weekly

1068号

 

NO.1068     Ryo Onishi              10/30/2016

 weekly
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雑貨屋のひとり言

10月も終わりに近づき秋がだいぶ深まってきました。日照時間も短くなり、それが余計に秋を感じさせます。おそらく今が一番気持ちのいい季節だと言い聞かせています。出かけるときの服装が変わってきました。この夏はユニクロのジョガーパンツを愛用していましたがさすがにもう履かなくなりました。陽が当たっているときは軽い服装でいいのですが、朝晩はそれでは寒いので何を着るか迷ってしまいます。もうすぐしたらヒート・・という肌着のお世話になりますね。≪R.O≫

 

 ため息をつく(磁針寄稿文)

 私は当地ロサンゼルスを中心とする日系バイリンガル新聞である羅府新報の『磁針』欄に、ほぼ月一度寄稿をしています。ここで磁針寄稿250回を迎え、これまでの寄稿文を整理しています。

ほとんどの文章は当、雑貨屋ウイークリーに投稿しているコメントですが、『磁針』のほうはロサンゼルスを中心に滞在している日本人や日系人を対象にしており、また紙面の都合上、文字数に制限があり(860文字)、雑貨屋用とは若干ニュアンスが異なった書き方、内容になっています。そこで時折、磁針寄稿文をここにも連載させていただき、ご参考に供します。

『ため息をつく(磁針寄稿文、2016年4月掲載)』
毎日の生活の中で、当たり前の常識だと思っていたことが実はそうでなく、非常識だったりすることがある。行きつけの日系のレンタルDVD店で借りた日本のテレビ番組に「ソレダメ、あなたの常識は非常識!?」というタイトルを見つけ、興味をひかれたので借りてみた。

常識だと思っていたことが、時には理にそぐわなかったり、非科学的であったりし、意外とあてにならないものもあるということを教えてくれる番組で、その中に「ため息はどんどんつくべし」というのが面白かった。

人生楽しいことばかりでなく、やりきれない程つらいことや切ないことが続き、思わず出てしまうのが“ため息”だ。私も時々思わずため息をかみ殺しているのに気付く。

でも私たちは他人様の前では、恥ずかしい、自分の弱みを出したくない、幸せが逃げてしまいそうなど、ため息は悪いことだととらえ、極力我慢するのが常識だと心得がちだ。

今回、この番組では、この常識は間違いだと指摘していた。(東京都市大学、早坂信哉教授による)。「ため息を我慢することはよくないことで、ため息はどんどんついていただきたい」というのだ。

ため息はどんどんついたほうが良いとは、一体どういうことなのか。早坂教授によると、意識的にため息をすることによりストレス緩和、やる気の持続といったことにつながるのだそうだ。

そもそもため息が出る時は、からだは強いストレスを感じている状態なので、大きくため息をつくことで呼吸が深くなり、からだの緊張は自然とほぐれてくるのだそうで、そんなからだの防御本能であるため息を無理に止めようとすると、余計にからだを苦しめてしまうことになるという。 

一回ため息をつくと、ひとつ歳をとるとよくいわれ、私はつかないようやせ我慢をしていたが、ため息をつくことで、明日への活力へつながるのだったら、積極的についても良いようだ。

日常生活を送るにあたって欠かせない礼儀やマナーなどは人間として最低限守らなければならない常識だが、ため息なら他人様を不快な気分にさせない範囲で一人になってから思い切りつこうと思っているところだ。

河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


A案B案知恵をつなぎにして捏ねる

ノ−という2文字に勇気試される

ぎりぎりの選択情を切り捨てる

一筋の道を愚直の汗と行く

もうとまだ繰り返しては歳を取り


( ニュースやぶにらみ )


「船村徹さんに文化勲章」
貰っておきなよ −ボブ・ディラン

「読書週間」
週刊文春だけは読まない −舛添全都知事

「暴言」
一度吐いてみたい −失言大臣


河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(448)「神田古本まつり」

実りの秋、食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋、行楽の秋、読書の秋・・・これらの文字や音を目にしたり耳にしたりするだけで“やはり秋はいいなあ”をつくづく感じる。翁の個人的なことを言えば、食欲とスポーツ(ゴルフ)は秋に限らず年中、おかげでメタボと日焼けも年中。行楽シーズン中の行楽は避けるが、老齢になった今でも、年に数回はドライブやバスツアーなどの小旅行に出かける。ところが芸術鑑賞(美術館・博物館巡り)や読書は加齢とともにめっきり減った。特に読書だが、かつては翁が持ち歩くバッグの中には文庫本や単行本を入れておいて(例えば)電車の中や病院での待ち時間、あるいは就寝の前に拾い読みをしていた。それが近年、バックの中は携帯電話、カメラ、薬、保険証、印鑑、のど飴、ティッシュ、タオルなどで本の類(たぐい)は無くなった。それでも、たまには新書や古書の小説を買って来て“燈火稍可親(灯火、ようやく親しむべし)”の風を装ってみるが、いつの間にか睡魔に負ける。1冊読み終えるのに2、3週間かかることもある。加齢とともに“読書根気”が無くなったのだ。

文化庁が今年3月に行なった『国語に関する世論調査』(16歳以上3000人対象)によると、「1か月ほとんど本を読まない」の回答が約48%あった。特に高齢者層では約70%。高齢者の“活字離れ”は体力(特に視力)の衰えに起因すると文化庁は分析しているが、翁の場合は“読書意欲”と“読書根気”の衰退が一番の原因だ。更に文化庁の発表では、読書量の減少(活字離れ)は全ての年代層にも共通している。「以前に比べ(自分の)読書量は減っている」と答えた人が約65%。減少の理由で最も多かったのは「仕事や勉強が忙しくて本を読む時間が無い」が約52%、「携帯電話やパソコン、テレビなどの情報機器で時間がとられる」が約50%。翁の読書量の減少理由も(本当は“読書意欲“や”読書根気“衰えているのに)「パソコンにしがみついている時間が長い」ことを言い訳にしている。

ところで、10月28日から『神田古本まつり』(第57回)が開かれている(11月6日までの9日間)。東西は駿河台下交差点から専修大学前交差点までの靖国通り沿いと神田すずらん通り沿い、南北は神保町交差点からJR水道橋方面の白山通り沿いに、ほとんどの古書店が集中している。その数、約170店、扱い冊数は約100万点、その規模は世界一と言われる。まつりの期間中、全国から約50万人の“古書愛好家”が集まるそうだ。中には外国からも“日本文化愛好家”がやって来ると言う。翁も開催前の某日、数十年ぶりに古書街を歩いた。地下鉄・三田線の神保町駅を降りて靖国通りに出る。神保町の交差点を挟んで小川町(駿河台下方面)と九段方面に軒を並べる古本屋(写真左・中)が、とても懐かしい。翁は社会人になってからは、この街とも縁遠くなったが、貧乏学生時代は友人とよくこの界隈を歩き回ったものだ。たいがいは立ち読み(タダ読み)だったが、たまには内外の名作を1人1冊ずつ買う、読み終わったら本を交換し合うのが常だった。たしか1冊10円くらいからだった。貧乏学生の翁たちが買う古本は、高くて30円、30円はカレーライスが食えた時代だ。本を買ったその日の昼飯はジャム入りコッペパン(10円?)1個で済ませる・・・そんなことを思い出しながら“我が青春の思い出の街・神保町古書街”を歩いた。

“我が青春の思い出の街”と言えば、かの文豪・夏目漱石も青春時代をこの街(神保町)で過ごしたそうだ。歩いていたら『神保町・漱石フェス』のポスターを見かけた(写真右)。“漱石没後100年記念祭”(10月8日〜30日の土日)である。神保町交差点(小川町寄りの)直ぐ傍に“本の街の案内所”がある。そこには古書街一帯のマップや『古本まつり』、『漱石没後100年記念行事』に関係するチラシなどが置かれているし、古書店の所在地や本のジャンルなどを検索するパソコン数台も用意されている。そこのスタッフに『漱石と神保町の関わり』について訊いてみた。

漱石(本名・金之助)は(家庭の事情で)小学校は浅草、市ヶ谷を経て11歳の時、錦華小学校(現・お茶の水小学校)に転校、神保町の第一中学校(現・日比谷高校)、駿河台成立学舎(明治初期から明治25年まであった英語中心の予備校)から17歳で大学予備門(のちの第一高等中学校、のちの第一高等学校、現在の東大教養学部)に入学。この頃、神保町で下宿生活を始めた。11歳に錦華小学校に転校して来て、23歳で予備門を卒業し、東京帝国大学英文科に入学するまでの約12年間が、“漱石の神保町時代”ということになる。なお、明治の俳聖・正岡子規とは予備門時代に出会い、2人とも東京帝国大学へ。漱石は英文科、子規は哲学科へ(のちに国文科へ転科、1892年退学)とコースは分かれたが2人の深い絆(友情)は終生続く。更に追加情報――漱石も子規も1867年(慶応3年)生まれの同じ歳。来年(2017年)が2人の生誕150年に当たるので、愛媛県松山市をはじめ東京でも神保町、新宿・本郷・根岸(子規庵)などの各地で『漱石・子規生誕150年記念祭』が(今年12月頃から)予定されている。

『神田古本まつり』スタートの前日の10月27日は『文字・活字文化の日』、その日から翌月(11月)9日までが『読書週間』。「人々は本から知識・知恵・感性を学び、豊かな人間性を育む」と読書推進協議会は言う。翁はもう手遅れだが、それでも“秋の夜長”、(先日、神保町で買った漱石の、あまりメジャーでない小説)『二百十日』(阿蘇山に登る2人の青年の会話)と『趣味の遺伝』(日露戦争を冷ややかに描いた小説)を読もうと思っている。読み終わるのに“冬の夜長”までかかると思うが・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

アメリカ大統領選”

今回のアメリカ大統領選は史上まれにみる”嫌われ者同士の選挙戦”という嘆きの声があちこちで聞こえてくる。現地でアメリカ人の人に聞いてみると本当にどっちも嫌だという声が殆どだ。先日、クライアントさんが友人と電話で話していたのを聞いていて笑いそうになってしまった。“ねえ、貴方、昨晩ヒラリーとトランプのディベート見た?
私はヒラリーの顔を見るのも嫌だったから目をつぶって聞いていたら、そのまま寝てしまったのよ“と。彼女の友人は声さえ聞くのも嫌だから結局その番組は見なかったとか…
それにしても女性の殆どがヒラリーに嫌悪感を持っているのに驚く。“ヒラリーの上から目線でものを言うあの言い方が嫌い” “あの 勝ち誇ったようなあの態度が気にくわない。“ トランプに至っては、もう論外。”呆れて何もコメントを言う気にならないほど馬鹿馬鹿しい”と。”あんな男が大統領候補になるなんてアメリカの大恥だ”と。この問題になると皆、熱くなって怒っている。ある日本のTV番組で彼らの似顔絵が描かれているイラストを見た。其々の吹き出しのセリフが面白かった。トランプは阿呆、アホ、アホと絶叫し、ヒラリーは馬鹿バカバカと絶叫しているセリフが書かれてあった。国民には罵倒合戦しか聞こえてこない。言っているのかもしれないけれど政策や方針の話は何も印象に残らないようだ。
どちらが大統領になっても日本にとっては厳しいようだ。オバマ大統領でさえ最近になってようやく中国人と韓国人と日本人が違うという事を学習したくらいなのだから日本への理解は程遠いような気がする。先日、米国の銀行でV.Pをしている友人がアメリカの政治家の仕事の大半は寄付金を集める仕事が大半で朝から晩まで寄付のお願いコールをしなければならないと言っていた。私のクライアントさんの所にも今回トランプ事務所から寄付を募る郵便が届いていた。”全くずうずうしいわね。最低が35ドルからよ。1セントだってあげたくもないわ“と言って封筒ごとそのままゴミ袋に放り投げた。そう言えば日系コミュニティーを支えてきた、ある家族の家に毎年寄付の郵便が日系の名前を名乗っている議員から来るので毎回寄付していると聞いた。名前を聞いたらグレンデールで慰安婦像の応援活動をしている議員だった。その事を話したら激怒してもう寄付はしないと言った。米国から日本へ向かう飛行機の中で友人が貸してくれた“沈みゆく大国 アメリカ”という本を読みながら帰ってきた。オバマが良かれと思って推進し国民が信じた国民健康保険の実態に関しての話だ。オバマケアになってから誰からも良かったという声は聞いていない。
日本に戻ったら小雨まじりの風が冷たくて驚いた。少し前は暑くてまだ冷房を使う日もあったらしい。昨日から早速暖房を出して使い始めた。急いでダウンを引っ張り出した。
過ごしやすい秋晴れを期待して戻ってきたのに、一体秋はどこに行ってしまったのだろう。

茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今週はお休みです。

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

女性ヴォーカルが二週続いたので今週はピアノジャズアルバムを紹介します。
Ted Rosenthalの"The King And I"というアルバムで、とてもいい響きのピアノジャズです。品がありとても聴きやすいアルバムだと思います。

"The King And I" Ted Rosenthal

01-My Lord And Master
02-Shall We Dance?
03-I Have Dreamed
04-I Whistle A Happy Tune
05-We Kiss In A Shadow
06-Getting To Know You
07-Something Wonderful
08-March Of The Siamese Children
09-Hello. Young Lovers

Ted Rosenthal(P)
George Mraz(B)
Lewis Nash(Ds)
Rec. March 23,2006 NY (Venus Records TKCV35378)

ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

 

編集後記

ATMやスマホ・PCのアプリを開くときなど・・・いろんな場面でパスワードを求められます。パスワードの使い回しは良くないと思い、何種類かのパスワードを設定しています。困るのはしばらく使わないとどのパスワードだったのかわからなくなることです。特に気を付けたいのは数回間違うと面倒な手続きが必要なことがあります。最近はパスワードをノートに書いています。パスワードをどこに書いたかを忘れないようにしなきゃ。《R.O.》


雑貨屋のブログ→ http://zakkayanews.jugem.jp/
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http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.1068

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com