龍翁余話(547)「やっと開場・豊洲市場」
土壌汚染問題で、もめにもめた『豊洲市場』が10月11日にようやく開場した 。2年間の移転延期費用はざっと150億円(土壌汚染追加工事費約50億円、市場業者保障費約50億円、豊洲・築地両市場の維持管理費約50億円)。それらを含め『豊洲市場』には総事業費7,000億円(以上)が使われたそうだ。これから先の築地市場跡地の再開発・維持費等を含めると1兆円を超えると言われている。この巨額な資金の中には当然、我々都民の税金が含まれる。それなのに翁、当初はこの“豊洲市場への移転問題”には、ほとんど興味関心はなかった。翁が築地市場に足を運んだのは12年前と5年前のたったの2回(それも外国からの友人を案内しただけ)。しかし、その時の“ガイジン観光客”の多さに驚き“世界のTsukiji”を認識させられた。それ以来(豊洲への移転で)“世界のTsukiji”の名が消えるのか、という多少の感傷気分はあった。
石原慎太郎都知事時代、豊洲市場移転が決定してから17年もかかった。これまでの(移転に伴う)責任問題やお金の問題はさておき、開場した以上は“世界のToyosu-Market”になって貰いたい、との期待を抱いて早々に見学に行った。広さは築地の1.7倍の延床面積51万u(東京ドームの約7.5個分)――翁のカメラでは、とうてい全景は撮影出来ないので豊洲市場の資料写真を拝借する。
ゆりかもめ「市場前」で下車、道路を挟んで右側が北棟(6街区=水産仲卸売場棟)、左側が南棟(5街区=青果棟、7街区=管理施設棟・水産卸売場棟)。一番の見せ場“マグロの競り”は7街区の水産卸売場棟で朝5時半頃から始まり、2階の見学フロアから真下の競り風景を見ることが出来る(写真左=資料写真)。仲卸売業者が集まり“手やり”と
いう指の合図で値段を提示、“競り人”は一番の高値をつけた業者に売る。競りの現場音が見学フロアにも聞こえるので臨場感がいっぱいだそうだ。翁が行ったのは昼頃だったので、競りは終わっていたが見学フロアまで行く途中の(廊下の左右にある)13店の寿司屋の前には行列が出来ていた(写真右)。生魚が好きではないし、並ぶのが嫌いな翁は写真を撮っただけで素通り。市場内の飲食店は(5,6,7街区の合計)39店。なお、マグロの競りは毎日ではないので競りを見たい人は“開市日・休市日”を確認する必要がある。
6街区(水産仲卸売場棟)へも行って見た。見学コースの最初に目に入ったのが(10月11日の移転日、ニュースで話題になった)ターレ(ターレット式の構内運搬車)(写真左)。
案内板に従って歩く。広過ぎて、まるで”迷路“。うろうろしたが、似たような店が並んで(写真右)自分の現在位置が分からなくなるほどだ。この建物は街の魚屋・寿司屋・乾物屋・各種飲食店などが水産物・水産加工物を仕入れに来る場所。買出人は都内、近県に限らず東北・東海地方からも仕入れに来る。その数は1日平均1万人だそうだ。水産仲卸業者は10月11日現在で540店、築地市場は(移転直前)558店だったから18店が廃業。
“安全宣言“は出たものの、まだ課題の多い『豊洲市場』だが、翁、場内を歩きながら考えた。やっとオープンしたのだから、ここが新しい“食文化の殿堂”になるよう、大いに期待したい。そのためには東京都が主張する豊洲市場のコンセプト「高度な衛生・品質管理、省エネ・省資源、街づくりに貢献」を実現して貰いたい――この世界最大規模の『豊洲市場』を、これから先、どう発展させるか、東京都及び市場関係者の責任は重い。翁が言う“責任”とは(経営責任は当然だが)都民・国民の健全な食生活への貢献、“世界のToyosu-Market”実現への責任、である・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。 |