Zakkaya Weekly No.190
謹賀新年
Ryo Onishi 1/1/2000 バックナンバー HOME明けましておめでとうございます。ついに西暦2000年です。今年もいろんな楽しいことが起きるよう、ポジティブに生きたいものです。
日本は暖かくて気持ちのいいお正月です。久しぶりに家族4人が揃ってお正月を迎えることができました。みなさんはどこで、誰と迎えられましたか?
今年は雑貨屋ウィークリーが200号を迎えますし、創刊4周年も迎えることになります。素晴らしい仲間によって支えられているこの雑貨屋が、これからもますます発展するよう、ごひいきにお願い申し上げます。 (R.O.)
2000年のはじまり
西暦2000年になりました。21世紀まであと1年です。
また、殆んどの日本人にとっては過去の歴史としての認識すらなくなっていると思いますが、今年は日本書紀に記す神話としての神武天皇即位の年を元年とする皇紀(紀元)2660年にあたります。紀元2600年(1940年または昭和15年)に生まれた人は今年の誕生日で還暦という事になる訳です。
1900年代、または20世紀の私達人類を取り巻く変化はすさまじく、驚異ともいえます。
とりわけ広い意味での“科学”の分野の進歩はめざましく、エレクトロニクス、バイオテクノロジー、コンピュータ等の技術は世の中を飛躍的に変えました。
産業の発達により生活に便利な道具が数多く生み出され人々の生活を変えました。医学の進歩は人々の寿命を延ばしました。
今世紀の初め、アメリカでライト兄弟が初飛行に成功してから100年も経たぬうちに、人類は宇宙へまで飛び出して月に足跡を残すまでにもなったのです。
ところが他方、1900年代は私達人類の未来に大きな課題を残した世紀であったことも確かです。
地球上の人口の異常とも言える急速な増加は昨年遂に60億人を超え、明らかに地球上の生態系の破壊であり、それゆえに引き起こされる食糧不足、環境破壊の問題は必ず近い将来(と言うより現にいたるところで起こっている)人類にとって重大な危機をもたらすことになるでしょう。
また核を中心とする大量殺戮兵器の開発と拡散等も考え合わせれば、どう見ても私達の行き着く所は「地球・人類の破滅」という筋書きになってしまいます。
もし終着駅が「地球・人類の破滅」だとすると、1900年代は「進歩、発展」の世紀だったのではなく、明らかに「破滅への転落の始まり」の世紀ということになってしまいます。
今世紀の始まりの年であった1901年にノーベル賞が設置されました。固体爆薬ダイナマイトを発明し世界各地に火薬工場を設立して巨利を得アルフレード・ノーベルの遺言にもとづき、人類にもっとも貢献した人物に毎年与えられるのがノーベル賞です。
ノーベルは彼が人類の幸福のためと信じて生み出したダイナマイトが戦争のために使われ、多くの人々を死傷させる結果となってしまった後悔の念から、遺産を基金にし、遺言を残したと言われています。
あれから約100年、ノーベルの遺志にもかかわらず、人類は「進歩・発展」という名目のもとで、「退化」という実(じつ)を選んでしまったようです。それは“名誉”と“モノ”と“カネ”の欲に毒された結果なのでしょう。
1900年代は結果的に言えば、あまりにもモノ(物質)とカネ(経済)が何よりも優先した時代であり、人の心の豊かさが置き去りにされた時代ではなかったでしょうか。
これから始まる2000年代は“モノ”と“心”のバランスがもっと重視される時代になるだろうと私は期待を込めて予想したいと思います。
人の心の豊かさをもっと重視し、“モノ”と“心”のバランスの実現という進路をとるか否かによって1900年代(過去100年)が「進歩、発展」の時代だったのか、それとも「破滅への転落の始まり」の時代だったのか、その位置付けが決まるのではないかと思われるからです。
今年こそ「何が 私達の地球と人類にとって名実共に本当の進化・進歩であるか」を真剣に考え、それを21世紀に実行するシナリオを作る意義深い年にしたいものです。
河合 将介 (
skawai@wakao.com)さくらの独り言 「ビジョン- その1」
新調してもらった洋服か着物を着、歳の順にお屠蘇を頂き、「親しき中にも礼儀あり」と家族全員が堅苦しい新年の挨拶を交す。そして「一年の計は元旦にあり」と云われながら新年の抱負を一人ひとりが語らされた。遠いとおい元旦の思い出。そしてその思い出よりもっと遠い元旦の過ごし方の中にある今、誰に語る事もない新しき年へのビジョンを思い巡らしている。
現在私達が使用している英語“Vision
”の語源は、今から約6?8千年前に遡る。それはインドヨーロッパ語“weid”「to see/見る」という意味だと推測され、それが後のゲルマン語においては「見張る」、「物分かりの」そして「知識」等の語々に発展したと考えられているらしい。それらは更に約1?2千年前の古期プロバンス語では「指導者」、古期英語では「聡明な」、ギリシャ語では「姿、像、観念」、そしてラテン語では「見る」という言葉に発展した。そしてその語々は現代英語のguide(指導者)、wise(聡明な)、wisdom(知恵)、idol(偶像)、kaleidoscope(万華鏡)、wit(機知)、idea(思想)、view(眺め)、visa(査証)、vista(見通し)、advice(助言)、provide(供給する)、supervision(監督する)、survey,(見渡す)、vision(視力、ビジョン)という各言葉に発展したそうである。この一説に幾つかの興味深い事を知らされる。また「ビジョンを持つ」という言い方に加え、「ビジョンを与えられる」という言い方がある。私はこの後者をよく使う時があるが、それは単に何をどうするというプラン/計画よりも、どの様にといったイメージ/像であり、夢や幻というものに近いかもしれない。そしてまたそれは、日本人の私が初夢に新しき年の意味ある事を見せられるという期待の様な、何かそれに近いものかもしれない。
今、地球の回るその法則に沿って日付変更線からアジア、そしてヨーロッパの各国に新しい年が訪れている。今自分がいるワシントン州より一足先に明けていく国々の年明けに、不思議な、感慨深い気持ちにさせられる。そしてまた自分の今いるこの地でのカウントダウンに、新しき年へのビジョンを思い巡らしている、ワインで乾杯のさくら、、、A Happy New Year !
(
sakuratsubomi@earthlink.net)川 柳 & コ ン ト (東京・成近)
( 川 柳 )
元朝の富士ベランダで妻が呼ぶ
親は親子は子で初春のスケジュール
初詣去年と同じ願いごと
旧友が昔の顔で来る賀状
一年の計にダルマの苦笑い
( コ ン ト )
「元旦」
開けましておめでとう
−2000年対応コンピューター
「新年の抱負」
今年こそは名誉挽回 −バケツ
「大納会、今年の最高値」
跳ねたのは株価だけだった −うさぎ年
(東京・成近) E-mail
kawaiai@mx2.ttcn.ne.jp健康の方程式 西尾 誠一郎
明けましておめでとうございます。
新しい年を迎えたのをきっかけとして、雑貨屋に復帰する事になりました。
と言っても、今度は無理なくということで、月に1度参加させていただきます。
98年4月100号で「私は97年5月、慢性骨髄性白血病と診断され、現在闘病中です」
というお知らせをしたっきりこの「健康の方程式」は皆さんの前から突然消えてしまったので、心優しき雑貨屋の読者の方々にはずいぶんご心配をかけたことでしょう。
偶然の機会に大西さんの帰国の送別会を知り、出席させていただいた時、主催者の河合さんから「西尾さん、一言皆さんに挨拶しませんか?」と言われ、私のいたらなさを優しく知らされました。 そして、始めてお会いしたさくらさんが、涙を流さんばかりに喜んでくれた時、ずっと心配をかけていたんだなぁということを強く実感しました。
長い間ご無沙汰してすいませんでした。 色々とご心配をおかけしましたが、私はお陰様で元気になり、完全ではありませんが快く働いています。
101号から登場できなくなった理由は、日本に行った時に私が突然倒れ、ほとんど動けなくなったからです。
1ヶ月ぐらい静養してかなり歩けるようになってから病院で検査したとき、ヘモグロビンの数値が3.7(正常値13)でした。
つまり、血液が十分に酸素を運ばなくなったのでちょっとの事でも心臓がドキドキと速くなって歩けなくなったのでした。
医者には「急にこの数値に下がると死んでいますよ」と言われ、「これでは飛行機に乗るのは無理だから輸血をします」と言われました。
「ちょっと相談したい人がいるのでそれは待ってください」と言って快医学の爪生良介先生に電話しました。 当時、「自然療法だけで白血病を克服しよう。 日本でその前例がないのなら私がその第1号になろう」と意気込んでいた私は、輸血もされたくなかったのです。 爪生先生に「気持ちはわかるけど、必要な時は西洋医学の治療も受けないといけません。 飛行機に乗るという事は体に大変なストレスを受けるわけだから、ここはひとつ輸血をして楽になってアメリカに帰りなさい」と忠告されました。
3時間ほどかけて輸血されると、体に力がぐんぐん蘇ってくるのが実感されました。
私が診ていただいた病院の先生は、爪生先生から信頼できる医者ということで紹介された千葉県にある病院の副院長でした。 私は輸血の前に「この病気に対して私ができる事は何かありませんか?」と尋ねた時、「何もありません」と実にそっけなくいわれました。
予測されていたとはいえ、がっかりしたことを覚えています。 そのこともあって、1度は西洋医学のお世話になってアメリカに帰ってきた私ですが、それからも自然療法一筋でこの病気を克服しようと必死でした。
今振り返ってみると、当時の私はy=ax+bという一次方程式でこの病気をなんとかしようと思っていました。 でも私の場合はそれだけではなかなかうまくいかなかったのです。
y=ax2+bx+cという2次方程式、あるいはもっと高次の方程式でとかないとこの方程式はとけなかったのです。 つまり、東洋医学と西洋医学のバランスが大切だと分かってきたのはそれから8ヶ月後の99年1月のことでした。
私が2度目に倒れて、1歩も動けなくなって緊急入院させられた時、その方程式が示されたのです。
それは次にお話しましょう。
wtkumon@flash.net一口コラム
「コント、読み違い??」
(その24)美 麗 に 編 む
21世紀はいつから始まるのかという議論はまだ完全に決着がついていないのだそうですが、ほぼ世界の大勢は2001年からという事で落ち着いているようです。
とはいうもののキリスト教の大本山であるバチカンのローマ法王庁は今年(2000年)を聖年(ジュビレオ)として祝うそうですし、2000という区切りの良い数字は捨てがたく、21世紀とは別に2000年をひとつの節目とする発想も多いようです。
西暦を使用している国の多くは妥協策として今年中をミレニアム(millennium:千年紀)イヤーと名付け、世紀の変わり目にあたる今年を位置付けしているようです。
私達としても、今年(西暦2000年)をただ20世紀最後の年であるという以外に、もっと前向きで意義ある年だと認識したいものです。
そこで私は今年、ミレニアム・イヤーを『美麗に編む年(イヤー)』という当て字に置き換えてみました。複雑に絡み合った国際情勢や身近な人間関係を一度解きほぐし、あらためて“美麗”に“編み直そう”という想いを込めた当て字です。2000年も頑張ろう!!
―― 羅府の庄助さん ――
編集後記
2000年の記念すべき元旦に雑貨屋を発行できて喜んでいます。そしてもっとうれしいことは90週間ぶりに西尾さんの「健康の方程式」を掲載できたことです。(原稿がファックスではなくEメールで届きました)。ほんとうに久しぶりです。うれしいですねー。西尾さんの復帰を待ち望んでおられた雑貨屋読者も多いことと思います。
雑貨屋のバックナンバーは下記でご覧いただけますのでどうぞ。
http://home.earthlink.net/~ronishi/zwback.htmZakkaya Weekly No.190
雑貨屋 店主 大西良衛
ronishi@earthlink.net