龍翁余話(466)「花粉症予防」
近年、翁の周辺でも、花粉症患者が増えたような気がする。翁は、(風邪、その他のバイ菌予防で)かなり以前から街に出る時はマスクを着用しているが、最近、街の中でマスクをしている人を多く見かけるようになったので、てっきり“風邪予防”と思いきや(それもあるが)友人たちやゴルフ仲間から花粉症予防のマスク着用者が多いことを知らされた。花粉症患者は(子どもも含め)年々増加しており、厚生労働省の発表によると、スギ花粉だけでも例年1,500万人以上、その他も含め日本の花粉症患者の総人口は2,000万人以上、つまり、5人に1人が花粉症患者であり、これはまさに“国民病”ということになる。花粉症は昭和30年代の終わりから40年代の始めにかけて発見された疾患で、すでに半世紀を超えているので、その症状や治療法などの知識は充分に周知されていると思うが、蔓延しているこの時期“花粉症に苦しむ”友人たちのためにも(勿論、翁自身のためにも)【花粉症予防】を今一度考えてみたい。
りました。
花粉症の症状は今更、説明は要しないと思うがクシャミ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ・流涙・頭痛・皮膚炎など、通年性・季節性アレルギー性鼻炎に共通する症状。実は翁、数年前から(花粉症に酷似した症状の)“寒暖差アレルギー”に罹り、文字通り寒暖差の激しい日や時間帯、場所でのティッシュの使用量が増えた。このことは2015年4月に配信した『龍翁余話』「寒暖差アレルギー」で詳しく述べた。その1部を抜粋すると――【こんなに寒暖差の激しい年は、体が気温の変化について行けず、花粉症によく似た症状に見舞われ、ウンザリする時がある。具体的には、朝起きて洗面所に行った時、夕方シャワーした直後、あるいは暖房のきいた車や建物から外に出た時(冷たい外気に触れた時)、やたらにクシャミが出て鼻をかむ回数が多くなる。まだある。ゴルフの時、翁は朝レストランでコーヒーを飲んでからコースに出るのが習慣。ところが冬場、暖房のきいたレストランから外に出た途端、クシャミや鼻水に襲われ、第1スイングを乱すこと、しばしば・・・近くのクリニックのドクターに相談したら「それは花粉症ではなく寒暖差アレルギーでしょう。夏頃になれば自然と治ります」・・・】――だが、翁の寒暖差アレルギーは未だに治らない。
花粉が飛散する時期は、その年や地方によって多少のずれはあるものの、種類によっては
ほぼ決まっているそうだ。たとえば関東地方ではスギ花粉が1月〜4月(今、まさに猛威のど真ん中)、ヒノキ花粉が5月〜6月、カモガヤ(イネ科の多年草)花粉が6月〜8月、ブタクサ(キク科の1年草)花粉が8月〜9月、ヨモギ花粉も同じく8月〜9月となっている。それだけではない、花粉症の原因となる花粉の種類は、日本の場合、60種類もあるとのこと。要するに飛散する樹木や草の花粉は全て花粉症の要因になると考えた方がよさそうだ。
(前述のように)5人に1人という“国民病”を完全に治せる治療法はないものだろうか?世界最高水準の医療技術を持つ日本の医療をもってしても(現段階では)花粉症を完全に治す確たる技術も薬もないそうだ。しかし症状を軽くするために症状の種類や重さによって飲み薬や点鼻薬(てんびやく=鼻の粘膜にある血管を収縮させ、空気の通る道を無理矢理に広げる薬)が使われているのが現状だとか。調べて見たら、クシャミ、鼻水、鼻づまりなどには“抗ヒスタミン薬”が効果的、とある。また、アレルゲン免疫療法というものがあるそうだが、(翁は薬のことはよくわからないので)いずれにしても医師に診察してもらい、指示に従うことが安全だろう。
薬に頼るだけでなく、自分で出来る予防は出来るだけやった方がいい。慢性花粉症の人は(毎日のように花粉情報がテレビや新聞、スマホなどで知らされるので)予防対策はそれぞれ行なっていると思うが、参考までに厚労省が出している“自分で出来る予防対策”を見ると「花粉が飛びやすいのは晴れや曇りで気温が高い日。また、乾燥している日や風が強い日も要注意。外出の際は、マスク・メガネ・帽子を忘れずに身につけましょう」とある。マスクは、内側を少し湿らせておくことによって花粉をシャットアウト出来るそうだ。また、最近は、花粉対策用のメガネも市販されている。メガネは、目に入る花粉の量を減らす働きがあるので試してみるのもよかろう。そして(前述のように)帰宅した時、(室内に入る前に)上衣をはたいたり、手洗い、うがいは勿論のこと、出来れば洗顔や洗眼もお薦めしたい(翁も励行している)。
洗濯物は、(翁は乾燥機を持っていないので)室内干しをしている。狭いベランダだけれど干し場のスペースくらいはあるのだが、下着などを外に晒すのはどうも気恥ずかしいので、布団や毛布などの日干し以外は、全て室内干し。実は、花粉症予防には、この室内干しがいいそうだ。布団や毛布などを(日干しから)取り込む際、勿論、よくはたくが、取り込んだら掃除機をかけると更に効果的。(そうは言っても翁は、たまにしかやらない・・・)
室内の加湿・空気清浄機も花粉対策には役立つ。翁のリビングにもS社の空気清浄器を置いている。表記されている集塵率(しゅうじんりつ)は95%となっているので、まあまあ花粉や埃を吸い込み、空気をきれいにしてくれている、と、一応は安心しているが・・・
ついでに(絶対ではないが比較的)花粉症によい、とされる食べ物を調べて見た。フキ・レンコン・ワサビ・バナナ・シソ・玉ネギ・キクラゲ、それに甜菜(テンサイ)。甜菜と言えば、翁が若い頃、北海道・帯広で甜菜農家を取材したことがある。別名“砂糖大根”と呼ばれ、国内生産砂糖の80%は甜菜からだそうだ。甜菜(ビート)畑を見た時、ほうれん草畑と見間違えたことを覚えている。実は翁、甜菜を食べたことがない。砂糖の原料だから一般的には(生は)食べないのだろうが、翁の大好物の杏仁(アンニン)豆腐には甜菜砂糖が使われているそうだ。花粉症によい、とされる食べ物を調べているうち、杏仁豆腐に行き当たった。これは嬉しい。早速、今日も・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。 |