weekly

1048号

 

NO.1048        Ryo Onishi              6/12/2016

 weekly
LAの観光スポット ホームページ バックナンバー
 
雑貨屋のひとり言

河合さんの癌の完治、よかったですね。おめでとうございます。
金曜日から30度を超える真夏日が続いています。中途半端な梅雨入りで蒸し暑さだけが先にやってきてしまいました。2014年に発生したエルニーニョ現象が終息し、今後夏にラニーニャ現象が発生するそうですが、猛暑の夏になるのは嫌ですね。≪R.O≫

 

 6月7日は癌からの解放記念日

4月のこの欄で書きましたが、私の癌手術後4月18日で満5年が過ぎ、手術直後から定期的に経過観察を受けてきたCancer Doctor(がん専門医)から今日(6月7日)、正式に今回の癌が再発も転移もなく完治したので、今後問題が生じない限り、もう検査のための来診は必要ない旨申し渡されました。

これで手術直後は月一回、その後は6か月ごとに通院し、CTスキャンや血液検査など、5年にわたる経過観察など、癌の心配に終止符が打たれ解放されたことになりました。

私の場合、十二指腸周辺のがんであり、かなり難しい手術であったので、手術執刀医をはじめ病院側の対応はかなり神経質であったし、Cancer Doctor(執刀医とは別の経過観察専門がん専門ドクター)も慎重な対応でしたので私も正直のところ気になっていました。

 お臍の上を真横に20センチ以上も切られた手術跡も、いま改めて確認してみるに殆ど傷跡も確認できないくらいきれいになっています。

とはいうものの、胃の大部分、十二指腸、小腸の一部までを切除、さらに十二指腸周辺につながっている膵臓や胆嚢など5箇所の臓器をつなぎ合わせる大手術であったことに加え、私は透析と糖尿病治療を続けているので体力の減退は如何ともしがたく、当面はまだ無理できない状況です。

しかし一応“がん”という病とCancer Doctorによる検査という煩わしさから解放されたわけですから、6月7日(今日)は私にとって“癌からの解放記念日”といえます。がん専門医からの帰り道、私たち夫婦は自宅近くの日系スーパーに立ち寄り、祝杯用のビールと刺身を購入しました。

といっても透析患者である私にとって、ビールは厳禁なので小瓶一本だけにし(しかもノン・アルコール)、帰宅後それを妻と小さなグラスで分けあって飲みました。そんな祝杯でしたが、それでも私たちにとっては、ささやかながらも嬉しい祝日となりました。

執刀病院(Good Samaritan Hospital、Los Angeles)から届いていた術後アンケートには執刀医と病院に対する感謝の意を込めて、現状欄に“Excellent”と記入し、返信しました。

前回のこの欄でも書きましたが、私のような“いわゆる病人”は通常、病気からの快復を第一義とし、すべてはそれからと考えがちですが、私は“病気とはムキになってケンカしない”でその代り、病気とは同時並行的に“何か前向きに新しいことに挑戦する”という発想でこれからの人生を過ごしたいと思っています。

河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


竹の子のやがて天衝く気の構え

紫陽花が咲いた咲いたとカタツムリ

目に青葉初夏を飲んでる大ジョッキ

雨やんだらしい飲み屋の忘れ傘

仕事の日重ねて父の日をもらう


( ニュースやぶにらみ )


「ペルー大統領選」

1票の重みが分かった −18歳

「不倫お詫び会見」

私も落語家になりたい −ベッキー

「生活保護費でパチンコ」

違法ではないが不適切だ −舛添都知事

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(28)「梅雨」

翁のゴルフ回数は、以前は春夏秋冬週1回のペースだったが、加齢とともに最近はかなり減った。猛暑日や厳寒日は避けるようになった。その分、プレー日の天気が今まで以上に気になって仕方ない。テレビで“週間天気予報”を視て気を揉むが、テレビは、おおざっぱ過ぎて、ゴルフ場近辺の予報は、たまには外れることもある。しかも、この梅雨の時期は、なおさら当たり外れが多い。しかし今はパソコンやスマホなどでピンポイント(その地域だけ)の天気予報を調べることが出来る。プレー日の前日の夕方、パソコンで最終チェックをして“朝から終日雨”ならしぶしぶ出かけるのを諦める。せっかく“遠足前夜の少年”の気分に浸っているのに、諦めるにはかなりの勇気が要る。“朝方雨、のち曇り”や“午前中曇り、午後雨”なら出かける。プレーが始まってからの小雨ていどならプレーを続行する(但し冬は小雨でも中止する)。

春と夏に挟まれた雨の季節“梅雨”。じめじめしてカビが生えそうで気分も沈みがち。そう言えば“梅雨(ばいう)”とは、湿度が高くカビが生えやすいところから“黴雨(ばいう)”と呼ばれた、という説もある。しかし翁は、この時期は梅の実が熟す頃だから、やはり“梅雨”がいいと思う。ほかに“梅雨”は旧暦の5月頃であるから“五月雨(さみだれ)”とか麦が実る頃だから“麦雨(ばくう)”などの別名があり、よく詩歌の季語に使われる。

確かにゴルフをする者にとっては厄介な時期だし(気温の変化で)体調管理も難しいが、梅雨があるから我々日本人の暮らしが潤う。農作物にとっては恵みの雨(喜雨・慈雨とも言う)。我々の生活水も確保出来る。東京都の水源は約8割が利根川水系と荒川水系、約2割が多摩川水系だ。6月10日現在の貯水状況を見ると利根川水系(八木沢ダムなど8池)が約45%、荒川水系(荒川貯水池など4池)が約63%、多摩川水系(小河内貯水池と村山・山口貯水池)約85%、いずれも減水しているが、この梅雨でそれぞれの貯水池が満杯になる。梅雨は物理的恩恵ばかりではない、人間の心を癒してくれる文化的風情にも出会う。

小さな花が寄り添って円形を作る紫陽花は、顔かたちや皮膚の色合いが異なる人間同士の輪(和)を表しているようで翁は大好きだ(写真左)。
【紫陽花や 帷子時(かたびらとき)の 薄浅黄(うすあさぎ)】(松尾芭蕉)
紫陽花が咲き、今年も帷子(かたびら=夏の麻の着物)を着る季節がやって来た。紫陽花も帷子も同じ薄浅黄色をしている――翁は、薄浅黄の紫陽花を見た記憶はないが、紫陽花はもともと原生のものなので品種によって色に違いがある植物。また、同じ花でも咲き始めと終わりでは色がだんだん変化して行く。それを詠ったのが次の句。
【紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘】(正岡子規)
紫陽花の花の色が日々、少しずつ変化する様子を擬人化したのだろう。この句をもじって翁【舛添や 昨日の誠 今日の嘘】と詠む。舛添が厚生労働大臣だった(たしか)2007年の夏、年金保険料の着服問題が発覚した時、彼は「盗人には牢屋に入って貰う」と述べ、更に「銀行は信用出来るが社保庁は信用出来ない。市町村は社保庁よりもっと信用できない」と言った(その後、この発言を撤回したが)。そのほか彼は、当時、政治資金の使い方の正論を吐いていた。ところが今日(こんにち)の彼はどうだ?政治資金(税金)の公私混同の無駄遣い、あまりにも“みみっちい”税金のかすめ取りで私腹を肥やし、とても世界に名だたる東京のトップリーダーとは言えない吝嗇(りんしょく)人間になり下がった。今は、針のムシロに座らされている(6月10日現在)。果たして舛添知事の行方は?

梅雨時の花で、翁がもう1つ好きなのが梔子(くちなし)の花だ(写真右)。微かに漂う甘い香りと純白の花は、まさに優雅・洗練・清潔・喜び、(花言葉)そのものだ。
【今朝咲きし 梔子(くちなし)のまた 白きこと】(星野立子)
「今朝咲いた梔子の花の、何と白いことだろう」と、純白の美しさに感動し率直に表現した女性らしい感性の1句だ。星野立子(ほしのたつこ)は正岡子規の弟子・高浜虚子(明治7年〜昭和34年=明治・大正・昭和に活躍した俳人)の次女(明治36年〜昭和59年)。昭和に活躍した俳人で、彼女が主宰した俳誌『玉藻(たまも)』は多くの女性俳人を輩出。

先ほど「梅雨は物理的恩恵ばかりではない、人間の心を癒してくれる文化的風情にも出会う」と述べた。その通りだが、梅雨に自然の驚異が発生することも忘れてはならない。梅雨前線の近くに台風や熱帯低気圧が接近または上陸すると水蒸気をどんどん供給された梅雨前線が活発化して豪雨となる。この時期、恩恵に甘んじるだけでなく、台風や集中豪雨への備えもしておかなければならない。

さて、老いてなおゴルフ熱が下がらない翁、雨によるプレーのキャンセルは、遠足に行けなくなった少年と同じくらい悔しい。(前号で述べた)“余暇時間の有効活用”に気持ちを切り替え『余話』の執筆に取り掛かろうとパソコンに向かうが、頭が、なかなかエッセイ・モードになれないので思うようにキーボードの指が動かない。そのうちゴルフ番組を視ながら居眠りしてしまうのがオチ。【さみだれの しばしの晴れ間 待ちにけり】・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

格差社会

去年、下北沢に母と買い物に出かけた帰り道の事である。大学生らしき2人の若者が私達の横を通り過ぎながら喋っている会話が耳に入った。“ 俺さ〜今朝から米しか食ってね〜んだよ。朝1合、昼1合食っただけだよ〜 ” それを聞いて母と思わず目を合わせてしまった。ストレートな、その言葉に失礼ながら笑いそうになりながら“ お母さん、今の言葉聞いた?”と言うと母は “どこの地方から来た学生さんかしらね。うちに来れば、ご飯だけじゃなくて味噌汁とおかず付きの料理をお腹一杯、食べさせてあげるのに ” と気の毒そうに言った。弟の子供が去年、大学生になった。幸い東京なので自宅から通える距離だ。きっと母は自分の孫とその大学生らしき若者の姿がだぶったのだろう。自宅から通える学生さんと親元を離れてアパートで生活する学生さんでは
親御さんの負担もかなり差があるのだろうと思う。このアメリカでも親が子供の大学資金を問題無く支払える状況の人もいれば大学を卒業して10年、20年経っても、いまだに学費のステューデントローンを払っている人がそこそこいる事に驚きだ。
今回も日本でこんな状況に遭遇した。最近出来た駅前ビルの中にある洋服の御直しの店に入った時の事だ。店はカウンターにお客さんが2人立てる程度の小さな店で右側が洋服、左側が靴の修理受付カウンターだった。開店と同時に入ったらすぐに私の後に続き入ってきた男性がいた。“ どうも、すいませ〜ん、お世話になります〜” やけに腰が低かったので業者の人が入ってきたのかと思った。靴を修理する工房から頑固そうな親父さんが出てきた。その時の会話。若者”これなんですけど…“と靴を差し出した。 親父さん” これ、だいぶ長い事、履いてなかったの?“ 若者 ”いえ、毎日、履いてました!“ 親父さん、言葉を失っているらしく無言。ここで私は横目でチラリと見たら見事に靴の底が半分以上剥がれていたのが見えた。若者 ” あの〜何とか接着剤で付かないでしょうか?”親父“ あんたね〜こんなの無理だよ。ゴムがカチカチになっちゃってるから、これで一時的に張り付けたとしても、すぐに剥がれるよ。” 若者、一瞬間を置いて“そうですか…” と落胆したのか急に声のトーンが下がっていた。親父 “ま〜これは全部、張替だな”” 若者は観念したかのように “それでは、仕方がないですね。そうしてください。でも、なるべく急ぎでお願いします。“ 親父” 今、混雑してるからね〜1週間ぐらいかかるよ。“ 若者、がっかりした感じで ”そうですか…もし、早目に出来上がったら、お電話をください。すぐに、いつでも取に参りますから“と言った。接着剤で張り付けられるのなら、すぐに履いて仕事にでも行こうと思ったのだろうか、よほど急いでいる緊迫感が伝わってきた。そして私の用事は終わり店を出る前に、またチラリとその若者が今履いている靴を見た。新入社員なのだろうか上はスーツ、靴は白い汚れたスニーカーだった。履き替えの靴が無かったのかもしれない。事情があって新品の靴を買うよりは修理した方が安かったのだろうか…一生懸命、まじめに働けばある程度の暮らしが出来た時代と今の世の中のシステムはだいぶ変わってしまったようだ。米国でも昔はアメリカンドリームが努力すれば可能な世の中だった。実際、成功した人に聞くと時代がそういう時代だったと言う。日本でも米国でも一般的な賃金は相変わらず低いまま。大学を出ても借金だけが残り就職も出来なかったら最悪だ。日本は米国から比べたら人材派遣の会社が9倍も多いと聞いた。悪い言葉で言えばピンハネ。下請けの下請け、孫請けまである事も驚きだ。
役人の数も多い。特定のグループの仲間同士で利益や情報を分かち合い、コネを使ってうまく泳いできている人もいる。そういう連中もそろそろインターネットというツールの出現で、そう簡単に世の中を欺く事は出来なくなってきている。今話題の東京都知事はご本人の資質の問題まで言われ騒がれている、あの方は以前からネットでその言動を見ていて?の人だった。だから想定内の事で驚くべき事は一つもない。どうして皆、簡単に騙されるのだろうと歯がゆかった。東京都議会の中にも自民党、公明党の中にも未だに、あの人の続投を希望している人がいるらしい。どういう、お仲間なのだろうか不思議だ。そういう連中がはびこっている限りなかなか格差社会が是正される事は難しい。この際、東京都知事の続投を望んでいる人の名前を是非、公表して欲しいものだ。

茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今回はお休みです。

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

1961年にリリースされた女性ヴォーカルSarah Vaughanのアルバムを紹介します。
"After Hours"は1949年から1953年に録音された曲から厳選されたアルバムです。LPレコードのオリジナル盤であればかすかなノイズが入った彼女の歌をとてもいい雰囲気で聴いていると思いますが、CDで聴いていても彼女の魅力的な歌声は十分楽しめています。

"After Hours" Sarah Vaughan

01. My Favourite Things from The Sound of Music
02. Every Time We Say Goodbye
03. Wonder Why
04. Easy To Love
05. Sophisticated Lady
06. Great Day
07. Ill Wind
08. If Love Is Good To Me
09. In A Sentimental Mood
10. Vanity



ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

編集後記

スマホからもオーダーできるという手軽さもあり通販で商品を購入する人がずいぶん増えているようです。私も結構利用しています。通販業者は商売繁盛ですがショッピングセンターのお店にとってはうれしくないことになっています。しかし通販にもリスクがあります。現物を見て触れなくても商品のイメージがはっきりしているものはいいのですが、そうでないものは到着するまでちょっと心配です。ファッション製品などがそれに当たるかもしれません。メーカーやブランドによってサイズが微妙に違うので注意が必要です。今後のために今回はじめてそれにトライしています。《R.O.》


雑貨屋のブログ→ http://zakkayanews.jugem.jp/
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.1048

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com