Zakkaya Weekly No.123

Ryo Onishi 9/20/98 Index Homepage

雑貨屋のひとり言

娘が日本に帰りました。ワイフが帰ってくる来月初めまでまた一人暮らしになります。娘が帰国間際に借りたビデオをBLOCK BUSTERに返しておいてくれと頼まれたので、返す直前にそのビデオを観ました。The Man of Iron Maskという題名でなかなかいい映画でした。娘がなぜこの映画を借りたのかなあと考えたのですが、あとで映画TITANICのビデオを観てJACKの役を演じているLEONARD DiCAPRIO がこの映画でも主役だったからだと思いました。

先週の木曜日の夜、たまたまテレビをつけたら、サンディエゴパドレスとシカゴカブスの試合をやってましてちょうどサミーソーサの打席でした。62号打つかなあと期待しながら観ていたら見事に打ちました。感動的でした。マグワイヤとサミーソーサがプロ野球を面白くしましたね。(R.O.)

人をほめる

一般にアメリカ人は他人に対して「ほめ上手」 の人が多いと言われています。確かに私の周囲を見回してもそんな人が良く目に付きます。中には、明らかに見え透いたお世辞も耳にしますが、でも、けなされるよりは ほめられたほうが人は嬉しいし、ほめられて怒り出したなんて話はあまり聞きません。それに比べて日本人は一般に他人をほめる事が苦手ではないでしょうか。日本人に感謝の心がないのかと言うと決してそんな筈はなく、私など毎日が感謝デーで 世の中、友人、知人、家人に感謝しながら生活をしています。―― ホントカネ??―

では、そんなに感謝しているなら、私はさぞ感謝の言葉や意思表示をいつもしているかと言うと、それがサッパリ駄目なんです。特に家の中では小言・文句は言っても ほめ言葉なんておよそ浮かんでこない、−− これが実態です。なぜだろう。私の場合、簡単に言ってしまえば、そんな習慣が子供の時から身についていなかったからでしょう。ではなぜそんな習慣がなかったか。もともと日本人はホモジニュアス(均質的)な国民性であり、お互いの意思疎通は以心伝心で、言わなくとも相手に伝わり、相手もそのへんはちゃんと察する事が出来たから 私の親は(というより当時の日本は)言葉による意思疎通の大切さを子供達に教えず、むしろ 「控えめ」 こそ美徳であるという躾けをしてきたからだと思います。アメリカのような多民族で構成された移民国家とは大変な違いです。 アメリカでは“沈黙は禁(止)”なのが日本では“沈黙は金”なのです。

尤も最近は日本も 旧人類・団塊世代・新人類・平成族 など多民族化(?)が進み、“カルチャー・ギャップ”ならぬ“ジェネレーション・ギャップ”が生じ、こちらの方が余程深刻であって、もはや“以心伝心”、“不言実行”などという言葉は過去のものとなり、“沈黙は禁(止)”へと限りなく近づいているようです。

かかる状況下では私のような典型的な旧人類も今後の生き残りをかけ、少しは“有言実行”を心がけねばと、気がついたのでした。

では“有言”は何から始めようか。―― そうだ、やはり人をほめるところから実行してみよう。そこで奮起一番、他人のほめかたに関する本を購入し読んでみました。よし!この本に書いてある通り実行すれば良いのだナ。よーし・・・・!!。その本にはいくつもの“ほめかたの例”が載っていました。

例えば、太った男性には、「男性的で力強く、いかにも包容力がありそうで、頼もしい」 と言えば良いし、反対にやせた人には、「いかにも知的で教養が溢れ何でも相談できそうでステキ!」 とほめれば良いのだそうです。どんな人間でも必ず何か取得(とりえ)はあるものなので、それを見付けてほめれば良いのだそうです。どうしても相手の良い点が見つからなかったら相手が身に付けているもの(例えば相手が男性なら彼のネクタイ)をほめるのだそうです。(そう言えば、私も何度か締めているネクタイをほめられた事があったけど、なんだ! そういう事だったのか!!)

さて、次に 人から ほめられたらどう対応するか。これまた私の経験からして大変難しい問題です。私など生来の内気と謙虚さ(?)がどうしても邪魔します。折角 何かをほめてもらったのに、あわてて手を振って“ノー、ノー”なんて みっともない素振りをして恥の上塗りをするありさまです。“サンキュウ!”の一言すらでてこない事があります。

こんな時、スマートにカッコ良く洒落た受け答えはどうすれば良いか。例えばこんな風にすれば良いのだそうです。

@、「君の瞳は澄んでいて素晴らしい!」 ―― 「だって 今、私の瞳には あなたが映っているからよ」

A、「君は センスの良い人だ!」 ―― 「だから あなたを選んだの」

B、「この コーヒーの味はいかがでした?」 ―― 「とても良かったょ。だって君が入れてくれたコーヒーだもの」

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意気込んで読んでいくうちに、だんだんしらけてきました。こんなやり取りはとても出来そうにありません。やっぱり私は駄目だ!

でも、せめて 人の長所を見付けて ほめる訓練ぐらいはしておこう。

最後に、古いものを持ち出しますが、50数年前、かの帝国連合艦隊司令長官だった 山本五十六元帥の言葉と言われる有名な教訓を自戒を込めて記します。

「やってみせ 云って聞かせて やらさせて 誉(ほ)めてやらねば 人は動かず」

河合 将介(skawai@wakao.com)

さくらの独り言 −1−

桜は日本の国花である。日本を思わせる花は他にも色々あるが、私の一番好きな花は、桜である。

 人にはそれぞれに特徴がある様に、花にもそれがある。自己主張が強いといわれるツバキの花の、その色は情熱を示し、ボトッツという音と共に力の限り生きたと告げながら、その形を崩すことなく散る。白く小さいカスミ草、その花自身は目立たねど、他の花を引き立てるなくてはならぬ役割の謙虚なもの。クチナシのその花が放つ甘い香りは多くの人の足を留め、白い花より大きな木の存在と風のささやきを教えてくれる。秋桜と書いてコスモスと呼ぶ宇宙の花は、その淡い色が青く広がる空と相まって、宇宙の拡がりを示してくれる。桜の花の開花期間は短く、シンプルなその花は風や雨にすぐに散る。世界中へ長い旅をして、文化習慣の違いを超えて長かった冬の終わりと日本の春の香りを伝えている。

 米国へ来てもう10年目そしてまだ10年目である私。画家東山が描いた山桜を懐かしむことなく過ごせる日々の中で、死ぬときは作家の誰かが云った「桜の木の下で死ねたらいいな」と思うのである。

 桜の木が世界中で愛されている様に、私も今日、今出会う人々に愛されることのできる生きたさくらになりたいと思う。 久貴美

一口コラム:「日本語って何だろう?(その9)」

『 ちょっと 』

日本語を理解でき 日本通を自任する アメリカ人と、我々の共通の友人について話をしていた時のこと、私が、「彼は ちょっとした金持ちでねーー」 と話し始めたら すかさずこのアメリカ人、手を大きく振りながら、「 NO!、NO! カレハ チョットデナイヨ。 タイヘンナカネモチヨ!」 と声を張り上げた。

このアメリカ人に、「あなたは ちょっとした日本通ですね」 なんて言ったら、彼はどんな顔をするだろう。もしかしたら気分を害して怒り出すかもしれないナ。 ――― 羅府の庄助さん ―――

読者からのお便り

先週、雑貨屋を発行した後、三島さんからメールが届き、掲載できませんでしたので一週間遅れですが、紹介します。(雑貨屋)

実は まだここシアトルに出張に来てまして 週末も こちらなのです。もうこれで 計4週間こちらにいます。 間に一回週末だけ 家に帰りましたが こんなに長い出張は 久しぶりです。

さて こちらは アメリカの北の端だけあって 気候はもう秋です。一年に364日 雨が降ると 冗談を言われるここですが 私が来て以来 雨は一回 朝降っただけで、後は割と天気が続いています。信じられませんね。ここの天気を知っている人にとっては。でも 今週中頃から雨になるそうです。今日は 78度くらいまでいきそうですが 雨が降ると 70度に達しないみたいで 寒くなりそうです。紅葉もちらほら見えてきています。

ところで ここシアトルは コーヒースタンドがいっぱいありますね。日本の喫茶店くらい数があるでしょうか。エスプレッソ・スタンドとか書いてあってほんの小さなボックスですが ドライブスルーにもなっているところもあります。なぜこちらの人は これだけコーヒーを飲むのでしょうか?

スターバックスの本拠地でもありますが だからと いうことはないと思います。面白いものです。

映画で 「Sleepless In Seattle」ってありましたよね。あれはやはり みんなが コーヒーを沢山飲んで眠れなくなるからでしょうか?(笑)

しかし エスプレッソって いかにも 胃に悪そうな飲み物ですね。僕はコーヒーが好きなので 飲みたいのですが 胃が丈夫でないのが 残念です。スターバックスのコーヒーも美味しいのですが 胃が敬遠してあまり飲めません。

普通のコーヒーも 以前はブラックで飲んでいたのですが 胃を悪くしてからは クリームを入れるようになりました。

でも僕は コーヒーに対しては胃を気にするのですが アルコールには寛容な精神を持ってます(笑)

ではまた 三島

編集後記

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Zakkaya Weekly No.123

雑貨屋店主 大西良衛 ronishi@earthlink.net