民主主義のルールの中に 「多数決の原則」 と言うのがあります。 当事者又は代表者が充分
議論をし尽くし、最後に賛否を問うて多数の意見に従おうということです。
言うまでもなく、民主主義とはその構成員の意思が出来るだけ反映されるようにと考えられたシステムですから
多数決で否定された少数意見も充分に尊重される必要があります。
国や地方の議会、会社の株主総会から学校のホームルームや友達同志の話し合い、家族会議まで、世の中にはいろいろな会議があり、その都度色々なことが決められています。
家族や仲間うちの相談なら皆が心を通じあわせ、全員一致で一つにまとまるのが普通でしょうし、こういう決め方が最高だと思います。
ところが
国や地方議会とか、一定規模以上の会社の役員会や株主総会のような会議になると、国民・住民・株主などの利害や考えが全員同じということはありえません。
「泥棒にも3分の理」 があるくらいですから、いわんや普通の善良な構成員ならいろいろな 「理」
がある筈で、どんな提案でも必ず異論があるでしょう。
ということは、このような類 (たぐい)
の会議では全会一致の賛成ということはありえないので、ある議題が一人の反対もなく可決されたとすると、そこの民主主義のシステム自体に何か異常があることになります。
ですから本当の意味での民主主義を実現する為には 「全会一致の賛成は否決とする」
という原則・ルールを作ったらどうでしょうか。一般に日本人は自分だけが大きな流れに逆らったり、大勢のバスに乗り遅れることに抵抗を感じやすいといわれます。
因みに私は先日、1941年の日米開戦の際、アメリカ連邦議会ではルースベルト大統領の対日宣戦布告に対して反対票を投じた女性議員がいたことを知り、感動しました。
もしこれが日本の議会だったら反対したくとも、まず不可能だったでしょう。
河合将介(skawai@earthlink.net) |