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1114号

NO.1114     Ryo Onishi              9/17/2017

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雑貨屋のひとり言

"トイザらス"が多額の債務を抱え、返済できないと破綻するとニュースで知りました。1980年にトーランスのトイザらスでものすごい数のオモチャを見て、まだ小さかった我が子をここに連れて来ようと思ったものです。たくさんの子供に夢を与え喜ばせてきた"トイザらス"を何とか再建できるようにしてもらいたいと思います。≪R.O≫

 

 言葉でない言葉

私は当地ロサンゼルスを中心とする日系バイリンガル新聞である羅府新報の『磁針』欄に、ほぼ月一度寄稿をしています。ここで磁針寄稿250回を迎え、これまでの寄稿文を整理しています。

ほとんどの文章は当、雑貨屋ウイークリーに投稿しているコメントですが、『磁針』のほうはロサンゼルスを中心に滞在している日本人や日系人を対象にしており、また紙面の都合上、文字数に制限があり(860文字)、雑貨屋用とは若干ニュアンスが異なった書き方、内容になっています。そこで過去の磁針寄稿文をここにも連載させていただき、ご参考に供します。

『 言葉でない言葉 』(羅府新報、1999年5月掲載)
 日本人には元来、余計な事はあまり言わず寡黙を良しとする風潮があるといわれ、そのためか日本には昔から「言葉でない言葉」が沢山ある。

「あうんの呼吸」、「以心伝心」、「目と目で話す」(その割には日本人は相手の目を見て話をしないが)などがそれだ。

更に日本には伝統的に「察しの文化」があり、相手の気持ちを察する、即ち、相手が明快に言わなくても、こちらが気を利かす事が美徳とされる考え方がある。

私など日本人経営の寿司バーや居酒屋で注文を聞かれ、「そうね、とりあえずビールを2〜3本、それにおつまみ適当に見計らってね」なんて言ったりしている。考えてみればこんな無責任な注文の仕方はない訳だ。

でも相手が日本人の板前さんや女将さんならそれでちゃんと通じてしまう。その時のこちらの雰囲気、様子からちゃんと察して、今日はビールは2本、おつまみは枝豆とマグロの刺し身少々・・と言った具合に「適当に見計らって」出してくれるのだ。

よくアメリカのレストランで食事を注文すると、サラダのドレッシングから始まってステーキの焼き具合、胡椒はどうする、粉チーズはどうする、と聞かれ、一々答えなければウエイトレスは引き下がってくれないので閉口する。(そこが個人の好みを尊重する洋食の良いところなのだろうが)
 
近年、人間の脳についての解明が進み、脳の研究者の中には、日本人の脳が如何に「あいまい思考」に適する脳なのかを説く学者も多い。

英語を母国語としている多くのアメリカ人に比べ、「言葉でない言葉」を多用し、「察しの文化」に生きる日本人が使う「あいまい表現」の日本語は見方を変えれば「読み・聞き・話す」言葉だけでなく、「あうんの呼吸」や「以心伝心」、「察しあう心」まで含む壮大なものであり、悠久の宇宙のような存在だとも言えるのかもしれない。

ただし、その「壮大な悠久の宇宙」であるが故に日本人のメンタリティと日本語が国際社会から疎外されるようでは困るのだが。

河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


歳なりのボケだと医者が言ってくれ

なるようになるとばあちゃん動じない

サブリメントその通りなら要らぬ医者

医療費が平均寿命怖く見る

喜を哀を踊る足腰まだ動く


( ニュースひとりよがり )


「北のミサイル、飛行距離3700キロ」
とんだことにならなければいいが −世界各国

「台風18号」
右に急カーブはいけません −平和憲法

「IホーンXは顔認証」
こっちはとっくの昔から −顔パス


河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(491)「“だらだら祭り”と“め組の辰五郎”」

地下鉄の都営浅草線「大門」の近くにひっそりと構える社(やしろ)『芝大神宮』(通称:芝神明)がある。“ひっそり”ではあるが、その歴史は長く格式は高い。今から1012年前の1005年(平安時代前期)に創建、主祭神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)と豊受大神(とようけおおかみ=食物・穀物を司る女神)。お二人の神様は、いずれも伊勢神宮の内宮・外宮の御祭神であるから『芝大神宮』は、古くから“関東のお伊勢様”と尊称され東海・関東、東北地方の善男善女から崇敬されて来た(と、由緒に書かれている)。

この大神宮の秋の例大祭『だらだら祭り』が有名だ。“だらだら”とは、気がたるんでダラダラする、という意味ではなく毎年9月11日から21日までの⒒日間も続けて祭礼を行なう“日本一(期間の)長いお祭り”であるから(江戸時代からそう言う名称だった)とのこと。それにしても、翁は“だらだら”は好まない、もっと別の気の利いたネーミングはなかったのだろうか――ある。『だらだら祭り』の期間中に“生姜市”が立つので『生姜祭り』とも言う。その名のほうがいい。生姜は香辛料(薬味)、魚の臭い消し、風邪退散や厄払いの妙薬。我が国には2〜3世紀頃、中国から伝わり奈良時代には栽培が始まっていたとのこと。『芝大神宮』創建(平安時代)以降、明治に至るまでこの一帯は生姜畑が多く、生産期にはいつも神前に生姜が供えられ、祭礼期間中は参拝者に生姜が売られていたそうだ。現在でも全国各地の生姜生産者からの奉納があり(写真左)、祭りの期間中は授与所で神明生姜が売られ(写真中)、お社に上がる石段の左脇に“生姜塚”の石碑まで建っている(写真右)。(石碑建立の謂われは、翁は知らない。)   

ところで、時代劇好きの翁、『芝大神宮』で思い出すのがテレビドラマ『暴れん坊将軍』に欠かせない登場人物“町火消・め組の組頭・辰五郎”(後に江戸町火消・いろは四十八組の総元締となる)。江戸時代“火事と喧嘩は江戸の華”と言われるほど(江戸は)火災が多かった。江戸時代初期、幕府はまず“武家火消”を制度化し、中期(1720年)には町奉行・大岡越前守忠相が8代将軍吉宗の命を受け本格的な町火消制度を発足させた(“享保の改革”の一環)。“いろは四十八組”の中で“め組”は『芝大神宮』を中心に現在の芝大門・芝1〜3丁目、芝公園・増上寺周辺・芝金杉町・愛宕町・虎ノ門・浜松町・三田・新橋一帯を担当した。“め組の辰五郎”を有名にしたのは『芝大神宮』境内で芝居見物中、ささいなことで相撲取りと大喧嘩、死傷者まで出した。1805年(文化2年)辰五郎22歳の頃だったとのこと。後に『め組の喧嘩』として講釈や歌舞伎に扱われるようになった。大門通りの歩道脇に『め組の喧嘩』を描いた石碑がある(写真左)。

そのほか『芝大神宮』と『め組』を関係づけるものとして社殿前の1対の狛犬の台座には『め組』と刻まれているが(写真中)、これは辰五郎が寄贈したものではなく(後年)氏子たちが『め組』の功績を顕彰するために建立したもの、と翁は推測する。推測ではなく本物の『め組』の遺品がある。『め組の半鐘』がそれだ(写真右)。普段は社殿奥に保存されているそうだが、祭りの期間中は境内に展示されている。(『半鐘』が島流しの刑に処せられ、明治になって島から帰還、『芝大神宮』に奉納されたエピソードは別の機会に。)

余談だが、テレビドラマ『暴れん坊将軍』に登場する“め組の頭・辰五郎”と『め組の喧嘩』で名を挙げた“辰五郎”は同一人物ではない。“享保の改革”の一環で“町火消”が制度化されたのは1720年、吉宗の死去は1751年、大岡忠相の死去は1752年、『め組の喧嘩』
の“辰五郎”は(出生年不詳だが)まだ生まれていない。だから、吉宗や大岡越前と交流があったとされる“辰五郎”は“ドラマ用設定”で史実ではない。第一“上様”が1人で市井を出歩くこと自体がウソ事だから、所詮『暴れん坊将軍』は作り話に違いないが、実は翁が調べた“め組の頭・辰五郎”は“豆辰”と呼ばれるほど小さい体つきだったが度胸があって腕っぷしが強い侠客肌の男だったようだから『暴れん坊将軍』“め組の頭・辰五郎”役の北島三郎は、まさにイメージ通りのキャスティングだ。

歴史上、もう1人の“辰五郎”がいる。江戸末期の町火消「を組」(現在の台東区一帯を担当、後の、いろは四十八組の総元締)の頭“新門辰五郎”(1800年〜1875年=明治8年)だ。幕臣・勝海舟や最後の将軍・慶喜と親交があり、辰五郎の娘・芳は慶喜の妾となった。ともあれ翁、昨日(16日)“だらだら祭り”に行って来た。“め組”の袢纏(はんてん)を着た氏子たちが此処彼処。時は流れても“め組の辰五郎”は今も生きており『芝大神宮』と“め組”の縁は続いている・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

2017年ポットラックパーティー

9月の上旬、毎年サウスベイのハイキンググループのポットラックパーティーがメンバーの家で行われる。日本では暑さ寒さも彼岸までという言葉があるけれどこの恒例のイベントの時期になると“あ〜今年の夏も終わりだな〜”と感じる。この日も日差しは強く汗ばむくらい暑かったけれど空にはうろこ雲が浮かんで秋の空に変わっていた。
今年も私はオックスナードから届いたシシトウを持参した。高温の鉄板にシシトウを焦がすくらい焼いてポン酢に漬けただけのシンプルなものだけれどアメリカ人には評判がいい。南米の人やアジアの人の嗜好にも合うようでどの国の人にも売れ行きがいい。

気が付くとシシトウを入れて持っていった器の中は空っぽになっていた。この数年定番になっている、このシシトウの味を覚えてくれている人もいて今回も“どうやって作るの?レシピを教えて”と尋ねられた。
このシシトウの生産者でありレシピ発案者の社長曰くポン酢と言っても昔からあるあのミツカンポン酢でなければ駄目なのだそうで他のポン酢ではその味が出ないのだそうだ。毎回人にあげる為に作り毎回大きい瓶のミツカンポン酢を10本ぐらい購入する。
そして毎回せっせとシシトウを焼いては持ってきてくれるのだ。
ほんの少し前までこのシシトウは米国のマーケットでジャパニーズチリと書かれて売られていた。今はちゃんとシシトウと命名されている。ポン酢も日本食が好きなアメリカ人だったら大抵の人が知っている。今では一般のマーケットでもライスビネガー(米酢)の隣にポン酢が並んで売られている。わざわざ日本食マーケットまで行かなくてもちょっとしたものだったら手に入るようになった事は喜ばしい事だ。


茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今週はお休みです。

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

Amazonプライムのメンバーになると、Amazon Prime Musicで音楽が聴き放題という特典があります。データベースにないジャズが聴け、ダウンロードしてiPhoneでいつでも聴けるのでうれしい限りです。
今回見つけたアーティストはジャズピアニストのLyle Maysです。1953年生まれで私と同世代なので親近感がわきます。透き通ったピアノの音がきれいで聴きやすく飽きがこないアルバムです。これからも注目したいと思います。

 

“Fictionary" Lyle Mays  

01-Bill Evans 4:49
02-Fictionary 7:11
03-Sienna 6:31
04-Lincoln Reviews His Notes 7:39
05-Hard Eights 7:34
06-Something Left Unsaid 4:53
07-Trio #1 6:07
08-Where Are You From Today 5:30
09-Falling Grace 4:46
10-Trio #2 5:26
11-On The Other Hand 5:02


ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

 

編集後記

給食を残す生徒が異常に多い中学校があると報道されています。成長期の子供が食べないというのは、よほどまずく食べたくないんだろうと思います。子供達が楽しく、美味しく食べられていないという状況を長い間ほったらかしにしていた大人達に問題がある気がします。子供達の気持ちを読み取れない学校はいじめの問題なども察知できないのではないかと思ってしまいます。

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Zakkaya Weekly No.1114

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com