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No.480          Ryo Onishi               7/25/2005   

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雑貨屋のひとり言

東京で震度5の地震があり、交通機関がマヒ状態になったようですが、東京近辺の皆さんには被害はなかったでしょうか?日本はどこにいても地震から逃げられないようですね。
本格的な夏がやってきました。今年は「ゆかた」ブームになっているようで、ゆかた姿の若者を良く見かけるようになりました。手ごろな値段で売っているお店も増えてきているようです。(R.O.)

クラシック・パンツ(2)

 前々回、この欄で「クラシック・パンツ」に関する話題を取り上げましたが、私はこの話題を「雑貨屋」以外のシニア・ネットなどにも提供しました。

肌着は本来、表に出すものではありませんが、他方、考えてみれば肌着ほど私達にとって身近なものはありません。だからでしょうか、今回の私の提供した話題に対し多くの反応がありびっくりし、またうれしくもありました。

そこで、もう一度「クラシック・パンツ」という名の「褌(ふんどし)」をテーマにすることにしました。

 熊本のFさんから以下のようなメールを受信しました。
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(前略)・・越中褌は初代熊本藩主の父細川忠興越中の守が考案されたとのことです。
それにちなんで昨年熊本市が行った、新しいお土産コンクールの最優秀賞に選ばれたのが、鶴屋デパートが販売を始めた七色の越中褌でした。1枚500円〜700円、7色7枚入りで5250円で販売されています。

話題性、デザイン、実用性を兼ねた熊本のニューアイテムが、街のPRとして一役買いそうだと期待されたそうです。下記URLでご覧下さい。

http://www4.nikkan-kyusyu.com/le/kyu/part2/086/top.html

しかし女房が参加したある女性の集まりで、こんなのがお土産にされては熊本の恥だと、気炎を上げる人が大勢いたとのこと。女性の感覚は微妙なようです。
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 「越中褌(ふんどし)」の効用について、インターネット上で次のような文章を見つけました。これは、健康雑誌「壮快」2000年10月号 (マイヘルス社編集・マキノ出版・刊)に掲載された川村一男博士「褌の効用」の再録だそうです。
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 三尺の布に紐を付けただけの越中褌ですが、このシンプルな下着が健康下着といわれるのには、日本の高温多湿といわれる気候風土に育まれた下着ということにあるようです。

 通風性のよい越中褌は、男性の大切な股間を守る理想の下着といえましょう、男性の生殖器官のひとつである精巣(睾丸)は、精子を作るために、体温より低く温度が保たれているようです。

その部分を、化繊などの下着や、保温性があるブリーフなどでホールドしたのでは、体温維持調節が難しくなるようで、その点で越中褌の通気性などが、男性機能を維持するといわれて重宝されているのです。

これは人づてに聞いたことですが「越中褌をするようになってから、子宝に恵まれた」という夫婦の話を聞いたことがあります。褌は夫婦円満の下着でもあるようです。
 
さらに越中褌は脱着が容易で、ズボンをはいたままでも着替えられ、腰をかがめない姿勢で着用できることも特徴で、私も以前軽い腰痛のときには特に重宝しました。

私の友人に肥満ぎみの男がいて、長年腰痛に悩んでいましたが、ある日私の褌を見て興味半分に試したところ、腰に負担がかからないと、すっかり越中褌のとりこになりました。数ヵ月後にはかなり楽になつたと喜んでいました。

 そして越中褌のポイントは紐にあります。普通のパンツは紐の部分が大半はゴ ムですが、このゴムがアトピー性皮膚炎のかたの肌には天敵で、腰の部分が黒くなったりすることもあるようです。その点、越中褌の木綿の布製の紐は体に優しいのです。ただし、あまり細い紐では肌に食い込み、かえって窮屈な感じとなりますから、紐の幅は2センチ程度の袋縫いを使用することをお勧めします。

 たかが褌の紐といいますが、この紐が越中褌の利便性を左右するのです。それ に自分の好みに合わせた締め心地が調整できるのもいいですね。

締め心地といえば、越中褌の魅力は「ゆるふん」にあるといえます。あまり強く締めるよりも、やや緩めに着用すると、通気性もより効果があると思われますが、くれぐれも「ゆるふん」では人前には出ないようご注意を・・・。

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 この川村博士の「褌の効用」を読む限り、褌が最近また人気が出てきた理由がわかるような気がします。私もこの肌着に愛着が湧いてきました。

また、東京・浅草の三社祭、神田明神ほか日本各地で“はだか神輿(みこし)”が有名ですが、やはり神輿をかつぐ時は褌(ふんどし)であり、水泳パンツではさまになりません。「お祭り大好き人間」である私にとって “さらしの褌” をきりりと締め上げ、神輿をかつぐ姿こそ “粋でいなせ” の真骨頂です。

  江戸っ子の白ふんどしや夏祭り (和田北舟)

という俳句を見たことがあります。いいですねエ〜〜。

 こんな素晴らしい男子の肌着ですから前記にある通り熊本市が「七色の越中褌」を土産の“顔”に指名したことが良く理解できます。これからは熊本の“顔”としてだけでなく、日本の“顔”(下半身の顔?)として世界に紹介し輸出したらいかがでしょう?

でも世界(特に米国)へ輸出する場合、派手好きの米国人の好みに合わせて、ただ七色の無地ではなく前垂れ部分に「愛」「誠」「根性」などと漢字の刺繍を入れて売り出すのです。

どなたかこのアイデア買いませんか? どなたも興味ないようでしたら私が自分で会社を作り「漢字入り七色褌」の米国販売チャンネルを興そうかな。その場合、上記漢字にあわせて私の名前も前垂れ部分に書き込むことにしよう。――― エッツ、それはダメ?―― なぜ?――― 「カワイイ」なんて書いてあれば中身について誤解され兼ねない?――― アッツ、そうか!
                                             河合将介( skawai@earthlink.net

さくらの独り言「 蓮の華

7月21日から、公立小中学校は夏休みに入った。東京も梅雨が明け、本格的な夏を迎えようとしている。この季節、燦燦と照りつく太陽の下で鳴きはじめる蝉の声に、幾つかの忘れられないことがある。2年前の7月30日、52歳で旅立った兄、純ちゃんの看病。兄妹の熱い想いと人の命のはかなさを想い出す。今朝、マンションの中庭の池には、小さな蓮の華が浮かんでいた。高層マンションの谷間の水上に、仏の住む清らかさを感じるような想いになった。台風の影響で心なしか涼しい今日、この蓮の華に思いをよせてみた。

今年6月初旬、年に一度の里帰り(帰国)をなさったロス在住、雑貨屋・主筆でもある河合さんと玉兄イこと中條氏らと、東京・上野で会った。不忍池の近くで待ち合わせだったこともあり、みんなで不忍池に立ち寄った。開花にはちょっと早すぎたので、華は見られなかったが、そこはまるで水面を覆い尽くす蓮の葉っぱの絨毯。あれから一ヶ月あまり後の7月某日、仕事で上野方面へ行った帰り、不忍池を再訪した。『湖水浪しづかにして、紅白の蓮玉を吐きて旭をむかへ、華は水面を覆ひて、ただ芝生の如し』(「江戸砂子」)と記されているように、周囲1.7kmに及ぶ広大な池一面に紅白の蓮花が咲き競い、中央の弁天様が一段と恭しく思えた。またつい先日、所用で逗子へ行った時、何年ぶりかで鶴岡八幡宮の源平池に立ち寄った。大鳥居をくぐると、東に源氏池、西に平家池の蓮池がある。東西合わせて「源平池」と呼ぶ。この池は、北條政子が夫・頼朝の必勝を祈願して造らせたといわれ、源氏池には“産”(繁栄)の願いを込めた三つの島が、そして平家池には“死”(滅亡)を表す四つの島がそれぞれ浮かべられている。時はちょうどNHK大河ドラマ「義経」が少しずつ視聴率を上げているこの頃、今まさに源平池の紅白の蓮花が800年前の“源平合戦”を彷彿させるかのように向かい合って咲き競い、大勢の観光客の目を楽しませている。そういえば、1年前、北信州・木島平へ女3人旅をした時に訪れた稲泉寺(別名・蓮寺)の蓮池(雑貨屋第429号:2004年8月1日「自然劇場その2」で紹介)がある。約1,800坪の蓮池が寺の四方を取り囲み、見事な大賀蓮を咲かせていた。場所柄(お寺の敷地内)だけに、蓮の華一輪に浄土(仏の住む清らかな世界)を見る思いがしたものだった。大賀蓮とは、古代蓮のこと。東京近郊で有名なのが埼玉県行田市、熊谷市、羽生市などにある「古代蓮の里」。残念ながら、まだ一度も行ったことはないが、近い将来、是非にも行ってみたい場所ではある。

さて、お釈迦様に代表される仏様の台座に“蓮華座(れんげざ)”というのがあるが、蓮華とは、もちろん蓮の華のこと。蓮がインド原産というのが、いかにも当たり前のように思える。蓮の華にまつわる仏教・法華経の教えには、なかなか面白いものがある。蓮の種は「忍耐」のシンボルといい、前述した大賀蓮のごとく、土の中で何千年間も恵みの水を待っていられる種らしい。また、蓮の華は、華が咲いた時、同時に果実(種)が実るという。さらにこの蓮の華の種中にはすでに、青い芽があるというから、本当に神秘的である。しかしまた、この蓮の花は3日しか咲かない、なんともはかない華ではある。第一日目に三分、二日目に七分、そして三日目に満開で、終わってしまう。こんなことからも「一華(いちげ)五葉を開き、結果自然(じねん)になる」と禅宗の句があるのだろう。

幼少の頃親しんだわらべ歌に、「♪ひ〜らいた ひ〜らいた な〜んのは〜なが ひ〜らいた れんげのは〜ながひ〜らいた♪」というのがある。たしか、香山(こうやま)美子さん(童話・童謡作家)の詩だったと記憶している。幼い頃、その歌の「れんげのはな」というのは、春先になると田んぼや畑に咲く、あのレンゲソウだと勘違いしていたものだ。田畑に咲くあのレンゲソウではないこの蓮が、汚い泥水の中から伸びだして、美しい神秘的な華を咲かせると知ったのは、人生の折り返し地点を過ぎてからだったと思う。蓮の華に思いをよせ、今は亡き兄の純ちゃんを想いつつ、そしてはやり、美しく咲くことを願う初夏・・・っと呟く、さくらの独り言。
kukimi@ff.iij4u.or.jp

川柳 & コント(東京・成近)


( 川 柳 )

しょうのない話を発泡酒で流す

割り勘という友情を酌み交わす

乾杯とこんなに義理が手を上げる

祝杯の味もカルテのお墨付き

死神に待った まだまだ飲み足りぬ


( ニュースやぶにらみ )

「梅雨明け後」
解散風の動向が気になります −永田町

「ウナギの価格 去年の1.5倍」
かといって牛もだめだし −土用丑の日

「女性の寿命20年連続世界一」
母親は強し、女性はなお強し −男性

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

森田さんから

怪しげな隣人

 ある夏の夜、テレビを見ていると突然、銃声のような音が響いた。
「なんだ ! あの音?」
 腰を浮かしたのは夫である。
 ピストルの音に間違いないと、勝手口にすっとんで行った夫の後を私も追った。
裏木戸を細めに開けて外を見た。道路の反対側のコーナーに、外灯に照らされて若者らしき男が三人。そのまわりには白い煙が立ち昇っていた。ただならぬ雰囲気だ。私は怖いもの見たさの好奇心で、踏み台を持ってきてブロック塀越しに外を見ようとした。すると、
「止めとけ、危ないぞ ! 流れ弾に当たったらやられ損だ。出るな」
 夫が声を押し殺していう。
「ちょっとだけ、ここなら大丈夫」
「バカ ! なにとる。家に中へ入れ」
 夫に叱られて、私はしぶしぶ家のなかへ入った。

ここに居を構えて三十数年このかた、コソ泥はあったが物騒な事件は起きていない。この辺りはロサンゼルス郊外の丘の中腹にある住宅街で、比較的安全といわれている地域である。我が家の横は五フィート高さのブロック塀があり、建物の間に二メートルの細長い空き地がある。ここがリタイヤをした夫の仕事場になっていて、日がな一日、夫は小道具の修理をしたり、こまかな大工仕事をしながら、それとなく斜め前の隣人を観察している。以前は中国人の家族が住んでいたのだが、半年前にサンフランシスコへ転勤になり借家にした。いまでは、四十代の白人夫婦が住んでいる。私たちとは言葉も交わさない。
「あの家はどうもおかしい。ギャングのような格好をした若者がしょっちゅう出入りしている。どう見てもまともじゃぁないな」
 夫は胡散臭そうにいうのである。
「ミセスが庭に花を植えたりしているから、普通の家庭に見えるけど」
「いや、違うなァ」
 と、夫がいった。「絶対におかしい。この間、うちの前に車を停めてじっと地図を見ていた男がいたが人相が悪かったぞ。その車があの家の前に停まってるんだよ。不思議と思わないか。麻薬を買いにきて住所を調べていたんだよ、きっと」
 夫は半年間、隣人を観察した結果、麻薬リーダーに決めつけてしまったのだ。
 娘が高校生のころだった。
 ジョンという娘の同級生が我が家によく遊びにきていた。どんな家庭の子供かと娘に尋ねると、ジョンの両親は離婚し、いまは母親と住んでいる。兄さんは麻薬のリーダーで刑務所に入っていて、姉さんは高校時代に妊娠して子連れ高校生になったが無事に卒業したというのである。
「でもねマミー、ジョンはクリーンよ」
 そんな家庭でも悪に染まらず、いい子なのだと、それがどうも立派だといいたげな娘の口調だ。おまけに、友達の家庭内事情とマミーは関係ないでしょ。なぜ知りたいのよ、と娘に詰め寄られた。
 人間の人格や行動、思考というのは、まわりの環境にしらずしらずのうちに影響され心の奥底にある無意識の世界に蓄積されていくものだから、環境条件は決して無視できないのだと説明しようとして、はたと困った。英語でどういったらいいのか、頭のなかでしどろもどろしているうちに言えなくなった。
 結局、私たちの身近なところまで麻薬の問題が迫ってきて、善良な市民のなかへどんどん怪しげな人が混ざって見分けがつかなくなっているのだ。
 怪しげな隣人に話をもどすと……。
「中国人の大家がオレに話していたが、家賃を滞納しているらしい。そういえばこの頃見ないな。麻薬でも仕入れに行っているのじゃあないか」
 夫は麻薬にこだわっていた。
「もし留守なら、あの音とあの家は関係ないわ。第一、ピストルを撃つと煙がでるかしら?」
 私と夫は、無責任な噂話しをつづけた。その翌朝、近所の人に尋ねるとこういったのである。
「ああ、昨夜のあの音? あれは子供たちが爆竹で遊んでいたのですよ」
                                       おわり
  森田のりえ  noriem@JoiMail.com

 

 

 

編集後記

ハードディスクのひとつが、ついにダウンしました。バックアップをとっていたので問題なしです。
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Zakkaya Weekly No.480

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              tenshu@zakkayanews.com