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NO.578                Ryo Onishi              6/10/2007   

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雑貨屋のひとり言

テレビの通信販売で「一週間でお腹のたるみがなくなって、続けるとお腹の筋肉が割れて格好良くなる!」というエクササイズ、"Billy's BootCamp"を観たことはありませんか?ずい分人気のようです。お腹の周りを気にしていた息子がそれを購入したので、好奇心旺盛な私はそのビデオ(DVD)を観せてもらいました。基礎編のエクササイズを観ながら、エクササイズをやってみましたが、"とてもついていけない"くらい激しいものでした。確かにあのようにやっていけば間違いなく、しまった身体になるだろうなあと思いました。(R.O.)

サリナス去り難し(3)

  ――― 前号より続く ―――
私たちの詩吟大会の会場はサリナス市内の仏教会ホールでしたが、大きな鐘楼まで備えた立派な寺院の広いホールでした。

私たちの流派の詩吟会は大きく北加(北部、中部カリフォルニア)と南加(南カリフォルニア)に分かれ、会が主催する吟詠・吟舞大会は春(北加)と秋(南加)の二回開催されることになっています。今年の春季大会は北加のうち、サリナス支部とマンテンビュー支部が担当ということで、サリナスで開催されました。

私たち南加地区のメンバーが会場に到着したのは午前10時過ぎでしたが、会場は午前11時からのスタートに備えて各地からのメンバーは殆ど到着しており、開会の準備も完了していました。百名近い盛大な吟詠大会でした。

この日のために会場の手配、舞台組み立て、机・椅子の配置、音響機器や会場内外の飾り付けなどなど、担当支部の皆さん完璧な準備に感銘しました。また、婦人部の皆さんは手づくりの軽食、おつまみ、飲みものまで用意してくれ、私たちは5時間余りのバス・ドライブの疲れも吹き飛ぶほどでした。

サリナス支部メンバーのT氏ご夫妻はこの地でナーセリー(花卉園)を見事に成功させた方で、“カーネーション・キング”とまで呼ばれている人です。数年前、この地を訪問された日本の宮様も立ち寄られ、また航空会社の機内誌にもこの花卉園は取り上げられたそうです。

日本を遥かに離れたこの地で、ここまで事業を成功させるためには私たちの計り知れない苦労があったことでしょうが、そんな苦労を感じさせない温厚な顔のご夫妻で、帰りに私たち全員に新鮮な花束までいただきました。また他のメンバーの方々からも新鮮な野菜や、漬物などの土産を用意いただき、その心遣いには私たち一同感激しました。

春季吟詠・吟舞大会は参加者全員が普段から励んできた吟道の成果を発表する場であり、吟者・舞者の皆さんは日頃の練習の成果を思う存分発揮しました。

入門まだ9年の不肖私も下手は下手なりきに声を張り上げ吟じさせてもらいました。今回の私の吟題と詩は次の通りでした。


☆荒城の月(杉田 国峯作)

栄枯 盛衰は 一場の夢
歳月 流水 去って還らず
   (歌)春高楼の 花の宴
      めぐる盃 影さして
千代の松が枝 わけ出でし
昔の光 今いずこ
今夜 荒城 月夜の曲
哀愁 切々として当年を憶う

詩吟は日本の伝統文化そのものですが、サリナスという街は詩吟の似合うところでした。私たちを受け入れてくれた人たちの日本的な温かい心がそう思わせてくれたのかも知れません。

今回はチャーター・バスでのたった一日の日帰り旅行でしたが、サリナスはたいへん魅力的なところでしたので、いつかまたゆっくり訪れようと思っています。

「サリナス去り難し」が今回の感想でした。夕方5時過ぎに私たちのチャーター・バスはサリナスを後にロサンゼルスへ向かい帰路につきました。いつの日かもう一度ゆっくりこの街を訪れてみたいものです。
     河合将介( skawai@earthlink.net )

さくらの独り言タクシー・ドライバー

今月7日朝、バンコクを商用で訪れていた日本人男性ら3名が、タクシーに5億円超の小切手の入ったファイルを置き忘れた。同日午後、その小切手は警察に、そして翌日、持ち主の手元に無事戻った。41歳の、正直なタクシー・ドライバーによって届けられたという。この出来事を知り、他人事ながらホッとした思いがした。と同時に、先日、上野駅タクシー乗り場から乗ったタクシーで移動途中、大変不愉快な思いをしたことを思い出した。世界中の色々な国で、様々な特色を持つタクシーが走っているが、そのタクシーを運転している人の姿勢や言動が、ビジネスの真髄を教えてくれることが多いこと、それは、どの国も同じではなかろうと思ったさくらの呟き。

そもそもタクシー・ドライバーの仕事は、乗客を安全に、早く、快適に目的地へ届けることだ。それに付加価値を、どのようにつけるかが、タクシー会社とタクシー・ドライバーに問われる。では、乗客が不愉快な思いになる運転手とは、どんなもの、どんなケースがあるだろうか。信号が赤でも平気で直進、急ブレーキ・急発進や無理な割り込み等の危険な運転も意に介さない暴走派。頼んだ経路ではなく納得のいかない道順をとって予測外の時間や運賃を巻き上げる横領派。行き先を告げられて返事もしない横着派、訊ねてもいないこと(自分の家族・趣味嗜好・意見感想)を勝手に喋りまくるムクチ(6つの口)派、遠近距離や性別を意識して不適切で横柄な言葉を吐く下品派、まだまだある。客待ちの間に運転席で吸いまくったタバコの煙や匂いもそのままに客を乗せる不潔派、運転中に携帯電話を使用するエチケットもマナーも知らない無教養派、などなど。一方、乗ってよかったと思わせてくれるタクシー・ドライバーは、これらの逆はもちろん、何はともあれタクシーを降りる時に、「ありがとう」と言いたくなるドライバー。さらには「またこのタクシーに乗りたい」と思わせるドライバー、つまりは、“運転のプロ”を感じさせるドライバーだ。

ところで、逆の立場はどうだろう。タクシー・ドライバーの独り言を聞いてみた。なんと、彼らの言い分、“困ったお客”や“知られざる虐待”は面白い。赤信号でも「行け!」と叫んだり、隣の車と競争させたがる過激派。言葉の通じない乗客・・・これは外国語スピーカーだけではなく、酔っ払って行き先も言えない、言えても正しくないベロン派。渋滞を運転手のせいにする責任転嫁派。聞きたくもない仕事(会社・上司部下・顧客)や家庭の身の上話を話したり相談したりする憂さ晴らし派。部下でもない運転手に向かってベランメー調子で接する威張り派。「場所間違ってますよ」といいたいほど後部座席で大胆な言動を展開する破廉恥派。こんな実話もある。タクシーに乗った途端、のべつ電話を掛けまくっている電話魔が突然、「お前どこに行ってるんだ!」と叫ぶ、それを聞いた運転手が慌てふためいて「お客様のご指示の**に向かっております」と後ろを向いたら、その客は携帯電話の相手をどなっていた、その瞬間、ドカンとぶつかって、「お前何をしてるんだ」という結末、これは笑えない。見えない糸につながる携帯電話への対応は、私たちが気付かないところでの事件性をも孕んでいるようだ。また、カード支払い時のカード会社間との手数料は、カード支払いを受け付けたドライバーの給料から天引きされる事実にあんぐり。また、タクシー会社の従業員虐待もけっこう多いらしい。そうそう、そういえば・・・タクシー・ドライバーがぼやいていた最大公約数「車よりお客より、一番難しい運転は、女房です」が印象的。

冒頭で紹介したバンコクでの5億円超小切手の置き忘れ事件、乗客が忘れた小切手を届けた運転手は『忘れ物はいつも届けている。運転手は誠実でなくちゃ』と話したという(地元メディアによる)。それに対し、小切手が戻った日本人、この運転手に渡した謝礼金はなんと3000バーツ(日本円約1万1000円・小切手の?万分の一)という。現地での事業投資金5億円の価値は1万円だと言わんばかりの恥ずかしい額だ。とにもかくにも運転手、何を運転するにしても、マナーやルール、プロ意識を忘れないでいて欲しいものだ。そして、乗る側もまた、乗客マナーを身につけてもらいたいもの。さて、日本の自動車免許に切り替えて1年が経つさくら。そろそろ、日本車、右ハンドルの練習でも始めるかな・・と、呟く、さくらの独り言。

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )

一夜城めく観光の武田城

武田武者通りし道を万歩計

番所跡素通り平和ありがたし

擦り減った鼻でほほ笑む道祖神

百才の夢延命の湯に浸る

( ニュースやぶにらみ )

「対策」
75日を待ちます −社保庁、コムスン

「支持率33%」
3割3分、イチロー選手と同じだ −安倍内閣

「TOBに対抗策」
なめられてたまるか −ブルドッグソース

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

 

森田さんから

 血は水よりも
              森田のりえ

「あなたたち、いいわねぇ。子供やきょうだいが近くに住んでいるから、いざという時はすっ飛んできてくれるでしょ。その点、私なんか天涯孤独みたいなものよ。一人娘はミズリー州だし、きょうだいはみんな日本だもの」
ウィドウ仲間が集まると、いつも私はこういって嘆いていた。
ところがこの春先、突然、付き合いが途絶えて久しい伯父の娘から電話がきた。そうだ、一人ぼっちじゃなかった。近くに頼りになるイトコがいたことを思い出した。
そもそも私が渡米できたのは伯父が保証人になってくれたからである。当時、伯父には息子と娘がいた。共通点はなし、歳が離れていたせいか、いつの間にか疎遠になっていた。
電話の内容はこうであった。
「イトコの節子から連絡がきて、ラスベガスでイトコ会をする。彼女は今、ファミリー・ツリーを調べているので、日本側の情報を知りたい。教えて欲しいそうだから、都合がよければ一緒に行かないか」 
ハワイ移民の子として生まれた母は八人きょうだいであったから、相当な数のイトコがいるに違いない。会ってみたいと思った。

母の両親は一八九一年、官約移民として横浜から山城丸に乗船してハワイへ渡った。
十九世紀後半、ハワイの砂糖産業が大発展をし、労働不足を解消するためにハワイ国王カラカウワが来日し日本政府にハワイ移民を要請し「日布渡航約定書」が成立。三ヵ年の契約で移住者の渡航費用はハワイ側が負担し、砂糖キビ農場で働き月の労働日数は二十六日、月給は食費などを含め十五ドル。この契約でハワイへ来た人たちを官約移民という。
月十五ドルは、当時の日本の平均賃金にくらべると破格の賃金であったという。だが、ハワイでの暮らしは過酷を極めたそうで、落伍者が出ないよう同郷者はお互いに助け合い故郷に錦を飾るという意識を加速させていったのだと、母が話してくれたことがある。結局、母の両親は契約期間が過ぎても日本に帰らず、ハワイの住民になった。そして、母の父親が亡くなり、母親、つまり私の祖母は、十一歳になる末っ子の私の母ひとりをつれて二十六年ぶりに故郷「広島」の地を踏んだのである。第一次世界大戦が終結する一年前のことであった。
母は観光のつもりで日本へ行ったというが、長い船旅が辛くて、日本へ居着いてしまった。祖母が亡くなり、親戚筋の父の元に嫁いだ母は十人も子供を産んだにも関わらず、
「人間、みんな一人ぼっち」
望郷の念があったのであろう遥か遠い想いを探るような目をして、よく呟いていた。
私を呼び寄せてくれた伯父は、戦後、ツールレイク日系人強制収容所から日本へ帰る道を選んだ。数年後にアメリカ市民権復活の話があり、子供二人を連れてアメリカに戻ってきたのである。
 終戦後、進駐軍だったのか、朝鮮戦争のときに日本へ来たのか、ハワイの伯母の息子が我が家を訪ねてきたことがある。カーキ色の軍服に長方形の帽子を斜めに被りジープに乗ってやってきた。格好よかった! ガムとキャンディを繋ぎ合わせレイのようにした物をもらったのが誇らしくて、近所の友だちに見せびらかした。僅かの距離だったがジープに乗せてもらった。車のなどほとんど見かけない時代だったから、うれしくて有頂天になった。声をかけられても、恥ずかしくて母の後ろに隠れるようにしていた。
「はっきりものをいわにゃ」
 母にたしなめられたが、ともかく、近寄り難く、遠くから眩しいものでも見ているような感じであったのを覚えている。
 私は、子供のころに思いをはせながら、ラスベガスへ向ったのである。
 すでに前日からホテルに泊っていたイトコたちの待つ部屋へ行く。
「のりちゃん!」
アリゾナからきたテル子が私を抱きしめた。テル子は一枚のセピア色の写真をみんなに配った。日本三景の一つ宮島の鳥居をバックに赤子を膝に抱いた着物姿の母、伯母、後列につばの広い帽子を斜めに被り洒落た洋服の娘が三人、いかにもハワイ帰りという格好をしている。左端がテル子である。裏書に私の生まれた年が書かれていた。母の膝にいる赤子はまぎれもなく私、不思議な因縁である。
集まったイトコは女四人男一人。食事をし、雑談をしていると「血は水よりも濃い」のたとえにあるように、連帯感が自然に湧き起こってきた。節子が調べたところによるとイトコは全部で三十人あまり。機会があれば会いたいものである。
つづく

ジャズの魅力−今週のお奨めジャズ

たくさんのジャズを片っ端から聴いていると心地いいジャズに出会えます。ジャズやミュージシャンについて本やWEBで知るとさらに新鮮に聴くことができます。これもジャズの魅力のひとつだと思います。

今週ご紹介する"Jutta Hipp With Zoot Sims"はこれまで一、二回しか聴いてないので印象が薄かったのですが、ジャズの本に紹介されていた解説を読んであらためて聴いてみました。ドイツの女性ジャズミュージシャンのJutta HippがテナーのZoot Simsと録音したアルバムです。Jutta Hippはこのアルバムを含め、ブルーノートに3枚のアルバムを残し、この世界から消えた人です。
このアルバムは、彼女のピアノはあまり目立ちませんが、Zoot Simsのテナーがとても心地いい音で聴かせてくれるジャズです。

"Jutta Hipp With Zoom Sims"
JerryLloyd (Trumpet)
Zoot Sims (Tenour Sax)
Jutta Hipp (Piano)
Ahmed Abdul-Malik (Base)
Ed Thgpen (Drams)

1 Just Blues 08:41
2 Violets For Your Furs 06:08
3 Down Home 06:41
4 Almost Like Being In Love 06:15
5 Wee-Dot 07:26
6 Too Close For Comfort 06:45
<R.O.>

編集後記

読者の中にはブログをされている方がおられると思います。どなたかSNSに私を紹介していただけないでしょうか?ジャズの話題でいろいろ知りたいと思っています。

雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

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Zakkaya Weekly No.578

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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