昭和記念公園の黄葉
東京はビルばかりと思っていたら案外、調べてみると庭園や公園が多い。東京都公園協会のホームページを見ると季節ごとのイベントや見ごろの花や植物の案内が出ている。
その案内を参考に日本に帰った時は近場で行ける公園や庭園を訪れるようにしている。
今回は母が前から行きたかった昭和記念公園に出かけてみた。公園は東京ドームの約40個分とあってとにかく広い。だから入口が6か所もあるのだ。総合案内所のあるメインの曙口から入るには立川駅(北口)が便利だと言うので新宿から中央線の特別快速に乗った。電車で約30後、立川駅に到着して駅からテクテク歩いて10分ほどで公園の入り口にたどり着いた。公園に入る手前に昭和天皇記念館があったのでそこにも寄ってみる事にした。昭和天皇がお生まれになった頃から晩年に至るまでの日々が写真やビデオで紹介されていた。母にとっては激動の時代を一緒に生きた昭和天皇の存在は特別な存在なのだと思う。記念館で昭和3年、即位の礼のために皇居から東京駅へ向かう時の馬や人の行列の模型があった。一番、最初の列には人が担いでいる箱がありその後には馬車が2台続いていた。何が入っているのだろうとじっと見ていたら後ろから係りの人に声をかけられた。“ この箱の中に何が入っているのかわかりますか?” もちろん答えられなかった私に係りの人が教えてくれた。“ この中には三種の神器と言って勾玉と
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公園 |
公園 |
お散歩 |
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パークトレイン |
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パークトレインの窓から |
宝刀と鏡が入っています。最初の馬車の上には鳳凰が飾られていますが、ここに天皇陛下、次の列の馬車に皇后様が乗っておられます”と。何も知らない自分が何だか恥ずかしく思えた。母が子供の頃は学校に行くと天皇陛下の写真と二宮金次郎の像と日本の旗が立っていたと言う。私の記憶には学校の正門には桜の木しか無かったと思う。
昭和天皇記念館を出て公園入口に入ると黄葉した木々が曇り空を明るく照らしていた。健脚の人であれば一日歩き回って公園を散策したり日本庭園でお茶をしたり自転車をレンタルして公園を走りまわって一日過ごすのもいいと思う。歩くのは苦手と言う人にはとりあえずパークトレインといってパークの中を一回りする電車に乗って好きな所を見て歩くのが手っ取り早い。一回りするのに40分。各停車場には15分置きにパークトレインが来るので便利だ。私たちはパークトレインで公園を一回りしてからもう一度、黄葉の並木道を散歩した。途中、フィリピンから観光に訪れていた若い女性のグループから写真を頼まれて撮ってあげた。落ち葉を拾い上げそれを空に撒いた瞬間をとって欲しいと言う。日本の四季折々の日本人にとっては、あたり前の風景が初めて見る外国人にとっては感動的な景色の一コマなのだ。ファインダーを通して、そんな彼女たちの感動がこちらにも伝わってきた。
茶子 スパイス研究家 |