龍翁余話(424)「無人島・淡島」
高齢になるにつれ“おっくう病”が翁の行動半径をだんだんと狭くしている。「こんなことでいいのか」と、いささか焦りもあるが、2009年以降の3度にわたる大手術で健康上に心配があるのと、去る3月28日配信の『龍翁余話』(418)で述べたように“臆病ドライバー”になってしまった、などの理由で春の連休・お盆・年末年始ほか休日・祭日の車による遠出は避けるようになった。ところが、どういう風の吹き回しか、この連休(GW)に、急にどこかへドライブしたくなった。勿論『余話』のネタ探しという目的もあるが、それより、やたら、運転をしたくなったのだ。“臆病ドライバー”になったものの、いまだに車(運転)が大好きで“17年目の古女房”(クラウン)と一緒に動き回っていると、何故か落ち着き、楽しく、年齢を忘れる。近年200km、300kmの長距離ドライブはしていないが、「まだ走れる」――その自信(過信?)は、一体どこから来るのだろうか?
東京近辺で、いくつかの候補地を探していたら“豊かな自然と出会える無人島・淡島”が目に止まった。そこを更にネットで調べたら「淡島(あわしま)は、静岡県沼津市、駿河湾の湾奥に浮かぶ海岸線長わずか2.2kmの小さな島。かつては無人島で、1940年に海軍施設が出来、戦後は少数の地元漁民が住み着いて漁をしたが流通の便が悪く再び無人島になった。バブル期の1980年代に某銀行が島全体をリゾート開発し(淡島海洋公園)、現在は(あわしまマリンパークの名称で)ホテル、レストラン、水族館などを経営している」とある。「なーんだ“豊かな自然と出会える無人島”というのは単なるキャッチコピー(宣伝文句)か」とがっかりしたが、それでも「島の裏側は手つかずの自然がいっぱい、散策だけでも楽しめる」に翁は少しばかりメルヘンチックなファンタジーの世界を期待して、行くことに決めた。東京方面へのUターンが始まる5月5日。行きは(東名高速は)Uターン組と反対方向だから(多分)空いている。帰りは(多分)Uターン・ラッシュは終わる頃だろう、と勝手に予想して朝7時に家を出た。東名高速は予想通り順調な走りが出来た。途中、御殿場(足柄サービスエリア)で少し休憩、沼津ICに着いたのが9時半。そこでカーナビに『あわしまマリンパーク』をセットして沼津市内を南下(国道414号線)、大津橋・三津方面に向かい、狩野川放水路沿いを走り県道17号線に入りと、ほどなく駿河湾に浮かぶ島が目に飛び込む。(沼津ICから途中もたついて到着までに1時間もかかった。)
 |
 |
駐車場で駐車料500円と入園料1600円を払い渡し船に乗る。なるほど小さな島だ。久しぶりに“美しい富士山”を観た。それにしてもGWはまだ終わっていなかった。アシカショー(写真左)もイルカショー(写真右)も満員。翁も童心に戻って2つのショーを楽しんだ。
「ホテルやレストラン、水族館などの施設があって働き手が大勢いるのに何故、無人島と言うのか」渡し船のスタッフに訊ねたら「施設で働く人たちは、この島が居住地ではない。毎日通勤して来ている」なるほど、そういうことか。ついでに訊いた「弥生時代の遺跡があるそうだが・・・」「この島の向こう側にあるが、今は、崖崩れなどで通行止め。それと向こう側には戦時中の“海軍桟橋”も残されています」通行止めなら仕方がない。ほかに翁好みの“歴史”が偲ばれる場所はないか?
『淡島神社』鳥居の脇には「由緒・創立は不明、安芸の厳島神社を本社と仰ぐ駿河湾の守り神」との簡単な説明板、その下に「標高137m、急な石段、往復約50分、登山中の事故等の責任は負いません」の注意書き。やーめた。鳥居から礼拝。(近くに)同じ海の安全と大漁を祈願する金比羅様も祀られている。もう1つ、1913年(大正2年)9月13日、昭和天皇が皇太子時代、マグロ漁ご見学の際、お立ちになられたと伝えられる石がある。へ―駿河湾でマグロが獲れた?調べて見たら江戸時代後期から明治・大正・昭和初期までクロマグロが漁獲されていたそうだ。“昭和天皇お立ち石”に黙礼。
“メルヘンチックなファンタジーの世界“の期待は裏切られたが、湾上のレストランで、遠くの雄姿・富士山を眺めながら食べたシラス・ホタテ・サクラエビの混合かき揚げ丼が美味かった。3時頃、島を離れる時に耳にした「東名高速は大渋滞」を避けるため、帰路を熱海・小田原方面へ。”小田原厚木道路“を経て(厚木から)東名高速に入るコースに変更、翁の”Uターン予測“は大ハズレ。帰宅は何と夜の9時を過ぎていた。クタクタになったが無事故ドライブに満足、神仏のご加護に感謝・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。 |