先日(3月25日)、私の所属する詩吟会の春季吟詠大会参加のため、サリナス市へ行ってきました。サリナス市はロサンゼルスから北西へ約500キロ、車で5時間あまりのところにあり、さらに1時間ほど車で行けばシリコンバレーの中心地サンノゼがあります。私にとってサリナス行きは今回がはじめてでした。
ロサンゼルス周辺の私たちのメンバー11名は、まだ暗い朝5時に集合場所である師範宅に集合し、チャーター・バスで出発しました。既に夏時間(Daylight
Saving
Time)がスタートしているため、朝5時の空は丑三つ時並みの暗さでしたが、それでもロサンゼルス周辺のフリーウエイは通勤車で既に賑やかでした。
こちら米国西海岸は午前5時でもニューヨークはじめ東側は既に午前8時であり、このように暗いうちから出勤する人が多いのも理解できます。毎日ご苦労様です。
朝明けきらぬうちは混んでいたフリーウエイもロサンゼルスから抜け出し、陽が昇る頃には広々とした郊外の景色に一変していました。私たちのチャーター・バスは先ずFWY#I-5(フリーウエイ5号線)を約150マイル(250km)北上、左右に展開する荒野を眺めながら、「万一事故や事件に巻き込まれたらどうなるのだろう?
警察車両や救急車が駆けつけてくれるまでの時間がたいへんだ」なんてことが私の脳裏をかすめました。
現に私が知らない10年近く前、今回と同じ私たちの詩吟会のチャーター・バスがまさに今回と同じFWY#I-5上でガソリン切れのため道路上で一晩過ごす羽目になったことがあったそうで、結果として全員無事だったからよかったものの、ぞっとする話です。
米国人は遠距離ドライブする際は運転席の下かダッシュ・ボードに拳銃を備えて運転する人がいる(多くいる?)と聞きますが、このようなところを走行するとそんな気持ちもわかる思いです。
私たちのバスはFWY#I-5を2時間余り走ったあと、フリーウエイから一般道路(ハイウエイ#46)へ入り、約1時間西へ向かいました。途中低い山並みを横切りFWY#I01(フリーウエイ101号線)へ出るためです。
この辺まで来ると広々とした高原地帯は開拓の手が入っており、見事なまでに広大な畑や牛の放牧場があちこちに点在していました。放牧場が広いのは当然のことで驚くことではありませんが、アーモンド、木いちご、ぶどうなどの畑が時速70マイル(110km)ほどで快走するバスの車窓から10分以上も消えずに続いている光景には驚嘆でした。これだけ開拓するのにどれほどの歳月と苦労があったのだろうか、とても計り知れないことです。
――― 以下次号に続く ――― 河合将介( skawai@earthlink.net )
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