リコリス
アメリカのお菓子というと色がカラフルで派手なものが多い。特にキャンディーショップは多彩な色のお菓子で賑わっていて子供にしたらワクワクする空間だ。ところがそんな中で珍しく黒いゴムのようなお菓子があるのだ。グニャグニャしたゴムのような触感でグミとも少し違う。見かけもグロテスクで気味が悪い。黒いのと赤いのと2種類がある。先日もスプラウトマーケットの量り売りのセクションで、このお菓子を見かけた。カラフルなグミやキャンディーの中でひときわ異様な存在だ。それでも、結構売れているらしく、どこでも、その黒いお菓子は常時、売り場に置いてある。
初めてそのお菓子を食べたのはアメリカに来て間もない頃に近所の子供がモグモグかじっていたのを見かけた時だった。何を食べているのか聞いたら私にも一つ分けてくれた。食べてみたら薬臭いような味でまずかった。おそらく日本人の人が10人食べたら10人とも、まずいと感じるだろうと思う。スパイスで言えばセリ科のアニスやフェンネルシードのような味だ。それ以来この黒いお菓子を食べる事は無かった。それからだいぶたって友人がこの黒いゴムのような、お菓子をモグモグ食べていたので聞いてみた。
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キャンディー |
グミ |
グミ |
グミ |
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サワーキャンディー |
ジェリービーンズ |
リコリス(赤) |
リコリス |
このお菓子はリコリスと言って植物の根の成分が入って体にいいのだと説明してくれた。彼女はフランス系日本人だったので、この個性的なリコリスの味には慣れているらしい。リキュールにもこのリコリスが使われているというので調べてみたら以前、飲んだ事のあるリキュールにも入っていた。やや甘口で養命酒のような薬草の味がしたのを覚えている。漢方では甘草の仲間でマメ科の植物。根の方は砂糖の50倍の甘さがあるらしい。ビタミンショップに行くとこのリコリスのタブレットやハーブティーもある。その薬効を見てみると風邪で咳が出る時、喉が痛い時、便秘やお腹が張る時などいろいろな効能が書いてあった。成分の方ではグリチルリチン、フラボノイド、コリン、アスパラギンと体には良さそうだ。今回、少しだけ、そのリコリスを買ってみようか、しばらくその売り場で考えていたけれど、やっぱり止めておいた。
体にいいと言われていても、まずいと感じるものは体が反応してストレスを感じてしまうような気がする。わざわざ、まずいものを選ぶより美味しいと思うもので体に良さそうなものを選んだ方がいいに決まっている。
それにしても米国のみならずヨーロッパでも定番になっているリコリスのお菓子
これを美味しいと感じる味覚の差はどこから来るのだろうと不思議に思ってしまった。
茶子 スパイス研究家 |