Zakkaya Weekly No.49

Ryo Onishi 4/20/97 バックナンバー Homepage

昨年末、ギフトでスポーツジャケットをいただきました。でもサイズが大きく一回も着ていませんでした。ワイフが「このまま着ないでおいていてももったいないから、お店に持っていって換えてもらったらどうかしら?」と提案がありました。「でも今ごろ持っていって換えてくれるかなぁ、それにレシートもないし・・」「でもNORDSTROMの値札がついていたので何とかしてくれるかも・・」と思いながら行くことにしました。店員に説明したらすぐに理解してくれましてサイズの小さいのを捜してくれました。残念ながら同じ物はなかったのですがそれと同じようなジャケットと交換してくれました。このすばらしいサービス対応に大変気を良くした私はNORDSTROMのファンになってしまいました。これはこぼれ話ではありません。(R.O)

日本語と否定形(3)

言葉と文化は表裏一体であるといわれます。 日本語に否定形又は消極的表現が 比較的多く用いられるということは、即ち 日本の文化、日本的発想が 「断定・二者択一型」でなく、「人と人との関係・調和を重んじ、論理的対決を好まないコンセンサス型」 であることと、無関係ではありえないことでしょう。

もしもいつの日か将来、(又は 現在もう始まっているのかも)日本と日本人が所謂 日本的発想を捨て、例えば アメリカナイズしてしまったとしたら、日本語は 現在の形ではもはや生き続けられなくなるのではないでしょうか。 日本も これから国際社会の中で諸外国と共存し、 相互信頼関係を維持する為には、これも一面では やむをえない事でしょうが、しかし他面、この日本的発想こそが、 「財・物」に比重を懸けすぎた 20世紀から 「物」・「心」のバランスのとれた生きがいのある21世紀へ軟着陸する為の一つの切り札になる筈なのだから、これはきちんと残さなけれならないと 私は信じています。この観点からすれば、言葉としての日本語も あまり変わって欲しくないというのが私の本音です。日本語からははずれますが、仏教の経典に「般若心経」(正式には「摩訶般若波羅蜜多心経」) という「お経」 があります。ご存知の通りこの経典は、三蔵法師がインドから中国へ持ち帰り、漢語に翻訳したと伝えられるもので、世に数ある経典の中で最も短い「お経」といわれ、全文でわずか 262文字しか ありません。私はこの262文字の中に「否定」を意味する文字である 「不」 と 「無」 がいくつあるか数えてみました。結果は 「不=9」、「無=21」 で合計30文字、何と262文字の内 11%強は 否定を表現する文字でした。要するに 「般若心経」とは 「アレデハナイ」 「コレデモナイ」 の連続と言ってもよい「お経」 のようです。(これはけっして経典をけなしているのではなく、その逆でそこに仏教とインド哲学の奥の深さを感じます) 私は 仏教をはじめ 宗教については殆ど無知ですが、「般若心経」の解説書によると、これは 「経典」 というよりは 宇宙の根本原理について説いた 「哲学」 なのだそうで、 森羅万象の根本原理を 「無我」と 「無常」 に求め、そしてこの宇宙の存在原理を 最終的に「空」として捉えていく――こう書いている私自身、本当の所、何のことやら サッパリ判っていませんが、でも つかみ所のないこれら表現に、何故か知らない 共感を覚えます。この世のすべては 移ろうもので常ならず(無常)、お互い関係しあって存在する(無我)、そしてそこに我々は 「物」とか「心」とかを超越した 何かの存在を 感じとる――こんなところが「何故か知らない共感」 に相当するのではないでしょうか。

今度は日本の古典から 藤原定家撰と伝えられ、日本人に良く知られている「小倉百人一首」について、否定表現を調べてみました。全百首のうち 否定表現が 一ヶ所でもあるものを拾い出してみたら(私もヒマだね)なんと百首中、46首(46%)もありました。(例えば;「まだふみもみず」「こころもしらず」 ...) 中には「わが袖は 潮干にみえぬ沖の石の 人こそ知らね 乾くまもなし(二條院 讃岐)」のように、一首の中に 3ヶ所あるのもあり、日本人の否定形好きは長い歴史があるようです。。

話を現代の日本語へ戻します。日本人は一般に他人にものを頼む時、謝礼の話はしないことが多いようです。(ビジネス又はビジネスライクの場合を除く)頼む方も、頼まれる方も 「悪いようにはしないから」、「悪いようにはしないだろう」 という暗黙の 相互了解が 存在するからです。でも考えてみるにこの「悪いようにしない」 という 発想自体、こんな曖昧なものはありません。でも 日本人同志なら普通これで通用する筈なのです。これが通用しなくなった時、日本と日本人が変わる時であり、もしかしたらその時は既に始まっているのかもしれません

不言実行」 という言葉は 日本語として ごく普通に使われますが、英語では これに相当する 慣用句はないようです。英語の文化圏では「有言実行」 という コンセプトの方が強いから「不言実行」 という発想自体 出てこなかったのではないでしょうか。因みに今、私の手許にある漢字辞典(角川新字源;親字数 1万字、熟語数6万余)で 「不」、「無」 で始まる 熟語の数をかぞえてみたら、「不=102熟語」、「無=118熟語」 も有りました。(不可思議 ・不肖 ・ 不遜 ・無頓着 ・ 無駄 ・ 無茶など)

これら熟語は、それぞれを英訳した時、英語では 否定表現でないのが 普通なのが 圧倒的に多いのではないでしょうか。 河合 将介 skawai@wakao.com

健康の方程式−畑で食べたほうれん草は甘かった 西尾誠一郎

4月15日午後3時過ぎ、妻と私は、大分県で百姓をしている赤峰さんの畑に立っていました。赤峰さんの畑は草も共生しているのですぐ分かりました。周りの畑はビニールをかけてタバコの葉を栽培していました。

人参も大根も畑で、その場で採れたものを食べてみたいと思っていましたが、今はちょうど収穫が終わっていました。花がところどころ咲いている取り残したほうれん草食べてみるとけっこう甘くておいしかったです。私たちは結局、今夜の夕食用にヨモギヤスギナやその他いろいろの草を道端でつんでなずな庵に帰りました。なずな庵では赤峰夫妻、2人の息子さんを含めて18人の人が働いています。中には今までの仕事に疑問を持ち、それを止めて赤峰農園で働いている人もいました。薬剤師さんもいれば看護婦さん、学生もいました。みな赤峰さんの「ニンジンから宇宙へ」を読み、将来自分で完全無農薬の野菜を作りたいと思っている若い女性です。この九月スイスの公文学園に入学する予定の高校一年生の男の子はお母さんの強い希望で1ヶ月ここで農業の手伝いをしていました。サンフランシスコから来た女性もいました。船井さんのいう「女の時代」を強く感じました。共鳴するとこんなにも大胆に、かつ淡々と自分の生き方をかえる女性をすばらしいと思いました。山形に講演に行っていた赤峰さんとは夜8時に会えました。野菜中心のおかずが食卓にいっぱい並べられました。無敵という焼酎を飲みながら、夕食が始まりました。今夜は我々夫婦ときくちみゆと言う地球環境に関する運動を取材し、本も出している女性の3人です。厳密にいうと3才と1才の彼女の子どももいます。きくちさんもすごい人で、2人の子どもを連れて、2ヶ月ほぼ地球を一周するような旅を終えたばかりでした。味付けはどれもこれも少々塩辛すぎました。でも高血圧の人を含めて、海から採れる塩をかなり摂らせると、血圧もぐんぐん下がるという話も十分納得しました。「何故EMを使った農業をしないんですか?」という私の質問に「EMを使わなくても理想の土は作れるし、その方が自然だから」という主旨の詳しい説明も良く分かりました。今年のお正月に49人で行った断食療法の参加者の感想文も読んでみました。参加者のうち34名は女性でした。参加者は全員、楽しく二泊三日の断食ができたことに感謝し、このことからライフスタイルを変えていこういう気持ちになっていました。11時に夕食会は終わりました。自然の大切さ、虫や草や土の大切さ、循環の大切さをきちんと伝える自然学校を作りたいと言う赤峰さんの情熱が痛いほど伝わってきました。私は私が進んできた道が正しかったと確信しました。一つのことを除いてです。それは調味料だけは最高のものを使うということです。私はさっそく高知県幡多郡佐賀町佐賀の海の塩を買いました。そして赤峰さんが選んだ日本で4ヶ所の塩の生産地に一つは、私の故郷の佐賀だったのです。

七五三のお祝い行事開催のお知らせ

ホリデーイン・トーランスにて一足早い七五三のお祝いを行いますので、皆様お誘いあわせの上お越しいただけますよう、御案内申し上げます。

実施場所:ホリデーイン・トーランス

19800 S. Vermont Ave.Torrance, CA 90502

TEL: 310-781-9100

日時: 5月24日 (土)25日 (日)26日 (月)

9:00AM より パックレンタル展示予約会: Yaohan Torrance店、Costa Mesa店、Little Tokyo店にて、パックレンタル(衣裳 + 着付け + ヘアメイク+写真+御祈祷)御予約を承ります。

予約会日時:4月18日(金)19日(土)20日(日)4月25日(金)26日(土)27日(日) 5月2日(金)3日(土)4日(日)10:00 AM、7:00PM

御予約に関するお問い合わせはTorrance店 (310)782-0335 まで

編集後記

河合さんのPCはまだ調子が悪いらしく、先にいただいた原稿を使わせていただきました。西尾さんからは日本からの便りをファックスで送っていただきました。

というわけで49号も発行できました。

雑貨屋店主 大西良衛ronishi@earthlink.net