自前資源の国への最前線
日本には天然資源が無い国だから石油や天然ガスを外国に依存して買わなければならないと信じ込まされていた信仰が最近は徐々に疑問視されるようになってきた。
それは、日本の排他的経済水域に眠っているエネルギー資源、メタンハイドレートや天然ガスや石油がある事実が知られるようになってきた最近の事。
日本がメタンハイドレートの掘削作業に取り組んだ途端、天然ガスの輸入価格が下がったという。
2013年3月に日本が世界で初めてメタンハイドレートの試掘に成功したというニュースが流れても日本では、殆ど報道される事は無かったと思う。私もメタンハイドレートという言葉を初めて聞いたのは数年前ラジオで青山繁晴氏の話からだった。
そのメタンハイドレートを最初に発見したのが青山千春博士。1997年日本海でナホトカ号が沈没して船体から流れ出る重油が問題になった。その時に環境の影響を調べに東京海洋大学が船を出した。その調査隊の一人として海鷹丸に乗り込んだ果敢な女性が青山千春博士だった。
その時に偶然、海鷹丸の計量魚群探知機に映し出されたのがメタンハイドレートだったのだそうだ。
そんな青山千春博士の話を聞くチャンスがあればと思っていたらちょうど昨日の土曜日、東京海洋大学で彼女の講演があるのを知って友人と出かけた。
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海鷹祭 |
学園祭 |
水産専攻科 |
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マグロ販売 |
雲鷹丸 |
メタンハイドレード |
品川にある東京海洋大学の正門に行くと海鷹祭という看板が掲げられていた。ちょうど学際の真っ只中、模擬店がズラリと並びたくさんの人で賑わっていた。今まで何度か行った東京農大の学際とは違って海洋大学の学際は水産物が多くあちこちのブースから魚介類の焼けるいい匂いがしていた。
青山千春博士の講演会場に着くとすでに座席は残り少なくなっていて講演が始まる前には立ち見が出るくらい、たくさんの人で一杯になった。来年の4月からは東京海洋大学で新しい学部”海洋資源研究学部”というのが出来るそうだ。その講師をつとめるのが青山千春博士だそうで、その彼女の話を聞いてみたいという若い人たちも多かった。講演前に、この大学のOBの人達による合唱団が歌を披露してくれた。
名前は海鷹丸合唱団。何だかその歌を聞いて感動してしまった。その中にたった一人だけOBの女性がいた。昔からこの分野の大学を目指す女性は珍しかったのだと思う。漁船に女は乗せないという”女人禁止”が常識だった時代から今はいろいろな分野で女性の活躍が見られるようになった。
講演が終わってキャンパス内を歩いてみたら大きな船が展示されているのが見えた。その船は明治42年頃から活躍した雲鷹丸が退役して展示されていたものだった。
日本は農業国家でもあるけれど海に囲まれた海洋国家だったのだという事を改めて認識させられる1日になった。
茶子 スパイス研究家 |