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NO.549                Ryo Onishi              11/19/2006   

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河合さんの さくらの独り言 川柳 & コント 森田さんから ホームページ
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雑貨屋のひとり言

11月も中旬を過ぎ、寒くなってきました。服装の方も秋から冬へと変化していきます。街を歩いて感じることは、みんなおしゃれじょうずになったということです。リーズナブルでいいデザインの服がいっぱいあるからだと思います。これは私たち中年にとってもうれしいことです。おしゃれを楽しみたいですね。
(R.O.)

『バカ と リコウ』

 世の中は複雑であり、単純に割り切れるものではありません。特に私たち日本人の文化は「ファジー」を良しとする傾向すらあります。

しかし、私達は時として物事を考える時、いろいろ複雑に考えすぎて 「ものの本質」 をつかめず 焦点が定まらないで終わってしまうこともしばしばです。

私などただでさえ単純な頭脳の構造なので複雑な世の中を複雑に考えたら、脳みそがパンクしてノイローゼになりかねません。

そこで世の中の複雑怪奇な現象を逆に単純化する智恵も必要になってきます。右か左か、白か黒か、――― 途中のグレイゾーンを省くと意外と世の中が見えてくる場合もあります。
これもストレスのない人生を有意義に送る一つのヒントになるのではないでしょうか。

 人間をバカとリコウに分類したとします。そうすると私には世の中の人々は以下の四分類に見えてきます。即ち、

(1) リコウぶるリコウ
(2) バカぶるバカ
(3) リコウぶるバカ
(4) バカぶるリコウ

以上4種類を私の独断と偏見で評価すると。
(1) リコウぶるリコウ:鼻持ちならないイヤミな存在です。自分の優秀さをひけらかし、他人がみな自分以下にみえてしまう。私など、こちらが対抗しようにも、悔しいけど勝ち目はありません。できたら敬遠したいタイプです。

(2) バカぶるバカ:バカ丸出し、毒にも薬にもならないタイプで愛嬌があって私は好きです。ただ問題は本人がどれほど自分を自覚しているかでしょう。

(3) リコウぶるバカ:これも困った存在です。でも世に中にはこのタイプの人が意外に多く、私もこのタイプに分類されるかもしれません。猛反省の必要がありそうです。

(4) バカぶるリコウ:「能ある鷹は爪を隠す」と言いますが奥ゆかしいタイプで、出来たら私はこんな人間になりたいと思っています。ただし、みえみえのバカぶるリコウはいただけません。あくまでも自然体の中からしみでるものであるべきでしょう。

 一般に日本人は自己主張が下手だといわれています。厳しい生存競争の中で生き抜くためには、他人に対し如何に自分を実力以上にみせるかが問われることがしばしばです。ですから上記(4、バカぶるリコウ)が現代の世渡りにとって最高かどうか疑わしいところもあります。
――― こんなバカバカしいことを考えている私はまさに“バカ丸出し”――― ということは、私は(4、バカぶるリコウ)は遠くにおよばず、(3、リコウぶるバカ)にもなれず、結局(2、バカぶるバカ)だったと言うことか!?!?

      河合 将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り言「 待つがクリスマス2006 」

1997年12月に発行された雑貨屋136号では「クリスマス徒然物語」を、1998年11月から12月にかけて発行された雑貨屋185,186,187,そして188号では、「待つがクリスマス」と題し、良きクリスマスについて呟いた。それらを執筆した当時は米国在住だったこともあり、アメリカの意味深いクリスマス文化や慣習と同時に、その時期、自分がどこに居ても大切にする想いをつづった。あれから9年足らずが経ち、日本在住6年目となった今の私には、あの時代や文化が懐かしく、また恋しくもある。そのひとつに、どうしても、ここ日本のクリスマス時期に苦痛を覚え、怒りさえ感じるものがあるから。そういう訳で今回は、怒りの呟きといこうか・・・

毎週出張で利用する名古屋駅は、いつ行っても人の山。その数、東京駅が寂しく感じるほどだ。先日はその何倍もの人だかり、何事かと周りに訊ねると、なんとクリスマスイルミネーションをひと目見ようと出かけて来た人たちだという。なんと、それは11月第二週目、未だサンクスギビング(感謝祭)さえ終わっていないのに、だ。日本に感謝祭を祝う習慣がないとはいえ、11月初旬にイルミネーション点火は早すぎる。これが名古屋の経済効果を高めるクリスマス商戦だと言ってしまえばおしまいだが、それでいいのかと問いたくなるのは、私だけだろうか。こんな先取り商戦が、クリスマス本来の意味や良き文化の伝承を妨げ、人にとって大切な季節感さえ狂わせてしまうと思うと、怒りさえこみ上げてくる。つい、その人だかりに向かって「コマーシャルに惑わされるな!」と叫んでしまう、勿論、心の中で。日本人独特の待つ心や季節感は、いったいどうなっているのだろうか。

ところで、ある調べによると、日本の主要都市において、11月第二週目までにクリスマスイルミネーションの点火を終えた箇所は、東京都内で21箇所、愛知県内で6箇所、大阪府内で8箇所、福岡県内で13箇所、そして沖縄で1箇所の合計49箇所というから、名古屋駅に限ったことではないことになる。2004年消費者情報トレンドの調査によると、日本人の8割は季節感を大切にしているといい、それを感じるものや事柄のトップ5は、「季節のイベント・行事」(72%)、「果物」(70%)、「植物・花」(60%)、「野菜」(52%)、「ファッション」(45%)という。この調査結果からみても、商戦による前倒しイベントや先取りファッション、または早期栽培などによる季節を越えた植物の消費者供給などが、地球温暖化と変わらぬくらいの影響を、人々の生活や心にまでも与える要因になると言える。30年前に比較すると、クリスマスイルミネーション点灯式は平均42日早くなったというが、何故そんなに急がなきゃならないのか、ちょっと立ち止まって考えてみてはいかがだろう。

さて、クリスマスの飾りもさることながら、クリスマスをどこでどう過ごすか、何を誰にプレゼントするかも、この時期、話題のひとつ。某ホテルの季節プラン、一泊二日のクリスマスパック200万円が、比較的若いカップル・夫婦によって既に売り切れという今年、バブル期を想起させる。インド独立の父であり、宗教家・政治指導者でもあるマハトマ・ガンジーの言った「素朴な生活にこそ幸せがある」が頭によぎる。今週、アメリカではサンクスギビング(感謝祭)、家族が集い、実りと健康を感謝し、この日を境にクリスマスを迎える準備、待降節に入り、家庭も街もイルミネーションの点火が始まる。そんな“待つ”という粋さが、日本人にもあって欲しいと願う。そんなに急がなくても、師走はやってくるのだから・・・っと呟く、さくらの独り言。

 

週間五日坊主(東京・成近)


( 川 柳 )

愛犬のペースで今日も万歩計

トビの子のトビ 元気なら良しとする

不揃いのリンゴに母さんのタクト

予定表一日孫に空けておく

完璧でないから夫婦五十年


( ニュースやぶにらみ )

「クリスマス用品」
“赤い靴下”がおすすめです −西武ライオンズ

「教育基本法改正案衆議院通過」
履修時間不足だ −欠席野党

「謝礼5千円」
タウンミーティングに私もひとこと言いたい −樋口一葉

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

森田さんから

 連載 チベット紀行(3) 

「チベットへ行ったら、十人に一人は肝炎になることを覚悟しなくちゃ」
「えっ? なぜ早くそれを教えてくれなかったのですか。明後日出発するんですよ」
「常識だよ。当然知っていると思ったから、オレ、勇気があるなぁと感心していたんだ。でも、心配いらんよ。確率低いから」
 なんという言い草、いまになって。チベット旅行の話があった時、知人のK氏に真っ先に伝えたはずだ。すると、こういったではないか。
「そう、ぜひ行ってらっしゃい。何しろ世界の秘境といわれる辺鄙な土地だから、しっかり見てくるといい。オレも足腰丈夫なら行くけど、残念だ」と。
 この期になっておどかすなんて酷い、と本気で怒ったのではない。肝炎だなんて話は冗談に決まっている。
「十人に一人では確率高いですよ」
 さらに、K氏は追い討ちをかけた。
「肝炎で死ぬときは真っ黒くなるんだよ。こんな色だよ」
 と、座っているソファのこげ茶色を指し、真面目くさった顔をしていった。
「潜伏期間を短く見積もって二十年とすれば、私も相応の歳になるから寿命だと思って諦めます。それに、いざとなれば肝臓移植というテもあります」
「いや、潜伏期間は半年らしいよ」
「夫は六十で逝ったから、いまの私の歳は儲けもの。例え私がいま死んでも、誰も悲しむ人はいません」
「ま、肝炎は不潔なものから罹るらしいから、生水は勿論ダメだけれど、サラダの水分も油断できないよ。オレの友人が台湾で屋台のおでんを『うまい、うまい』と食ったのが原因で肝炎になり、けっこう苦しんだなぁ」
 それから遠くの記憶をほり起すなような視線になった。
「現地の食べ物には手を出さない事だね。人間、一週間くらい食わなくても死にはせん。それにしても、六ヶ月前から抗生物質の予防注射をしておけば、良かったなぁ」
 K氏の夫人は、二十年前、中国の上海からウルムチまで『汽車の旅』というテレビ番組の取材をしたそうで、そのときの体験談を聞かせてくれた。
「一等車だったけれど、食堂車は先ず普通車の人たちが食事をすませてから私たちの番なのよ。象牙の箸は薄汚れていたから必ずテッシュで拭いてから使い、ガラスコップは汚れて向こう側が見えないの。蓋つきの茶碗も、見ていると隅にある何度も使ったバケツの水でゆすぐだけ。私たちはそういうところを取材したいのに、同行している中国の政府関係者は撮らせないの。そうねぇ、ポケットティシュと割り箸は山ほど持って行ったほうがいいわよ。以前の話だから、現在はずいぶん改善されているでしょうけれど、でも、チベットに鉄道はないし、一般の生活はどうかしら、中国より進んでいるとは思えないわ」
 取材一行のなかには旅行が終わってから、破傷風だなんだかだと次から次と病気に罹った人がいたという。高山病の薬は、ぜひ用意したほうがいいと忠告された。
 とんでもない所へ旅行しようとしていることが、しだいに実感となってきた。
 私は、割り箸はじめ紙皿、プラスティク・コップやボトル水6本、駄菓子、チーズに真空パック煮豆など栄養価の高いと思われる食べ物をどっさり買い込んだ。これで非常時の備えはできた。政府高官とのプレゼント交換の品物はアメリカ製というから、1ドルコインのキーホルダー、マジック・リップ六本セットをそれぞれ十個用意した。小学校へ寄付する学用品は日本で揃えることに決まった。 
 出発の前日、いっしょに行く娘がメリーランド州からやってきた。
 娘は大学時代に知り合った人と結婚して四年になる。今年三十歳。チベット旅行の話をすると、ぜひ行きたい。旅費は自分が負担するというのだが、たとえ二週間といえど若夫婦を離すのは考えものだ。相手はアリメカの男だ。これが元で離婚にでもなったら取り返しがつかない。私は、娘に先ず連れ合いの許可を取るようにいった。娘婿は愚問を一笑に伏したそうだである。 
 娘は、日本語は聞けるが話さない。英語が苦手の私と娘は、半透明なビニールを鋏んだような間柄である。私が娘に遺せるものは「旅の思い出」くらいのものだ。それも孫ができるまでだと思っている。
 その娘が私の荷造りを見て、
「これ炭酸水だよ」
 と、呆れ顔をしていった。
 うっかりラベルを見ないで買ってしまったのだ。大量に買ったガムを見て、何のためにという。チベットの子供たちが近寄ってきた時に上げる物でチョコレートが良かったけれど夏は溶けるからガムにしたというと、
「オオ、ナンセンス!」
 と、首をふった。
 七月十二日、私と娘は集合場所である名古屋空港へとロサンゼルス空港を飛び立ったのである。
              つづく

               

 

編集後記

10月末の健康診断の結果が出ました。夏から始めた散歩の効果がでて血糖値をあらわす数値が下がりました。お酒をやめずに改善できたことがもっとも大きな成果だと思います。

《今週お薦めのジャズ》
20GBの携帯オーディオ、ハードディスクの残りが4GBになってしまいました。アルバムは310を超えました。
今週はピアノジャズで知らない人はいないというBill Evans です。私も聴いているジャズのほとんどがピアノです。たくさんある中でご紹介するのは難しいですが、“Explorations”はいかがでしょう?

 


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雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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