7月末から4回に分けて当欄(Zakkaya Weekly
No.741〜744)に掲載した『構成吟、明治維新』にも書きましたが、「南カリフォルニア詩吟連盟」主催の吟詠大会が予定通り8月29日(日)に当地ベニス日系人会館で開催されました。この吟詠大会は、日系人の夏の統合行事「二世週日本祭(NISEI
WEEK
FESTIVAL)」の一環として毎年今の時期に行われているものです。今年は特に「南カリフォルニア詩吟連盟」は創立20年であると同時に、「二世週日本祭」も第70回目という節目の年を迎え、どちらも盛大で華やかでした。
吟詠大会は二百名近くの詩吟愛好家が家族や友人と一堂に集結し、日ごろ研鑚をつんだ自慢の吟詠、剣舞、祝舞、和歌吟、書道吟、茶道吟の腕を披露しました。構成吟も見事な出来栄えでした。また、この大会を祝して日本国総領事館から文化担当領事、南加日系商工会議所、県人会協議会、日系婦人会、庭園業協会の代表も来賓として参加してもらいました。さらに今年のミス日系(二世週日本祭クイーン)までが舞台上で挨拶して華を添えてくれました。
「南カリフォルニア詩吟連盟」とはロサンゼルス周辺にある7つの詩吟流派で構成されており、今やこの地の日本文化を代表する組織になっています。今年は私の所属する流派が連盟の幹事担当流派であるため、私たちは準備段階から大忙しでした。私はこの連盟の書記役と会計を担当しています。大会当日は会場受付机に陣取り、各会の参加人数の把握、参加費と弁当代の徴収などの雑役で坐っているひまもないほどで、ドクター・ストップの身で身体的に少々厳しい一日でしたが、ほぼ問題なくすべてが予定通り終了し安堵しているところです。
私たちの流派は「国峯流」と呼びますが、そもそものルーツは第二次大戦中、西海岸の日系人の多くがアメリカ国籍を持っていたにもかかわらず、アメリカから敵性外国人とみなされ、強制収容所に隔離されたとき、収容所のひとつである「ツールレイク強制収容所」内で杉田国峯氏(のちの国峯流宗家)が日系人の子供達に日本語を教えるために詩吟を教えたことに始まったのだそうです。
日本から遠く離れた当地ロサンゼルスで、詩吟がこれほどまでに息長く続いているのは、日本から離れたところで生活するからこそ、日系人・日本人が祖国の日本文化にあこがれるからではないでしょうか。
詩吟とは漢詩の読み下し文に節をつけて吟ずることをいいますが、日本古来の伝統芸術であり、その奥の深さは計り知れません。また、その効用として、腹の底から声を出して詩を吟ずる呼吸法が内臓を強くし、身体内から活力を生み、ストレスの解消にも役立ち、心身最高の健康法のひとつであること。吟ずる漢詩は主に中国、日本の歴史や文化を題材とするので、歴史、文化の勉強が出来ること。漢字の読み書きの機会が増え、漢字に慣れ親しめること、などなどです。私にとって詩吟とは、趣味であると同時に実益をも兼ねた最高の余暇利用法といえます。
健康志向・教養志向の今こそ、現代人にとって詩吟はぴったりではないかと思います。
河合将介(skawai@earthlink.net) |