かき氷
9月のLabor
Weekend(7日)頃から一週間LAは猛烈に暑くなった。サウスベイの場合、夏でも日陰に入れば涼しいし窓を開ければ心地良い風が入ってくるのに今年の夏の暑さは異常だった。昼間は窓を開けると熱風が入ってくるので開けられない状態だった上、夜になっても気温が下がらず日本のような蒸し暑い日が続いた。“こんな気候は50年以上オックスナードに住んでいて経験をした事がない“ と農業を営むN氏は言った。普段LAが暑くてもオックスナードは涼しいはずだったのだ。
そんな訳で今年の夏は朝に晩にスイカを食べた。そして、かき氷もよく食べた。近くに美味しいかき氷を食べさせてくれる店があると聞いたので早速行ってみた。氷の種類もトッピングもたくさんあって、どれをどう注文していいか迷って初めは友人のお勧めのかき氷にはありつけなかった。
2回目に行った時は、そのかき氷の店を教えてくれた友人が注文してご馳走してくれた。白いお皿に盛られた抹茶のかき氷はまるで毛糸の束のように見える。削る刃が違うのだろうか…初めて見るタイプのかき氷だった。その両脇には小豆とお餅が添えられていて美味しかった。LAではハワイ系の店でシェイブアイスと言ってジャリジャリした触感のかき氷にレインボーカラーのシロップがかかっているものが夏は良く売られている。台湾系のお店に行くとフルーツがどっさり盛られている、かき氷の店もある。これもなかなか、さっぱりしていて美味しい。
そう言えば日本では夏の風物詩でもある氷屋さんの旗は誰でも一目でわかる馴染深い旗だけれど今までじっくりその旗を見たことは無かった。白地に青い波に赤い文字の氷そして、その両脇に千鳥が記されているものが元祖なのだそうだ。今まで千鳥の存在には全く気が付かなかった。今年の春に訪れた日光の天然かき氷のお店を思い出して写真を見てみたらやっぱり千鳥が入っていた。この日光の天然かき氷の店はこだわりの店で以前TVでも紹介されていた のを思い出して友人と入ってみた。氷は昔からの手作りの方法で伝えられ今は5代目の人が継いでいる。山からの伏流水をパイプで浄化水槽に引きそこから自前の池に流し込み12月頃から天然の外気の温度でゆっくり冷やし2月の中旬まで毎日ゴミや木の葉を払い表面に積もった雪や霜を削り一定の温度に保つのだそうだ。その氷を電動のこぎりで切り出し5月頃まで氷室に貯蔵しておいて出荷される貴重な氷なのだ。その氷は気泡や白い濁りが無く、まるでクリスタルガラスのような透明感があって綺麗だ。私たちは、なるべく天然のかき氷の味を味わうために手作りの白い蜜を選んで食べてみた。触感はシャリシャリでなく、フワフワ。口の中に入れた途端、跡形も無く消えてしまう。何だか霞をたべているような不思議な感覚だった。荒削りのかき氷とは全く違う触感なのだ。
昔は冷凍室など無かった日本では、氷室の存在が日本書紀の時代から描かれていたそうだが、かき氷なるものが出現したのは平安時代らしい。 枕草子に “削り氷にあまずら(ぶどう科のツタから採取した甘いシロップ)入れて、新しき金まりに入れたる。”という文章があるらしい。そんな事を調べていたら今日も偶然、かき氷を買ってきてほしいと頼まれた。そして例の抹茶あずき餅入りかき氷をオーダーした。今週末も数日は暑い日が続くらしい。LAは、まだ、かき氷のシーズンは終わっていない。
茶子 スパイス研究家 |