自慢げに書くことではありませんが、先日の日曜日トラフィック・スクール(Traffic Violator
School、交通違反者講習学校)に参加してきました。
当地では交通違反をした場合、人身事故などの重罪でなく、また異議の申し立てをしなければ反則金(罰金)を課せられたうえに一定の違反点数がDMV
(Department of Motor Vehicle)の記録という処置を受けます。
ただしこの違反点数はトラフィック・スクールでの講習に参加することにより免れ、更に自動車保険への影響(保険料の上昇)も防ぐことが出来ることになっています。尤も講習を受けてから18ヶ月間に再び違反を犯した場合はスクールに行く資格を失い、違反点数が課せられてしまいます。
交通裁判所で渡された資料によると、当地ロサンゼルス・カウンティには400を超えるスクールが登録されており、この中に日本語で行うクラスがあったので私はそこに登録しました。
講習会は朝9時から午後5時までの8時間が指定された義務コースであり、午前は講義、昼食時間をはさんで午後は講義とビデオでの交通規則、運転マナー、事故防止留意点の解説等がその主な内容でした。
講師の話によると現在カリフォルニア州では2,700名の警官が交通安全のために配備され、違反切符は年間96万枚発行しているのだそうです。(そして違反切符の内8万3千枚は飲酒運転関係とのこと) 違反者のためのトラフィック・スクール一がこんなに多く存在している現実がよく理解できます。
全米では一日平均約120名が交通事故により死亡(年間約4万人強)とのこと、ただカリフォルニア州は相対的に死者数が減少しており、その理由のひとつがこの州がシートベルト着装を厳しく規定しているからなのだそうです。シートベルトの着装はやはり重要のようですね。
運転者の基本として(1)停止または発信時には周囲の動いている人・車などの物体に気をつける。(2)運転中に曲がる時は直行して来る車の運転を脅(おびや)かしてはいけない。(3)遅く走る車は早く走っている車を脅(おびや)かしてはいけない。――― これが講師による運転マナーに関する最初の指摘でしたが、毎日ハンドルを握っている私にとってこんな基本的な事柄も新鮮に聞こえてきました。普段いかに安全運転の意識をおろそかにしていたか知らされた思いでした。
交通違反の有無に関係なく時々はこの種の講義に参加し、安全運転の誓いを新たにすることも必要なのかもしれません。
交通違反者に対するトラフィック・スクールの受講制度をどう評価するかは受講者により違うでしょうが、小さな違反を真面目に反省することにより大きな違反や過ちを未然に防げるのであれば、この種の時間の無駄は決して無意味にはならないと私は思っている次第です。
とは言いながら、折角の日曜日に8時間も拘束されて不本意(?)な講習を受けさせられる受講生たちのストレスが大きいことも確かであり、講師もこれを配慮して時折は話の内容を本題から脱線させて受講生の気を引く心遣いもみせていました。
スクール側としてもお客様である受講生の評価を気にせざるを得ず、スクール・ビジネスの生存をかけた厳しい側面もみせていたのが印象的でした。
サイバー時代の昨今ですので、当地でもインターネットによる講習コースもあり、自宅のパソコンを通じて受講することも可能ですが、私にとってはパソコンの画面より生きた人間(講師)の講義の方が意義と効果が大きいように思いました。
河合 将介(skawai@earthlink.net)
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