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NO.725                Ryo Onishi              4/4/2010  

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雑貨屋のひとり言

良いお天気で、桜もちょうど見ごろとなり、週末は花見を楽しむ人で何処もいっぱいだったと思います。私たちも、土曜日の午後から、西宮の夙川に行きました。予想どおり、大勢の人出でした。
河口に近いところにある教会でオープンカフェがあったので、桜を眺めながらコーヒーとお菓子をいただきました。この感じは素敵でした。
 

≪R.O≫

アメリカ医療保険改革法

アメリカの連邦議会で医療保険改革法が米民主党を中心に賛成多数で可決され、オバマ大統領の署名を経て成立しました。これは歴代の民主党政権が取り組んできた問題であり、特に昨年1月に発足したオバマ大統領にとって、政治生命をかけた課題でした。この医療保険改革法はオバマ大統領が就任当初に起案した内容とは差があり、上下両院による修正がなされたものですが、これによってアメリカで初めての「国民皆保険」実現を目指した一大改革がいよいよスタートします。

今回の法案は米国上下両院とも共和党は全員が反対、民主党からも一部議員が反対にまわり、賛成・反対両派による約1年にわたる激論の末にようやく決着したものです。

この「医療保険改革法」については米国在住の私たちにも大きな関心事であり他人事ではありません。法律の詳細にわたる理解はむつかしく、私にとって自分と家族の家計にどのような影響がでるのか不確実なところもありますが、今後アメリカの医療保険制度がどのように変わるか、その具体的な変更点についてこれまで報道されている要点を以下にまとめてみました。

今回成立した法律によって、すべての米国民に対し2014年までに、原則として医療保険への加入が義務付けられることになり、加入しなかった場合には罰金が科せられます。その結果、3千200万人といわれる医療保険の未加入者に保険を提供し、国民の保険加入率を現在の83%から95%にまで引き上げます。そのため政府は今後10年間で9千400億ドル(約87兆円)の公的資金を投じ、中低所得層向けの支援拡充をはかることとなり、また、医療保険会社に対しては、既往症を理由として加入拒否したり、保険料の割増をすることが禁止され、加入者が病気になったからという理由で一方的に契約を解除することも禁止されるなど、保険会社への規制が強化されます。さらに予防接種を含む予防医療全般の費用を保険会社が全額負担することになります。

高齢者の処方薬の負担金については政府の補助金の限度額を超えた分について、一定額の払い戻しを受けることが可能になりますし、無保険の子供は26歳の誕生日を迎えるまで、親の医療保険に扶養家族として加入をし続けることが可能になります。

さらに大企業は従業員に対し、医療保険を提供するよう義務付けられ、中小企業は複数のほかの会社と共同で保険に加入することが認められ、保険料の引き下げ交渉が可能となります。

一方、この法律により、高所得者の負担が増加し、年収20万ドル以上の個人や、25万ドル以上の世帯には3.8%の増税がなされ、投資収入についても新たに加税対象となります。

すでに保険に加入している国民の保険料は現段階で下がるかについては明確にはなっていませんが、今後保険の加入者が増え、定期検診など医師にかかる人が増えれば保険利用者がへり、医療全体にかかるコストが下がって行くことが期待されるようです。

オバマ大統領はこの法律の署名の式典で、国民皆保険の導入に長年力を注ぎ、去年その志なかばに亡くなったエドワード・ケネディ元上院議員に感謝の言葉を述べ、この法案成立に対して協力をうけた人々への贈答用を含む22本のペンを使って、アメリカ史上初となる、国民皆保険の導入を含む歴史的な法律に署名しました。

確かに今回の「医療保険改革法」は低所得者などで、これまで医療保険に加入できなかった数千万人のアメリカ国民にとって、たいへんな福音であり、歴史的な出来事であったことは確かであり、これまで長年にわたって民主党政権が目指しながら達成できなかった医療保険制度の大改革に踏み出したことはオバマ大統領の執念ともいえる努力のたまものといえましょう。

ただし、今回の大変化について、当然ながら全国民が大喜びしているわけではありません。現にこの法案は議会でも共和党は全員が反対を表明し、オバマ政権与党の民主党からも大統領の必死の説得にもかかわらず反対票もでました。
また、成立直後の世論調査でも、今回の改革法は良いと答えた人は49%、悪いと答えた人は40%にとどまり、どちらも過半数に届いていません。
――― 以下、次号に続く ―――
  河合将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り 言さくら まだ つぼみ

 

川柳(東京・成近)


 


( 川 柳 )

ガセネタに浮足立った欲の皮

ライバルも石蹴っている棒グラフ

方円の水で器が越えられず

椅子取りを見てる目線は次の次

電池交換晩成を光らせる


( ニュースやぶにらみ )

「党首討論」
四月一日にやりたかった −鳩山首相

「禁固2年の求刑」
75日で終わると思ったのに −鳩山首相元秘書

「五月場所」
モンゴルとエストニヤ −両国″窓Z館

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

森田さんから

海だった山
               森田のりえ
 三時間余り、ロサンゼルスからフリーウエィ一〇一号線を北へ向かって走り、サンタ・マリアに着いた。私たちの車はサンタ・マリアから東の方角へと進路を取った。周囲は野菜畑が広がる田舎道だ。しばらくすると山道にさしかかった。ここからは砂利道である。両側に茂る藪の木々が車体の側面をこする。すれ違う車など、ない。もし、出会うとすれば山頂にあるの採石場から、掘った石を運び出す車であろう。

 この採石場から出てきた魚や鯨の化石を見たのは、去年の春である。友人の家のベランダに一抱えもする石が三つ、一つは両手を広げたほどの大きな石が転がっていた。邪魔にはならないのかと思い「どうしてこんな所に石を?」と尋ねると、友人こういった。
「よく見てください。普通の石とは違いす。化石です。魚の骨がはっきり見えるでしょう。大きい方は鯨の骨です」
そういわれれば、確かに化石だ。何処にあったのかと尋ねると、友人は、いとおしそうに石をさすりながらいった。
「サンタ・マリアの山から採ってきました。あの辺りは昔、海だった証拠ですよ」
いきなり、想像もできない太古代の地球の歴史に引きずり込まれた思いがした。次々と疑問が湧いた。疑問はしだいに「海だった山を見たい」という思いにかわり、ある日、私は友人に頼んで化石のあった山へ案内してらうことになったのである。
採石場の入り口に着いた。金網を張ったゲートに鍵がかかっていた。友人が携帯電話で事務所へ連絡したが繋がらない。山中で電波が届かないのだろうか。ゲートの外に車を止めて、歩くことにした。登山靴に履き替え、水を持った。白っぽい石ころの山路を登る。青い空に吸い込まれるようにして聳える山塊、そのどこかにある採石場。一休みしたいが、道の両側は潅木ばかりで、木陰がない。うしろを振り返ると急な坂路に驚いた。
第二のゲートが見えた。もうすぐだと友人が励ましてくれる。ゲートを過ぎるとトレーラー・ハウスがあった。声をかけたが返事がない。疲れて、大きな平な石の上に寝そべった私をおいて、友人は採石場へ行ってしまった。喬木の葉ごもりを透かして落ちてくる木漏れ陽がなんとも心地いい。鳥の囀り、梢をわたる風の音などを聴いているうちに、いつしか眠ってしまったらしい。
「誰もいませんねぇ。どうしたのでしょう」
という友人の声で目が覚めた。
ここまできたからには、現場を見ないことには帰れない。私も採石場へと向かった。山がえぐりとられ地肌が露わになっていた。
「小型トラックとブルドーザーがありますから、誰かいるはずですよ」
 私が友人に話し掛けていると、下から紺の作業服を着た男が上がってきた。
「ハーイ・ポール!」
 友人が男に声をかけた。
 祖父の代にアメリカへ移民してきたイタリア人である。アルプスの麓で七代続いた石工の末裔だそうだ。石工といえば「フリーメーソン」という言葉が頭に浮かんた。
フリーメーソンとは自由な石工という意味である。石工は古代から中世にかけて神殿や城などの建築に携わっていた建築家のことで、彼らは社会的地位が高く、完全な徒弟制度で技術保持のため外部に対し排他的であった。そのため、いつしか秘密結社的になり、一七一七年、イギリスにおいて近代のフリーメーソンとして生まれ変わったと古い雑誌に載っていた。なんともミステリアスな話である。
話が逸れた。元に戻す。
ポールの祖父はこの山中に特別な石があることを見つけ二千エーカーを鉱区として登録し採掘していた。ポールの父親の代になって私有地にするべく政府に願い出た。政府側のエキスパートとして担当したのが友人である。友人宅で見た化石は、その時、山の地質調査をしている際に出てきたものだという。現在、サンタ・バーバラ博物館に陳列されている鯨や魚などの化石は、この山のものである。
政府内裁判の結果、二百エーカーを私有地として許された。因みに、一八七五年に制定された鉱山法に基づき一エーカーにつき二ドル五十セント。私有地になると採石跡は自然環境保護や美観のために植林をして元通りにするなど煩雑なことが多く、心労のあまりポールの父親は亡くなったそうだ。山から採掘された石は「サンタ・マリア・ストーン」と呼ばれ、高級石材として豪邸などに使われている。ヨーロッパ伝統の石工技術がアメリカの山中で息づいている事が興味深い。
悠久の昔、海だった山に、である。
               おわり               

龍翁余話

龍翁余話(124)「自転車の事故防止」

4月6日(火)から15日(木)までの10日間、「春の全国交通安全運動」が実施される。
重点目標は(例年、同じような目標だが)『子どもと高齢者の交通事故防止』をスローガンに@全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底、A自転車の安全利用の推進、B飲酒運転の根絶の3点。警察庁や内閣府・中央交通安全対策会議交通対策本部の発表によると、昨年(平成21年)の交通事故による死者数は4,914人で、昭和27年以来、実に57年ぶりに5,000人を下回ったという。確かに、ここ数年来、交通事故による死亡者数は、道路の改善や交通情報システムの整備、自動車自体の安全性の向上、救急医療の進歩、平成18年から取り組んできた飲酒運転取り締まり強化、そしてドライバーの安全運転意識の高揚などによって減少傾向にあることは喜ばしいことだ。しかし、警察が発表する交通事故死亡者数は、事故発生から24時間以内の死亡をカウントし、それ以後の死亡者は“負傷者”として記録されるので、交通事故原因の実際の死亡者数は5,000人を下回ったとは言い切れず、また、年間約90万人もの交通負傷者がいるという現実を見据える必要がある。

重点目標3点のうち、翁が特に声を大にして訴えたいのは“自転車の事故防止”である。狭い通路や歩道を“そこのけ、そこのけ”とばかり突っ走る自転車は、歩行者、特に子どもや高齢者にとっては恐怖であり、それは時として“走る凶器”になる。先日、翁が住むマンションの近くの商店街で目にした“自転車事故ドキュメント”。その商店街は、殆ど毎日午後4時を過ぎると買い物客でごったがえし、自動車進入禁止の時間帯となる。その代わり自転車がやたら増える。ある日の夕方、翁がスーパーで買い物を済ませ、道路に出た途端、左右両方から走って来た自転車同士、お互いを避けようとしてハンドルを切り損ね、左から来た高校生らしき男の子の自転車が、両手に買い物袋をぶら下げた60歳代の女性に接触、女性はよろけて膝を打ち、起き上がれない。買い物袋からは(スーパーで買ったばかりと思われる)品物が路上に散乱した。男の子は逃げようとしたが、周囲の通行人(多分、地元住民)男女数人に取り押さえられ警察を待たねばならないハメになった。一方、右から来た40歳代の主婦が運転する自転車は、たった今、翁が出たばかりのスーパーの入り口に盛っている野菜、果物の陳列棚に突っ込み、相当数のミカンやリンゴ、カボチャやサツマイモなどを道路に転がした。表(入り口)付近にいた30歳代の男子店員が自転車の主婦に「大丈夫ですか?ケガはないですか?」と気遣ったのは立派。しかし路上に転がった商品の弁償は免れない。

自転車は無免許で子どもからお年寄りまで気軽に乗れる便利でエコな乗り物として普及率は急速に高まった。他の交通機関との関連、地形条件などで都道府県別の普及率はまちまちだが、東京・大阪・京都などの都会地および隣接県での普及率は著しい。しかし、自転車とて車輌であることに間違いないし、自転車事故(自損、対人、対物)も確実に増加している。(平成21年の)警察庁の統計による自転車が関係した交通事故は、全国での発生件数156,373件、死者695人、負傷者156,276人。このような実態であるのに、自転車の保険の加入については自動車保険のような強制もないし(利用者の)保険加入意識も薄い。しかし、いざ、事故を起こして(加害者として)多額の賠償金が請求されるケースも出てきている。その事例(判例)を紹介すると、@道路右側を自転車で走行中、対抗してきた主婦の自転車と接触、転倒した主婦は頭部打撲で死亡、賠償金3,000万円。A無灯火の自転車で走行中、歩いていた高齢者と接触、高齢者は転倒して死亡、賠償金は同じく3,000万円。B女子高校生が夜、携帯電話をかけながら無灯火の自転車を走行中、電話に気をとられ、前方を歩行中のOLに背後から衝突、OLは歩行困難な後遺障害を負った。加害者の女子高校生に5,000万円の賠償命令が下る。C傘をさして自転車で走行中、交差点で他の自転車と衝突、相手は転倒して足を骨折、賠償金500万円(いずれも警察庁の統計から)。

道路交通法の中の自転車に関する法律もたびたび改正されている。平成19年7月10日に
決定された『自転車安全利用5則』によると、自転車も原則は車道通行、通行可能な歩道を通行する場合でも徐行して歩行者優先(罰則:3ヶ月以下の懲役、または5万円以下の罰金)。飲酒運転(罰則:5年以下の懲役、または100万円以下の罰金)、並進の禁止、指定自転車以外の二人乗りの禁止、信号遵守、交差点での一時停止、児童・幼児のヘルメット使用(罰則:いずれも2万円以下の罰金)のほか、上記(判例)の夜間のライト点灯、運転中の携帯電話の使用、傘さし運転の禁止(罰則:いずれも5万円以下の罰金)などがある。更に付け加えて貰いたいのが自転車走行中の喫煙禁止だ。あれは見苦しいし実に危険だ!

30年、40年前、台湾をはじめ東南アジア諸国を取材した際、朝夕の“自転車ラッシュ”を見て「これぞ開発途上国らしい光景だ」と、ある意味、見下したような感想を抱いたことがあったが、今のエコ時代、その感想は飛んでもない間違いであったと反省する。地球環境に配慮したエコ自動車と自転車の普及は“エコ先進国”への第1歩と言わなければなるまい。が、そうなると自転車に起因する交通事故が新たな社会問題となるは必定。これまでのように自転車利用者への精神的訴え(安全走行の注意)だけで治まらない。そこで翁が注目しているのは、警察庁交通局が推進している『自転車事故防止への重点的取り組み』の中の『自転車走行空間の確保』だ。すなわち、道路管理者と連携しての自転車専用道、または自転車・歩行者共有道の整備、自転車通行部分の指定(規制)など自転車事故を防ぐためのファシリティ(施設・設備及びそれらの最も合理的、効率的な管理運営のノウハウ)の確立だ。そういう整備が出来れば、翁も健康維持のために自転車愛用家に転じてもいいと思う(実は、子どもの時しか乗ったことがないのでコワイのだ)・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。
 

ジャズ&ポップ−今週のお奨 めアルバム

 

今週も春をテーマにご紹介したいと思います。
"Spring Can Really Hang You Up The Most"というタイトルのついた曲のDavid BenoitのアルバムLetter to Evanです。
デイヴィッド・ベノワ(David Benoit、1953年5月9日生まれ )は、アメリカカリフォルニア州出身のジャズ・フュージョン界で活躍するピアニストでコンポーザー、プロデューサー。ジャズ.ピアニスト、ビル・エヴァンスを敬愛しており、エヴァンスに捧げたアルバムです。
Letter to Evan David Benoit
1. Letter to Evan
2. Waiting for Love
3. On Golden Pond
4. Island
5. Looking over Eastlake
6. Knit for Mary F.
7. Kathy's Waltz
8. Things Are Getting Better
9. Spring Can Really Hang You up the Most
10. Take 6
11. Blues at Sunset


雑貨屋ウィークリー537号から紹介をはじめたジャズのアルバムをリストにしました。
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm
《R.O.》

編集後記

長尾さんが書かれていますが自転車に乗っている人のマナーのひどさが目立ちます。
交通ルールなんかまったく無視ですから。おそらくほとんどの人が自転車は免許がいらないから何をしてもいいと思っているのでしょう。

雑貨屋のブログ→ http://zakkayanews.jugem.jp/
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.725

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com