木曽路の宿場町(奈良井宿)B
米国で購入した一週間のジャパンレイルパス、日帰り4日目の旅はどこに行こうか…
軽井沢から帰る途中明日の旅について考えていたら電車の中刷り広告が目に付いた。それは古い面影が残る宿場町の写真だった。背景には山が写っていた。タイトルは“初夏の木曽路を歩こう”その広告を見て“明日は宿場町を歩いてみよう”そう決めて翌日朝一番で新宿からスーパーあずさに乗り込んだ。あれこれ情報を集めてプランを練る時間などなかったので、とりあえず塩尻駅に到着して奈良井宿の行き方と情報をもらおうと決めた。
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市バス(塩尻ー奈良井宿) |
市バスの車窓から |
市バス2 |
塩尻駅に到着すると、まっすぐ観光局に向かった。ところが奈良井宿駅に行く乗り継ぎの時間が悪く次の電車は1時間20分だか待たないと来ないらしい。その他に市バスが出ていて奈良井宿に行くには1時間ほどかかるけれど間もなく来るとのこと。電車で行けば23分ほどの距離だけれど待つ時間がもったいないので市バスで行って見る事にした。1時間乗っても100円というのもいい。町の人の足を考えて市長さんが市バスの値段を上げないでくれているそうだ。そう地元のバスの運転手さんが教えてくれた。早速市バスに乗り込むと地元の人が2人乗ってきた。バスが走り出すと新緑の山々に山吹や終わりかけた八重桜の花が綺麗だった。バスの車窓から見る景色はまるで観光バスに乗っているようで楽しい1時間だった。地元の人とのおしゃべりも心が和むひと時だった。途中で地元の人が降りた。“あそこが私の家です。機会があればお寄りください”と挨拶をして降りて行った。私は奈良井宿で降りて、もう一人の地元の人はこのもう一つ先で蜂蜜を買いに行くと言っていた。毎年、梅を付けていて梅酒に蜂蜜を使って作るのだそうだ。
バスの停留所は電車の奈良井宿駅のすぐ前にあった。ここで降りて奈良井宿駅の構内に入ってこのあたりの地図と観光案内のパンフレットをもらった。町の通りを一望したら昨日見たポスターと同じ景色だった。そしてその景色の中を今自分が歩いている事に感動した。時折ツバメが目の前をピュンピュンと横切っていく。毎年この時期、ツバメが巣を作りに戻ってくるのだそうだ。酒屋さんに入ってお酒や麹を眺めていたらイギリスから来たというカップルが入ってきた。聞くとネットで検索して自分たちで決めてここに来たと言う。店の人が出てきて毎年、6月に、この町でお祭りがあって毎年たくさんの人が来て賑わうのだと話してくれた。今は嵐の前の静けさだと言っていた。
東京の人が多すぎる事にうんざりしている私には、この静けさが心地良かった。しばらく歩いていたらTVの撮影班が町の様子を撮っていた。お昼は、その通りにある、お蕎麦と五平餅を食べた。昔、京都と江 戸を結ぶこの街道を商人や旅人や大名達がそぞろ歩きで通って行ったのだろうか…何だかタイムスリップしたような気分を味わえて半日でも満足だった。帰りのバスでは、行きに一緒だった地元の女性と偶然また会った。帰り際にその女性から“この飴、美味しいですよ。”と私に飴を差し出してくれた。
そんな人の温かみを感じる奈良井宿の旅に、木曽路にある11の宿場町をいつか踏破してみたい気持ちになった。
茶子 スパイス研究家 |