キーウィ:2コ それらを良質のカップ2杯の水でブレンダーにかけて食事前に2-3回飲むといいらしい。
まだ試した事はないけれど全部一緒にしたらどんな味になるか想像しにくい…
私だったらトマトとアスパラガスとビーツはオリーブオイルとビネガーとスパイスでアクセントをつけた
サッパリサラダにしてキーウィとリンゴはヨーグルトであえたデザートにしてラム酒につけたクコの実を散らし、ワカメとターメリックとクミンパウダーとゴマと+ニンニクが入ったカレースープでも作ってクロレラは単体で取りたいと思った。
今年も3月11日が間もなくやってくる。そして私は3月11日今年もナチュラルプロダクト エキスポに出かける。 今年はどんなものが、どんな会社が出展しているのか楽しみだ。
茶子 スパイス研究家 |