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NO.569                Ryo Onishi              4/8/2007   

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河合さんの さくらの独り言 川柳 & コント 森田さんから ホームページ
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雑貨屋のひとり言

4月に入ってから夏のような陽気になったと思ったら、六甲山が雪化粧する寒い日があったりで不安定な一週間で、コートを脱いだり着たりの中途半端な日が続きました。でも寒さのお陰で桜がちょっと日持ちしたのかもしれません。やはり桜は春らしくていいなあとつくづく思います。(R.O.)

地 球 環 境 を 考 え る(2) 

  ――― 前々号より続く ―――  
 最近、私たちの周囲でも「地球温暖化」、「地球環境問題」などの言葉をよく聞くようになりました。私たちの地球に、私たちと子孫にとって見過ごせない事態が迫りつつある認識が広まっていることは確かです。

 ところで、これら地球環境や温暖化についての問題提起について私は大きく次のように整理して考えることにしています。

(1)CO2、フロンガスなどの増加による温室効果現象、温暖化、オゾン層破壊などの地球環境破壊の進行。

(2)地球上(地下資源を含む)の資源の使いすぎによる資源の枯渇。
 
上記(1)、(2)とも相互に密接な関係がある問題ですが、私たち個人レベルで何をすべきかを考えるとき、(1)と(2)に分けて考えた方がわかりやすいと思っているからです。

10年前(1997年)に議決された京都議定書では、地球温暖化の原因となる温室効果ガス(二酸化炭素、メタンなど)についての先進国での削減目標を定めましたが、それではこの議定書目標を達成するために私たち個人は何をしたらよいか、私には定かではありません。
 
私のような単純人間に言わせれば、人工的に増加させてしまったガスなら人工的に減少させる装置を作ったらよいではないか(例えば二酸化炭素が増加したなら、これを酸素と炭素に戻す装置を作って世界中に設置すれば、世界中の二酸化炭素が減って酸素が増える)などと乱暴なことを思ってしまいます。
 
人間(家畜なども含む)が地球環境のバランスを崩すような有害物質を排出したり増加させたというなら世界の叡智を総動員してバランスを戻す装置を開発すればよいのです。
 
私たちが自動車を乗り回し排気ガスを撒き散らし、冷暖房などに電気を使うことなどの積み重ねが地球上の有害ガスを増加させ温暖化の一因になるのでしょうが、地球レベルの大きな問題を個人レベルで理解・認識しようとしても難しいことでなかなか切実になりません。
 
そこで、私は上記(2)の側面からこれらの問題を考えることにしています。数百万年かけて地下に貯えられたといわれる石油の原料を私たちは数百年で使い果たそうとしています。最近の資源の大量消費状況は地球資源の観点から明らかに異常な状況といえそうです。

地球上には衣食住に恵まれず、生命の危険に瀕している人がたくさんいる中で、私たちほんの一握りの“恵まれた”環境の人間が贅沢三昧とも言える消費生活を送っていることを自覚することがすべての第一歩だと私も遅まきながら気付きました。私たちの小さな無駄の積み重ねがかけがえのない地球の寿命を縮めていることを自覚し、有限である資源の有効活用にもっと注力するための輪を広げられたらと思います。

一昨年来日しアフリカで緑化運動を進めたノーベル平和賞受賞者ワンガリ・マータイさんが『もったいない』の発想を紹介し大きな反響を呼びましたが、私たちはここでもう一度『もったいない』精神をかみ締めることから始める必要がありそうです。  

日本語辞典によると、そもそも「もったい」とは「勿体」または「物体」と書き、「そのものが本来持っている価値」のことを言うようです。そしてその価値をまっとうできないで、中途半端にうち棄てられることを「もったいない」というのだと知りました。
 
本来日本人は世の中のすべて、即ち森羅万象に神仏が宿り、故になにものも粗末にしてはならないという思想を持っています。『もったいない』は、そんな日本古来の思想の現われなので
はないでしょうか。お米一粒にも無駄にしない思いが我々日本人にはありました。お釜やおひつの隅、駅弁の蓋に付いているご飯粒も粗末にしませんでした。これは決して吝嗇(けち)だからではなく、「もったいない心」のあらわれだったと思います。

 私も日本人の端くれとして「もったいない」の精神の実践を心掛けようと思います。
      河合将介( skawai@earthlink.net )

さくらの独り言4月8日

今日は花祭り。4月8日がお釈迦様の誕生日とは、仏教国の人なら誰しも知っている。各地のお寺では花御堂を設け、お堂の中に水盤を置いて釈迦の立像を中央に安置し、参詣者がお像に甘茶を注いでお参りする行事、これがいわゆる花祭りである。しかし、残念ながら私には記憶がない。今日4月8日は、その花祭りでもあるが、なんとイースターでもある。イースターといえば、さまざまな想い出がある。中でも渡米時から2年間、ホームスティした家族と通った教会でのイースター(復活際)、米国中西部の長く厳しい冬の終わりと、新しい命の始まり、そう、春の訪れを知らせる時だった。

復活祭は、クリスマスと同様に、キリスト教の礼典の中で重要な祝い日。十字架にかけられて昇天したイエス・キリストが、その3日目に蘇ったことを記念する日である。イースターといえば、よく知られているものに“イースター・エッグ”がある。たまごの表面を(生と死を意味する)赤色で塗ったり、鮮やかな色彩をほどこしたり、美しい包装紙で包んだ茹でたまごがある。この10数年のアメリカでは、ゆで卵の代わりに、卵形のチョコレートや、卵形のプラスチック容器にキャンディを入れたりするところもある。このイースター・エッグを、教会、学校、公園、自宅などの庭に隠して探す競争、これがよく耳にする“エッグ・ハント”である。昔アメリカでは、エッグ・ハントで取った卵料理で晩餐をしたり、卵を近所に配ったりもしたという。卵が高価で貴重な時代のことだろう。今も、エッグ・ハントのあり方やエッグそのものは形を変えたが、探し出した卵をご近所におすそ分けという近隣愛は続いている。祝い事が、むこう三軒両隣というのは、なんともほほえましい。

ところで、このイースター・エッグ、国や地域によって多少の差異はあるが、その風習の意味は“たまごから雛が産まれる様(さま)は、イエスが墓から出て蘇った(復活した)ことを結びつけたものであるといわれている。アメリカで最初に迎えたイースターの晩餐時、スペンサーがイースター・エッグについて話してくれた。『雛が孵(かえ)るまで、羽の下でたまごを保護し温めている親鳥は、決して外から嘴でつついてたまごの殻を破るようなことはしない。雛がたまごの中から自力で殻を破り、生まれ出るまで、じっと待っている。雛が殻を破った時、実は神様が息吹を吹き込むのだよ。そしてたまごの殻を破って顔を出した時、親鳥は歓喜の鳴き声を発する、愛の響きだね。人間の赤ちゃん誕生時の親の心情と同じだ。生命の生誕はそれほどに感動的であり、尊いものだ。・・・』今でも懐かしく、そして意味深く想い出される。イースターは、永遠の命と愛を想起する時なのだ。

イースターのこの時季、アメリカの教会では礼拝に出席する帽子や服装も、冬から春ものに変わる。イースタードレスといって、新しいドレスを作ったり買ったりもする。イースターを境に、衣食住の彩が「春」、新しいものに変わる。神様の息吹が、新しく生まれ変わることを実現させてくれるというものだ。キリスト教国でないここ日本だが、真新しい制服に大きなランドセルの小学校一年生、真新しいスーツにかっこいいビジネスバッグ、そんなピカピカ1年生が眩しい今日この頃。そんな眩しさに目を細めながら、古いコートを脱いで、新しくまた一歩!っと、背筋を伸ばす朝の通勤時なのだ。今日4月8日はイースター、卵でオムレツでも作って、イースカア〜っと呟く、さくらの独り言。

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )

倦怠期芳香剤の嘘といる

しがらみを脱ぎ一泊の宿浴衣

シャルウイダンス互い苦労は脇に置き

カルチャーで若手うちではおじいちゃん

子等みんな巣立って一匹と二人

( ニュースやぶにらみ )

「あるある」
西武球団さんもかい −関西テレビ


「サクラ」
満開です −候補者の演説会場

「堂々の勝利」
松坂投手にあやかりたい −安倍トウシュ
                −小沢トウシュ

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

 

森田さんから

  インド紀行( 9 ) 法王謁見
              森田のりえ

豪勢な夢をみた。
一万ドル札が百枚だからワン・ミリオン、ベッドの下から出てきたのである。向こうから夫が見知らぬ男と近寄ってくる。その男は夫にぴたっとくっつき、寸時も離れようとしない。胡散臭いと感づいた私は、
「あなた、その男は詐欺師よ、気をつけて!」
叫ぼうにも声が出ない。
この札束を取られたら無一文になる。私は必死になって隠し場所を考える。マットレスの間に入れるがはみ出てしまう。どうしょう!男がすぐそこまできた。絶体絶命。とっさに私は札束をベッドの下へ蹴り込み、自分も潜りこんだところで目が覚めた。
なんでこんな夢をみたのだろう。
そうだ! 寝る前に『ダライ・ラマ自伝』のこの個所を読んだからだとは気がついた。
一九五九年春、チベットに侵攻していた中国当局との関係が険悪化し、ダライ・ラマ法王は変装してラサを脱出しインドへ亡命。インド政府や海外からの支援があったものの財政的な資金難に直面する。そこでシッキムに預けてあった「財宝」を売り払い当時のドルに換算すると八百万ドルというお金を手にする。しかし、これらの貴重なお金を活かす試みで投資信託や企業に投資するが、助けてくれるはずの何人かの人々によって欺かれ、彼らの懐を肥やすことで資金の大半を失ってしまう。残ったのは約八分の一、百万ドル。
この個所のお陰で、人も羨むような夢をみたのである。
 
インド旅行の最終日『ダライ・ラマ法王特別謁見』の日がきた。
朝七時にホテル前から迎えのバスに乗り、ダライ・ラマ法王の法話を聴くためチベット寺院へ向かう。ここはチベット亡命政府のあるダラムシャーラーである。
十分少々で到着すると、飛行機に乗るときのような厳重なセキュリティ・チェックが待っていた。カメラは持ち込み禁止である。なぜ厳しいのか日本人僧の通訳に尋ねると、
「中国側すれば、法王さまはチベット独立を奪回しようとするゲリラ活動の首謀者とみなし『僧衣を着た狼』とまで呼び中国政府の憎しみの的になっています。一方、法王さまは チベットの宗教、政治の精神的な指導者として非暴力闘争を長く続けられ、慈悲、寛容そして愛が国際的に認識されノーベル平和賞を受賞されたのです。お護りしなければ・・・」
 という返事だった。
境内には多くのチベット人が陣取り、マニ車をまわしながらお経を唱えていた。韓国から三百人、あちこちから集まった人たちで堂内はいっぱいである。私たち一行は案内されるままに付いて行くと、最前列から順に座らせられた。私は二列目。前は六歳の坊やだから、法王さまの御座の真正面であった。
チベット語によるダライ・ラマ十四世の法話がはじまった。日本語と韓国語の通訳が入るのだが、取り分け法王さまが通訳の日本人僧へ向ける眼差しがなんともいえず優しい。どう表現すればいいのか考えていると、
「慈愛」
という言葉が浮かんだ。
観世音菩薩の灌頂とか菩提心とかの用語がでると、仏教素養のない私はさっぱり分からず眠くなってきた。二度と聴けない法話だと気を取り直すが、寒いというので重ね着の上にホカロンまで張っているから身体は暖かく、いい気持になり、睡魔に負けてしまった。
法話が終った後は謁見室への移動である。何時から謁見なのか、正確な時間はわからないという。これは、そのときどきの都合に会わせて始まりそして終る、チベット人の時間に追われる生活を好まない慣習によるものらしかった。法王さまと握手できるかもしれないというので、私は、頭の中でお伝えすることを英文にし間違えないよう反芻していた。
「一昨年、ラサを訪れたとき、ポタラ宮殿の法王さまのお部屋を拝見させて頂きました」
 しかし、ご自分の部屋が観光客の見世物になっていることを悲しまれるだろうか、チベットへ行ったことだけ言おうかと考えていると時間がきた。謁見室への入室は厳しく、バックは預けコートまで脱がされた。同行のお坊さんたちは立派な僧衣姿である。私たちが謁見室で待っている、
「いやーいやー、お待たせしました」
 とでもいうような雰囲気で法王さまが姿を見せた。笑いを交えての歓談は気配りがあって気取らず、見るからに優しいお人柄であることを感じさせられた。次の法話が始まるので時間がなく握手は取り止めになった。記念写真を撮るとき、私は法王さまの後にまわり、そっとお衣に触らせて頂いたのである。
                つづく                           

 

編集後記

≪今週のお奨めジャズ≫
今週は誰でも一度は聴いたことがあると思われる"Tea For Two"で行きましょう。

アーティスト名/アルバム名
(1)(2)(3)はピアノジャズですがそれぞれとても特徴のある演奏です。
(4)(5)(6)は女性ボーカルで個性的な歌声です。
(1)Bud Powell / The Genius of Bud Powell
(2)Claude Williamson /Round Midnight
(3)Eric Reed / Cleopatra's Dream
(4)Noon / My Fair Tale
(5)Saragh Vaughan / The Portrait of Saragh Vaughan
(6)石原江里子 / I Wished On The Moon
私はこのアーティストが一番好きです。

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Zakkaya Weekly No.569

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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