お花見(Lake
Balboa湖畔)情報、2006年
日本に比べ、暖かい南カリフォルニアに位置するロサンゼルスは毎年、2月下旬から3月上旬が桜の花の季節で、お花見を楽しみます。
昨年は2月の最終のウイークエンド(2月26、27日)が最高に賑わいました。今年は昨年より低温少雨などで、若干開花が遅れていますが、既に蕾が膨らみ木によっては咲き始めました。
ロサンゼルス・ダウンタウンの北西二十マイルにあるバルボア湖は最大の桜の名所です。フリーウエイの#405と#101が交差する北西一帯は“Sepulveda
Dam Recreation
Area”と呼ばれ、三つのゴルフコース、スポーツセンター、日本庭園、ピクニック場その他各種施設が整った総合リクリエーションの場となっています。
その中の一角にバルボア湖(Lake
Balboa)があり、広く青々とした草地に囲まれ湖畔に約二千本の桜の木が植えられています。
(添付の写真は2月19日に撮影したもので、まだ多くは蕾の状態ですが、この雑貨屋は発行される2月26日頃は見頃になっていることでしょう)
これらの桜は匿名の日本企業の寄付によるもので、1990年に計画が持ち上がりました。桜を寄贈した日本企業の責任者の話によると、桜の花にとって必要なことは、暖かな春だけではなく、寒い冬、良い水はけ、適切な地質、病害虫が無い・・など、数多くの条件が満たされなければならず、当地ロサンゼルスのような、いわゆる“地中海性気候”地域では一ヶ所に大量の桜を育て、開花させるのは当時不可能とされていました。
また育ったとしても花と葉が同時に出現してしまうのだそうです。そのため専門家に依頼して調査と研究に二年間を費やし、オオシマザクラという品種をベースに改良を重ねたピンク・クラウド(Pink
Cloud)という品種に辿りつき、それがこの場所に植えられたのだそうです。
1992年に最初の苗木が植えられました。このピンク・クラウドは日本の桜をこちらの土になじませるため、現地のさくらんぼの根に接木をしているのが特色です。
樹木自体はまだ若く、ほとんどの木が20フィート位ですが、毎年濃く鮮やかなピンク色の花を見事に咲かせます。これからの成長が楽しみです。また湖の周囲十ヶ所に立派な藤棚もあり、これも同じ日本企業の寄付によるものです。
湖(といっても下水処理水を集めた人工湖ですが)には沢山の水鳥が戯れ、広く明るい湖畔は、桜の季節以外でも充分素晴らしい環境です。“貸ペダル・ボート”に乗ったり、湖畔でバーベキュー・ピクニックをしたり、遊園施設で楽しんだり、一人でも、二人でも、家族全員でも楽しむことが出来る、思いきり明るいところです。
この公園はロサンゼルス市の公園局の管理下にあり、日の出から日没までゲートが開き、その間なら無料で自由に入園できます。夜間は立ち入り禁止ですので日本流の夜桜見物は出来ません。
また、公園内へのアルコール類は常時持ち込み禁止ですので、酔っ払いはいません。折角のお花見なのにアルコール抜きとはちょっと淋しい感じもしますが、これはこれで家庭的、健康的で良いことでしょう。
アメリカの桜といえば首都ワシントンDCのポトマック河畔の桜が有名ですが、こちらロサンゼルスのバルボア湖畔の桜も、年とともに成長し市民から愛され絶大な支持を得ています。
いつの日か「東のポトマック河畔の桜」に対し「西のバルボア湖畔の桜」と並び称される日がくるのではないかと期待しています。
************************************ ●開園時間:日の出から日没まで(毎日) ●入園料 :無 料
貸ペダル・ボート料:一 般 者 $10(1時間)、$7(30分) 65歳以上 $
7(1時間)、$5(30分)
************************************ 行き方は次の通り(Torrance方面よりの場合) (1)FWY
#405を北へ。 FWY #10を通り越し、FWY #101(West、Ventura方面)へ入る。 (2)FWY
#101(West)へ入って2つ目の出口、Balboa Blvd. で降りる。 (3)Balboa Blvd.
へ降りたら右折(北へ)、すぐのBurbank Blvd.を横切りそのまま北上、 約1マイル進むと右側に“Authony C.
Beilenson Park、Lake Balboa Recreation
Area”という看板があり、そこを右折、中へ入る。間もなくLake Balboa湖畔に出る。 (4)全行程
;(Torrance方面からの場合)約30マイル、ドライブ約1時間。
河合将介( skawai@earthlink.net )
|