私は当地ロサンゼルスを中心とする日系バイリンガル新聞である羅府新報の『磁針』欄に、ほぼ月一度寄稿をしています。ここで磁針寄稿250回を迎え、これまでの寄稿文を整理しています。
ほとんどの文章は当、雑貨屋ウイークリーに投稿しているコメントですが、『磁針』のほうはロサンゼルスを中心に滞在している日本人や日系人を対象にしており、また紙面の都合上、文字数に制限があり(860文字)、雑貨屋用とは若干ニュアンスが異なった書き方、内容になっています。
そこで過去の磁針寄稿文をここにも連載させていただき、ご参考に供します。
『 ロサンゼルス便り
』(羅府新報2003年1月度掲載)
ここ数年、日本ではインターネットやE-メールを媒体とした高齢者によるシニア・ネット活動が盛んなようだ。
I.T.(情報技術)の普及、利用の簡易化によりシニア世代でも容易にこれら媒体を使えるようになったこと、また、少子・高齢化にともない、健康と時間的余裕の出来たシニアが多くなったことなどがその理由として挙げられると思う。
今や情報媒体としてのパソコンは若者だけの特権にあらず、といった感じであり、これら日本でのシニア・ネット活動は当然ながら海外との交流についても積極的だ。
日本にはシニア活動のひとつに「海外ロングステイ同好会」がある。若者とは違う、シニアに適した長期海外旅行を実践しようという発想から生まれたものだそうだ。
私は企業定年でビジネスの第一線から引退した五年前から、日本の神奈川県にある、いくつかの「海外ロングステイ同好会」とかかわりを持ち、交流を続けてきた。
そして一昨年六月からこれら同好会のメンバーに対し「ロサンゼルス便り」をE-メールで発信している。ここで第百六号まで発信した。また、昨年九月から仙台、熊本、それにロサンゼルスのメンバーによる「日米シニア井戸端会議」(L.A.のコーディネーター、鶴亀彰氏)という日米交流グループへも「ロサンゼルス便り」を発信し、活発な意見交換への話題提供をさせてもらっている。
これらの交流はE-メールによる交信が常だが、時には「オフ会」と称し、実際にメンバーが相互訪問し語り合うこともあり、楽しくまた興奮する。
今年も1月10日には来米中のシニア・ネット仙台の佐藤、門脇両氏を囲んでトーランスで歓談することになっている。
手許の資料によると「敬老の日」が制定された1966年当時、日本の65歳以上の人口は国民16人に1人だったのが、現在では5〜6人に1人なのだそうだ。
私の「ロサンゼルス便り」の発信は、私自身のボケ防止が目的という側面もあるが、この発信がシニアの情報交換の場になればと願っている。 |
河合 将介( skawai@earthlink.net ) |